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csi_miami:s03:054_hell_night

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CSI: Miami - Season 3, Episode 6

#54 Hell Night

  • 日本語タイトル:「ヘルナイト」
  • 脚本:Steven Maeda, Corey Miller
  • 監督:Scott Lautanen
  • 初回放映:2004-10-25

His name is Martin Conner and I don't want you to stop picturing it.

事件概要

ドニー・ロペス殺害事件

有名野球選手のドニー・ロペスが妻ミランダを殺害したとされる事件の公判中、陪審員が事件現場を視察することになった。被告人のロペスも同席した。その途中、陪審員の一人がてんかんの発作を起こし、それに全員が気を取られた隙に、被告人が後頭部を包丁で一撃され殺害された。そばには “guilty(有罪)” と書かれた紙が落ちていた。攻撃の瞬間に出血はなく、犯人が返り血を浴びた可能性は低かった。

部屋には、最近写真を架け替えた形跡があった。弁護士が陪審員に対して「ロペスは家族思い」だと印象づけようとしたのだ。弁護士はその時、凶器となった包丁もキャビネットにしまっていたが、いつの間にか元に戻されていた。包丁の指紋は、ドニーの娘チェルシーのものだった。彼女は浮気ばかりする父親を良く思っておらず、陪審員は事実を知るべきだと思い、弁護士の工作を元に戻したのだ。

“guilty” メッセージを書いた紙は、陪審員の使っているノートだった。ページを破った跡は、陪審員11のノートと一致したが筆跡は異なる。ノートは全員の物をまとめて保管していたので、ページを破り取ることは誰にでもできたはずだった。

発作を起こした陪審員7は、てんかんの持病があったが、発作を抑えるための薬を飲んでいなかった。5000ドルの報酬でわざと発作を起こすという工作を頼まれ、ランプのついたキーホルダーを使って発作を起こしたのだ。依頼したのは、弁護側の証人のケリーという女性。ロペスの愛人で、事件の夜に現場にいたことを証言する予定だった。だがケリーは別の男性と出会い婚約していたので、今さらロペスのことを証言したくないと思い、審理無効になるよう仕組んだのだった。ケリーも筆跡は不一致。

犯人は包丁がテーブルの上にあることを知っていた。つまり弁護士が工作した後の状態ではなく、事件当時の状況を裁判資料で調べていたのだ。

カリー、デルコ、ウルフの3人はその前提をもとに現場へ戻り、ミランダ・ロペスが殺害された時点と何が異なっているかを調べる。事件当時はポケットドアが壊れていたが、現在は修理されていた。調べてみると、果たしてそこには誰かが顔をぶつけた跡があった。犯人はポケットドアがあることに気づかず、顔をぶつけたのだ。そこからDNAを調べると、陪審員3のジム・ウィルソンと判明。ジム・ウィルソンは、陪審員として何ヶ月も拘束されたせいで仕事も家庭も失ってしまい、被告人を恨んでいた。陪審員が発作を起こした時にチャンス到来とばかりに被告人を殺害し、キッチンから出ようとしてポケットドアに顔をぶつけたのだった。

ドニー殺しの事件は解決するが、カリーはミランダ殺害現場の写真を見て、犯人がドニーでないことに気づく。

ミランダ・ロペス殺害事件(reopen)

1月16日の夜、ドニー・ロペスの妻ミランダが自宅で刺殺された。ドニーは彼の浮気をめぐって妻と口論することがあり、その夜もミランダが誰かと言い争うところを隣人が目撃していた。ミランダは台所の包丁で二度刺された。ドニーはまず現場を清掃しようとしたが、その数十分後に通報して逮捕される。

ミランダの傷は下腹部と胴体上部。傷の深さは約5センチで、2つ目の傷で大静脈が切れていた。傷は浅く、40本もホームランを打ったドニーの腕力とはつりあわない。また、ミランダの手の傷は、広げた手を相手に差し伸べている状態でついたもの。これは防御創ではなく、相手を信頼していたことを示している。殺したのは娘のチェルシーだった。

チェルシーは父親がケリーと一緒にいるところを目撃し、それはミランダの責任だとなじった。その口論を隣人が目撃した。ミランダはチェルシーにナイフを渡すようにと手を差し伸べた。チェルシーの刃はその手を傷つけ、さらにミランダを二度刺して殺したのだった。

マーティン・コナー事件

ドニー・ロペス事件の捜査中、ホレイショはイェリーナから電話を受ける。イェリーナはレイJr.を母親に預けてステットラーとともに週末をすごしていたが、レイが家に戻って来ないという。レイは最近、素行の良くない友だちができたらしい。ホレイショは、ペイントガンで空き缶を撃って遊んでいたレイを見つけて家に送って行く。

その後ホレイショは、ホームレスの老人がペイントガンで撃たれ、そのショックで死亡したことを知る。ホレイショがレイに事情を聞くと、レイは老人が死んだことにショックを受けつつ「皆で撃った」と繰り返した。だが他の仲間たちは皆、撃ったのはレイだと言った。

レイと一緒にいた少年の一人がデジタルビデオカメラを持っていた。録画を見ると、ホームレスに発砲した時、その背後でレイが「クリス、やめて」と制止する声が録音されていた。撃ったのはリーダー格のクリス・オーウェンだった。

死亡したホームレスの名はマーティン・コナー。「死んだ人の顔が頭から離れない」と言うレイに対し、ホレイショは「その顔を忘れるな」と諭す。


感想

うーむ。……何と評すれば良いのか。

エピソードとしては面白かった。雷雨の夜の中をひた走るバス、いきなり子どもが飛び出してきてはっとする。ギャー顔が血まみれ! と思ったらハロウィーンの仮装だった。そしてバスは目的地に到着。画面の雰囲気がおどろおどろな感じで、いったい何が始まるのだろう……という期待感が盛り上がる。バスのご一行様は、犯罪現場を見に来た陪審員たち。きっとここで殺人が起きるのだろう、という期待どおり(失礼)に殺人。しかも殺人者からのメッセージまで!

お約束な場面といえばそうなのだが、しかしミステリといえばこうでしょう、これが見たいのよ! と思わせる出だしだった。

しかし……肝心の解決編が、ちょっとなぁ。紙を見つけた段階で全員の筆跡を取ったら一発だと思うんだけど。犯人はいつその文字を書いたの? 現場で、男性の陪審員は皆手ぶらだったみたいだけど、あらかじめ書いてポケットにでも入れていたの?(でもシワも折り目もなかった)犯人は裁判資料を調べて犯行計画を練ったことになっているけれど、冒頭で被告人が現れた時、陪審員たちは彼が立ち会うことを知らなかったようだった。ケリーが陪審員を買収した経緯もいまいち不明確だったかな。

そもそも、ミランダの事件を担当したのがスピードルだというのが、いない人に責任をかぶせているように思えた。ベテランの彼(事件発生はシーズン2の頃ですよ)が傷口の深さに気づかないってことが、あるだろうか。有名人の事件だから特別に力を入れろ、というわけじゃないけど、財力のある被告人は当然、優秀な弁護士を雇って緻密な戦術で来るだろうから、検察だってそれに備えていたはずだし、担当CSIが一人だけとはちょっと考えられない。ホレイショは何をしていた。カリーが写真を見て数分で気づいたことですよ?

あるいは、被疑者の自供があり、証拠がそれに(表面的であれ)矛盾していなければ、あまり突っ込んで調べないということもあるのかもしれない。でも、それだって公判でひっくり返されない程度には調べるよね……うーむ。

そのホレイショはといえば、部下たちがドニーの事件にかかりきりなのを良いことに、ちゃっかり甥っ子が関係する事件を担当。最近は、途中から派生したBプロットをホレイショが担当するケースが多い。

事件解決後、金魚みたいなびらびらの服で駆けつけたイェリーナが、ステットラーと手をつないでレイを連れて帰り、ホレイショは一人でそれを見送る――なんだか寂しそう。それまでは事件の捜査でシャキーンとしていたのに、急にショボーンになってしまうのだもの。レイとイェリーナを送っていくのは自分の役目だったのに、と思っているのか、それとも弟のレイSr.が生きていた頃の三人を思い出しているのか。どちらにしても、苦しんだり悲しんだりしているホレイショの姿は萌えますな。

CSIシリーズでは、基本的に「事件発生日=初回放映日」になっているようだが、今回は例外かな。ハロウィーンは10月末日だが放映は25日。再放送がハロウィーンの日だったようだ。

Yoko (yoko221b) 2006-07-23

csi_miami/s03/054_hell_night.1584859105.txt.gz · Last modified: 2020-03-22 by Yoko