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CSI: Miami - Season 1, Episode 24
#24 Body Count
- 邦題:「死刑台への脱走」
- 脚本:Ildy Modrovich, Laurence Walsh
- 監督:Joe Chappelle
- 初回放映:2003-05-19
If you silence me, the evidence has its own voice, and it keeps saying, over and over – you.
事件概要
拘置所内殺人~未決囚逃亡事件
拘置所内で殺人事件が発生。ホレイショが調査に向かうが、そこへエアパトロールのヘリが飛んでくる。現行のヘリとは型が違うと気づいたホレイショは、殺人は陽動作戦だったことを知るが、すでに未決囚が3人そのヘリで脱走していた。銃撃戦になりヘリも被弾するがそのまま逃走。だが囚人たちがお互いに手首のIDバンドを交換しているため、脱走した者の身元確認に手間取る。
脱走したのは、凶悪犯のハンク・カーナー、ひき逃げ事件を起こした株式仲買人のランダル・ケイ、幼女連続殺人で逮捕されたスチュアート・オッティス(「魔の手」参照)だった。ほどなく不時着したヘリが発見されるが、パイロットとランダルが射殺されていた。パイロットはランダルの弟ブライス・ケイだった。
カージャックが発生し、運転していた女性が頭を撃たれて殺害された。駐車違反用のカメラが現場を撮影しており、写真を見ると、カーナーとオッティスが映っていた。目撃者によると、オティスは車に乗らず別行動をとったという。
カリーはカーナーの公判で証言したことがあった。そして2週間後にまた公判が開かれる予定だった。カリーは友人の検事のジャネットに会い、証人の女子大生に護衛をつけることを話し合う。
オッティスは拘置所で縫製の作業をしており、房内に刺繍の道具を持ち込んでいた。壁には同じ房に収容されていたランダルの娘の写真。一緒に映っている教師は胸にワッペンをつけていた。刺繍の道具は教師のワッペンを偽造するためだと見抜いたホレイショは学校へ向かうが、ランダルの娘エマはすでに下校した後だった。エマは新しい教師と一緒に帰ったという。そこへランダル・ケイの妻が旅行の仕度をととのえてエマを迎えに来る。ホレイショは警察犬でオッティスを追跡。途中で、オッティスがエマの髪を切って男の子に変装させたことがわかる。
ランダルの妻の供述から、オッティスがキャンピングカーを借りたことがわかる。持ち主のサイモン・ビショップはオッティスの仲間で、エマの写真を持っていた。
ホレイショとデルコはオッティスが撮った写真を分析。カーテンを閉めていたが、背後に映る建物の影をデータベースで照合して位置を発見。車はもう駐車場に止まっていなかったが、車が故障してオイルが漏れていた。その跡をたどり車を発見。踏み込んだが中はもぬけの殻だった。足跡をたどり、エマを発見。エマはまだ生きていた。
ホレイショはエマから従妹のロビンの話を聞く。次の狙いはロビンだと知ったホレイショは学校へ。ロビンは校外学習で水族館に出かけていた。ホレイショを見たオッティスは、ロビンを人質にとって逃亡。追い詰められたオッティスは自殺を図るが、結局ホレイショに助けられて再び逮捕。
一方、カリーはカーナーを追っていた。銃殺された3人の弾丸を分析していたところへ、検事のジャネットが殺害されたという報せが入る。ヘイゲンは事件の担当をやめて休暇を取るよう薦めるが、カリーは聞き入れない。
ヘイゲンとカリーは、カーナーに面会に来ていた売春婦を探し出すが、カーナーはすでに逃亡。女は彼が「ブロンドのビッチな警官を殺しに行く」と言っていたことを話す。部屋の壁には、カリーの殺害を予告する文字が残っていた。
カーナーの残した文字の塗料からは、古いタイプのガンオイルが検出された。ヘイゲンはカリーを心配してそばについていようとするが、カリーはヘイゲンが寝ている間にガンオイルのブランドを知り、それを扱っている銃砲店へ向かう。そこでカーナーを発見、鏡をうまく利用して背後へ回り込み、彼を逮捕した。
感想
DVDの前の巻に入っていた予告編を見てギョギョ。頭を撃たれて倒れている金髪の女性が、一瞬カリーに見えた。で、その後にアレックスがモルグで、悲しげに引き出しに手をあてて頭を垂れるシーン。どう見ても誰か「仲間」が殺された雰囲気。ま、まさかカリーが! と思ってしまう。
でもカリーが次シーズン以降もいることはわかっているので、検事のジャネットが登場したところで、ああ彼女なのね……と予想がついてしまった。合掌。
やはりこのシリーズはCSIじゃなく刑事ものでいいじゃんという感じ。シリーズの最初ではやたら「証拠が」「現場が」と言ってCSIらしさを強調していたホレイショだが、このエピソードではその役もカリーに譲って、本人は銃を撃ち、犯人を追跡して一騎打ち。しかしCSIである必然性は弱まったものの、この路線の方がよりマイアミらしくて、しっくりくるように思う。
ホレイショに負けじとカリーも活躍。犯人の狙いが自分だとわかるが「危ないから安全なところにいなさい」という忠告は何より大嫌いらしい。ヘイゲンもそこがわかっているから、カリーのそばにいるために「(レイモンドに続いて)これ以上パートナーが殉職したら自分の評価が落ちるから」と苦しい言い訳。そこまで言ったのに、結局眠っている間に単独行動されてしまうのだから、何だかお気の毒。ホレイショに至ってはカリーを心配するような言葉もかけないが、これは心配していないからではなく、カリーを理解しているからだと思う。被害者には底なしに優しいが、カリーは保護の対象ではなく、一緒に義務を果たすプロフェッショナルな仲間。カリーとホレイショは何だか同類項という感じがする。
プロといえばホレイショは幼女捜索のプロ(え?)。エマもロビンも無事保護された。オッティスが落ちそうになっているのに、悠然とロビンに歩み寄っているのが何だかおかしい。オッティスも死にたいならこの間にさっさと手を離せば……と思うのだけどね。土壇場で死刑になる運命を思い出したのか、それとも本当は助かりたいけど、ホレイショに助けられるくらいなら死んだ方がマシだと思ったのか。あるいは、このドラマはすべてホレイショのタイミングで動いているのかもしれない。だからホレイショがポーズを決めて台詞を言い終わるまで、勝手に死ぬことは許されないのだ。
それはそうと、シルエットから位置を特定するための景観データベースって……? 何だか膨大なデータとレンダリングが必要なわりに、用途はすごい限られているような気がするのだけど、どの程度現実的なのだろう。ま、いっか。