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CSI: Miami - Season 2, Episode 23
#47 MIA/NYC - NonStop
- 邦題:「マイアミ-NY 合同捜査」
- 脚本:Anthony E. Zuiker, Ann Donahue, Carol Mendelsohn
- 監督:Danny Cannon
- 初回放映:2004-05-17
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事件概要
スペルマン夫妻/ハノーバー夫妻殺害、マイケル・ハノーバーJr. 傷害事件
16歳の少女ローラが夜遊びから帰宅すると、両親が家で惨殺されていた。凶器の片刃ナイフは父親の背中に刺さっていた。床には犯人のものとおぼしき痰、被害者の衣服にはオレンジと紫の繊維、庭には何かのロゴマークの切れ端。
痰にジェット燃料が含まれていたことから、犯人はニューヨークから来た可能性が考えられた。911の事件当時、グラウンド・ゼロの付近では、呼吸器系の炎症を起こした住人が多かったのだ。ロゴマークからレンタカー会社、繊維から航空会社が判明。NYから来て車を借り、すぐに返してNYへ戻って行った、ニック・マードックという客がいた。レンタカーには血の付いた部分指紋が残っていた。ホレイショは単独でニューヨークへ向かう。
ニューヨークでは、NYPDのCSIが「ニック・マードック」の殺害現場に向かっていた。マードックは覆面捜査官。死後3日くらい経過し、財布からは身分証が盗まれていた。CSIのマック・テイラーが現場を調べているところへ、ホレイショが現れる。犯人はマードックを殺して身分証を奪い、彼になりすましてマイアミへ向かったと思われた。
NYPDのダニー・メッサーが財布から部分指紋を採取。マイアミにいるスピードルと協力して、その指紋とレンタカーの部分指紋を合わせると、前科者のペンロッドという男の指紋になった。その住所へ向かうが、ペンロッドは建物から飛び降りて逃亡。部屋を調べると、航空券を入れた封筒があり、そこに「702 Star Island」という住所が書かれていた。マイアミの被害者の住所は「720 Star Island」だった。犯人は家を間違えたのだ。702 に住む本来のターゲットの名は、マイケル・ハノーバー・シニア。本宅はNYの五番街だった。行ってみると、ハノーバー夫妻はマイアミと同じ手口で惨殺され、息子は重傷を負っていた。
妻は寝室で鎮痛剤で眠り、夫は書斎にいた。ブロンドの女性(妻ではない)が一緒にいた形跡があった。非常口に血痕。鍵を調べると、合鍵で開けた形跡があり、さらにその合鍵の元のキーが夫人のキーであることもわかる。
犯行時間は午前4時ごろ。ハノーバー氏の身体には、舞台用の青いメーキャップが付着していた。月曜日にショーをやっている舞台で、メーキャップに青い顔料を使っている女性が1人だけいた。彼女レネーはハノーバーの愛人。家に行ったことは認めたが、もう別れるつもりだったという。彼女の服に血痕はなかったが、ハノーバーの息子の精液が付着していた。
ホレイショはペンロッドが治療に来た病院へ向かっていた。だが、ペンロッドは看護師に気づかれて逃亡。
息子は父親がレネーをぞんざいに扱うことを快く思わず、同情するうちに彼女を愛するようになっていった。マックはマイケルの傷を調べようとしたが、弁護士に阻止される。
ホレイショは遺体を見て、ナイフのヒルトマークを調べる。夫妻の遺体にはヒルトマークがあるが、息子の傷にはそのマークがなかった。その頃、マックは写真を見て同じ結論に達していた。息子は別のナイフで刺されたのだ。
マックは再度現場へ戻る。エレベーターシャフトのいちばん下に、ヒルトのないナイフとタッセルが落ちていた。タッセルはドアマンの制服についていたものだ。ドアマンが息子を刺し、ナイフの血痕を袖で拭こうとして、袖のタッセルを切り落としてしまったのだ。シニアは以前、心臓発作を起こし、その時ドアマンの措置で命が助かった。それでドアマンに100万ドルの遺産を残すことになっていた。だが彼はそれを待ち切れず、ペンロッドに殺害を依頼したのだ。マイアミでターゲットを間違えた後、ペンロッドが改めてハノーバー夫妻を殺害。息子の方は、狂言の疑いを向けるために、ドアマンが死なない程度に刺したのだ。
ペンロッドは逮捕され、マイアミへ連行された。
感想
このエピソードを最初に見たのは昨年の秋、WOWOWの無料放送の日だった。その時はまだマイアミもNYも最初の2~3話ぐらいしか見ていなかったので「メーガンいないの?」「ニューヨークは寒そうだな~」くらいしか印象がなかった。
で、今回改めて見てみると、何だか雰囲気が違う! マックはノーネクタイに革ジャケだし、ダニーは眼鏡してないし。でも、ダニーがこの頃から既にマックの言いつけを守らない子だった、なんて妙なところでつじつまがあってたり。舞台がニューヨークへ移ったとたん、画面が一気に青くなり、ホレイショが一人だけマイアミの太陽をしょって天然色、というのは面白いけど、ちょっとやりすぎのような気もした。逆にマックがマイアミへ来たら、明るい陽光の下で一人だけ青白いの?(それ怖い)
マックは左手に指輪をしているので既婚の設定はあったのだろうが、マック・テイラーらしい個性みたいなものは、いまいち見えてこなかった。本編でも、マックの人となりというものは、回を重ねるごとに見えてきた感じがあるので、これは仕方ないかな。今回、NYの方の被害者は、マックがシンパシーを寄せるようなタイプでもないし。
その点、ホレイショはベガスとの合同捜査からもうホレイショだったなと思う。そう、ホレイショはもう生まれたときからずっとホレイショなんだよ。どこに行っても。ニューヨークでもホレイショ物質振りまいていたもの。
そういえばマック・テイラーが記者たちに「テイラー捜査官」と呼ばれていた。なぜだろう? Detective Taylor だから、普通に「テイラー刑事」じゃない? と思うのだけど。「捜査官」はFBIとかDEAみたいな連邦の機関の職員(agent)に対して使うものかと思っていた。
そんなこんなで、ニューヨークの空気は堪能したのだが、肝心の事件は……いまいち、だったかな。入念に計画したつもりが失敗してしまい、あわててずさんな行動に出てしまったのだろうが、そのへんの「犯人の側の」描写がもう少し欲しかったような気がする。
— Yoko (yoko221b) 2006-07-03
画像出典:Past My Shoulder