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CSI - Season 15, Episode 16
#333 The Last Ride
- 邦題:「光る女」
- 脚本:Gavin Harris
- 監督:Tim Beavers
- 初回放映:2015-01-27
事件概要
エヴァ・モントローズ
全身を銀色の塗料で塗った女性の遺体が発見される。鈍器損傷の痕跡が見られたが、死因は塗料による窒息死。塗料は遺体の肺の中まで入り込んでいた。犯罪歴から氏名はエヴァ・モントローズと判明。
塗料は車に使用される硫酸クロムカリウム。遺体に残るアザの形などから、珍しいクラシックカーに叩きつけられたと思われた。市内で同種の車を所有する銀行員カルロ・デローサに事情を聞いたところ、エヴァを「元恋人」だと言う。カルロが所有する車の「保管庫」に行ってみると、銀色の塗料を満たした大型の容器や争ったような痕跡があり、そこが犯行現場と思われた。
その保管庫にある車は、カルロが親から相続したクラシックカーのコレクションで、最も高額なキャデラックが消えていた。保管庫の暗証番号を知っているのはカルロの他に弟のアーロンと、現在イタリアにいる整備士のみ。ただ、カルロは車好きのエヴァを何度か連れて来たことがあったので、暗証番号を入力しているところを見て覚えていた可能性があった。
兄弟の父親はベガスマフィアのアルフォンス・デローサで、消えたキャデラックの中で愛人とともに射殺されるという最期を遂げていた。マフィアに詳しいグレッグは「シカゴのギャング、ピート・バモンテとの間に争いがあり、ヒットマンに殺されたと判断された」と言う。
現場に落ちていたマグネットから、車の査定人ビクスラーが現場にいたことがわかる。カルロは車を売りたがっており、査定を依頼されたのだという。
一方、エヴァの靴に付着していた物質から、エヴァが借りていた倉庫の存在が判明。行ってみるとそこには消えたキャデラックがあり、その傍らにアーロンの姿があった。アーロンはエヴァを愛しており、彼女のカードも作ってやっていたので、明細書から倉庫の存在を知ったのだった。車には、エヴァの遺体を遺棄現場まで運搬した痕跡が残っていた。
アーロンは何度も父とドライブしたキャデラックに愛着を持ち、売却には反対だったが、カルロはすでにキャデラックをオークションに出していた。その取引はアーロンによって中止されていたものの、手付金は返却されていない。取引を仲介して査定額を引き上げようとしたのは、エヴァの母親のルースだった。さらに、ルースの現在の恋人ライデルは、何とアルフォンソ殺しの黒幕と言われるバモンテの息子であった。エヴァがルースの指示で車を盗んだという可能性が高まった。
クラシックカーに詳しくキャデラックを調べていたフィンは、アルフォンスの事件の後、車に手が加えられていることに気づく。助手席をルミノールで調べてみると事件当時の血痕が浮かび上がるが、頭を撃たれたのにヘッドレストには痕跡がない。助手席のヘッドレストは交換されていた。DNAを調べた結果、ヘッドレストを交換したのは査定人のビクスラーと判明。交換前のヘッドレストはビクスラーの事務所の裏で発見される。
実は、アルフォンス殺しはヒットマンではなくビクスラーの犯行だった。アルフォンスの愛人はビクスラーの婚約者であったため、浮気を恨んで殺害したのだった。2人は2発の銃弾で殺され、銃弾は鑑定不可能になっていたが、実は3発目の弾丸がヘッドレストに埋まったまま未発見となっていた。その後、ビクスラーは窃盗被害に遭って自分の銃を使用し、銃が証拠として記録された。キャデラックが売却され、弾丸が発見されると自分の犯行だとわかってしまうかもしれない。ビクスラーはそれを恐れてヘッドレストを交換したが、思いがけずエヴァがやって来て見られてしまい、殺害したのだった。
車の処理をめぐって争っていたカルロとアーロンの兄弟は和解し、キャデラックはマフィア博物館に寄贈されることになった。
感想
警察から疑われなかったとしても、殺害の凶器は迅速に処分すべき――という教訓(違)が得られるエピソード。ビクスラーは犯行後、なぜ銃を処分しなかったのか。バモンテの差し金ということで捜査が終了していたわけだが、この線が空振りに終わって愛人の周辺が調べられていた可能性もあったのではないだろうか。婚約者なのだから動機はばっちりの立場だったのだし、さっさと処分しておけばエヴァが死ぬこともなかっただろう。
ラストはクラシックカーに詳しいフィンとマフィア研究家のグレッグが最後のドライブ。ベガス・マフィアものはけっこう久しぶりかも。今回デローサの殺害犯は別の動機を持つ別の犯人だったとわかったし、過去シーズンには、死んだと思われていたピアニストが実は生きていたという話もあった。グレッグは本の改訂版――あるいは続編を出さないといけないのでは?