Table of Contents
Florida Getaway
小説版CSI:マイアミ第1弾。著者はベガスの小説版でおなじみのマックス・アラン・コリンズ。出だしの場面はラスベガスで、グリッソムが登場する。ある女性を殺害した容疑で逮捕されたトマス・レッサーという男が証拠不十分で釈放され、飛行機でマイアミへ向けて飛び立って行った。その数時間後に彼の犯行を裏付ける新たな証拠を得たキャサリンは、マイアミ・デイド警察のホレイショ・ケインに協力を求める。ホレイショはさっそくレッサーを連行しに向かうが……。
書誌情報
Florida Getaway
内容・感想
出だしは何となく「ベガス-マイアミ合同捜査 Part2」みたいで楽しかった。どちらかが出張、ということにはならず、電話だけだったけど。たしかベガスシーズン2の合同捜査のことを「去年」と言っていたので、時期的には、ベガスS3/マイアミS1の後半ぐらいだろう。メーガンももういなかったし。
MACの作品はやはり、ドラマに登場するキャラの描写が良いなと思う。ホレイショの描写で「マイアミの陽射しの中でも日焼けしない」とあったのが可笑しかった(やはりそこは注目点か!)し、トレードマークのサングラスを首にかけるのも「あーこういうのよくやってるよ、ホレイショは!」と笑ってしまった。
事件もやはりマイアミ風に1件だけ。MACの作品は、Aプロット/Bプロットに分けるより事件1つだけの方が面白いんじゃないかな……という気がした。前半では、セビリアとカリーがちょっと目立つくらいで、他のメンバーの影が薄いように思ったのだが、デルコとスピードルもちゃんと後半に出番があった。また、ドラマではどうしても事件捜査の描写に重点が置かれて、時間の経過がわかりづらかったりするのだが、この小説ではちゃんと、この日はどこまで捜査して、次の日に出勤してどこから始めて……というのがきちんと描写されていてわかりやすかった。ホレイショが捜査以外の管理職の仕事(予算会議に出席したり)もこなしていたのが意外だった。捜査で疲れきっている部下たちに「今日はもう帰って休め」と命じるところなど、ドラマでは見られない管理職らしさ。
そして! ラストがオープニングと対になっている所がスマート。キャサリンがレッサーを連行してほしいとホレイショに依頼するところから始まり、ラストではレッサーを殺害した犯人がマイアミからベガスへ飛び、今度は逆にホレイショがキャサリンに協力を依頼する。そしてキャサリンの返答は……最後まで対になっているのだった。
— Yoko (yoko221b) 2006-05-22