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CSI: Miami - Season 1, Episode 19
#19 Double Cap
- 邦題:「プールサイドの処刑」
- 脚本:Marc Dube
- 監督:Joe Chappelle
- 初回放映:2003-03-31
- Sometimes it's difficult to have family.
- Sometimes it's more difficult not to.
事件概要
グロリア・タイナンことジーナ・カサック殺害事件
CSI全員とヘイゲン刑事担当。ホテルのプールサイドで、甲羅干しをしていた女性が後頭部に二発、銃弾を撃ち込まれて殺害された。殺し方は、マフィアの処刑のようだった。被害者の名はグロリア・タイナン。男と一緒に宿泊し、現金で支払っていた。従業員で硝煙反応の出た者はない。監視カメラを見ると、グロリアは死ぬ前、携帯電話を持っているのに、それを使わずホテルの電話を使用していた。
カリーは銃弾を分析。犯行に使われた銃弾には、旋条痕が二組あった。それと合成ゴムが検出されたことと合わせて、犯人は手製のサイレンサーを作ったと推測。銃口に金属のパイプを取り付け、隙間に音を吸収するブロンズウールとリチウムを詰め、最後に合成ゴムをはめこむ。これにより、銃身とサイレンサーで一組ずつ旋条痕が付くことになる。また、銃弾は以前にユリータでおきた銀行強盗事件で使われたものだった。事件の担当刑事はイェリーナ。その事件でも、警備員が頭を二度撃たれて死亡していた。
グロリアの職場や経歴には警官の家族が関わっていた。証人保護プログラムを受けた証人の経歴は、通常は警官の家族が協力して口裏を合わせてでっち上げる。グロリアもそのクチであろう。
グロリアがホテルから架電した家へ行ってみると、住んでいた年配の女性は被害者の写真を見て、娘のジーナだと言う。ジーナは母親をフロリダに呼び寄せ、住む家まで借りていたが、電話で話すだけで実際に会ってはいなかった。恋人と一緒に危険なことに関わっているのではないかと母親は心配していた。ホレイショは、母親が娘の恋人から贈られたという指輪の箱を預かる。その後、家の外に不審な車を発見。彼女を護衛していた連邦保安官だった。彼らは証人を保護しており、ジーナはその愛人だった(妻は別にいる)。犯人はジーナの母親の家を見張り、コードレス子機の電波を傍受して彼女の居場所を突き止めたのだ。
デルコはホテルの部屋で検出した部分指紋を分析して指輪の箱と比較。指紋の主はエドワード・ヒンクルと判明。だがデータベースから得られた情報は、証人保護プログラムで作成された偽の経歴だった。ヒンクルは近く、コロンビアの麻薬の供給元を公判で証言することになっていた。目撃証言と照合し、ヒンクルがユリータの事件の犯人なのはほぼ確実だった。
だがヒンクルは、グロリア殺害のニュースを見て逃亡。ホレイショはFBIのザックハイムとともに、ヒンクルの夫人に会いに行き、ヒンクルが持っていたという紙幣を預かる。
グロリアが殺害されたホテルの監視ビデオには、従業員に見せかけているがよく見ると様子の違う男が映っていた。彼は客の日除けに1枚ずつタオルを置き、そのタオルの中に銃を隠してジーナを射殺したのだ。使用されたタオルの中には、発射残渣の残るタオルと毛髪があった。強盗の前科のあるジェイムズ・フュークスだった。ホレイショは、フュークスが銃を保管し、ヒンクルが金を持ち逃げしたのだろうと推測。
ヒンクルの夫人から預かった紙幣を調べると、いちばん下の札に消毒用の薬品が付着していた。ジーナは新しい名前で遊覧船の会社に勤務していた。遊覧船に金を隠したため、いちばん下の札にだけ薬品が付いたのだ。ヒンクルは金を取るために遊覧船に乗ったはず、と判断し、ホレイショらは目的地に先回りしてヒンクルを逮捕。ヒンクルの処遇をめぐりFBIと対立するが、ホレイショはフュークスを捕らえるまでと言って協力を取り付け、フュークスをおびき出すため留守電にメッセージを入れる。その作戦は失敗するが、ホレイショはフュークスが競馬マニアであることを聞き出し、競馬場でフュークスを発見、逮捕する。車からは無線を傍受するためのベビー・モニタと銃が発見される。
ジーナの殺害と、ユリータの強盗事件が一気に解決するかに思えたが、その直前になって横槍が入る。マフィアのヒットマンに関して証言するという司法取引が行われることになったのだ。
ホレイショがヒンクル夫人に会いに行くと、彼女は仕事を辞め、娘とともに西部に移った後だった。元同僚から「チップが多すぎた」と20ドル札を渡す。そこには “IN GOD WE TRUST” という言葉に赤丸がつけられていた。
ハニガン事件
カリー担当、詳細不明。
感想
証人保護プログラムに守られた関係者(容疑者)をめぐる、ホレイショとFBI/連邦保安官の対立。彼らにとっては、巨悪を倒すために「小さな」殺人事件を免責することは当然なのかもしれないが、ホレイショの本分はやはり、ひとりひとりの上に正しく正義を行うことなのだろう。
とはいえ、さすがのホレイショも連邦政府の決定は覆せない。苦い結末ではあったけれど、スケールの大きさとスピード感、ラストの “IN GOD WE TRUST” にこめられた希望と、ドラマの展開は面白かった。
あれ、そういえば科学捜査は? ……と思ったら、最初の方でちゃんとカリーがやってるじゃないか。お手製サイレンサーの作り方。火器である以上火薬を爆発させないと弾は出ないのだから、要するに、その時の音をどうやって吸収するか、という問題なのだな。ベガスではジャガイモやペットボトルをサイレンサーにする話もあったけど、それだと周囲の客に気づかれる程度の音は出そうな感じだし、そもそも高級ホテルのプールサイドにジャガイモを持ち込むわけにも。
事件とは関係ないけれど、今回はカリーの父親が登場。やはり「ラムチョップ」と呼んでいるのね。
— Yoko (yoko221b) 2006-05-06