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csi_miami:s03:062_one_night_stand

CSI: Miami - Season 3, Episode 14

#62 One Night Stand

  • 邦題:「妻たちの危険な情事」
  • 脚本:Michael Ostrowski, John Haynes
  • 監督:Greg Yaitanes
  • 初回放映:2005-02-07

マイアミはクルーズのシーズン。下船してホテルに宿泊する客で、マイアミの人口は一晩に約3万人増加する。そして容疑者の人数も――。


Know the bomb, know the bomber.

事件概要

ベルボーイ殺害/偽札製造/少女誘拐/倉庫爆破・バート・ジェイムソン殺害未遂事件

ホテルの一室。ボーイがスーツケースを客室に運び、ふたを開けて中を見た直後に射殺される。その部屋の客の名は Fulana Perez となっていた。Fulana Perez は、キューバで「ジェーン・ドゥ(氏名不詳の女性)」を表す名だった。スーツケースは持ち去られていたが、5個目の荷物が後から届いた。中には白紙の紙と毛髪が入っていた。毛髪は鋏で1房切り取ったもので、誘拐を連想させた。

スーツケースに入っていた紙は、紙幣に使われる本物の紙。そこへシークレット・サービスのピーター・エリオット捜査官が現れ、テキサスへ向かっていた紙幣用紙の輸送車がハイジャックされ、1000万ドルを製造できる量の紙が奪われたと言う。

スーツケースの指紋は、5年前にキューバから亡命したファン・フェルナンデスの物。フェルナンデスの指紋は、ハイジャックされたトラックからも見つかっていた。フェルナンデスは金で雇われ、トラックから紙を強奪してホテルに届けたことを認めた。

ウルフはスーツケースを4個まとめて運び出せるドライバーを探し、荷物の運搬先を聞き出しホレイショとともに向かう。そこは古い倉庫で、中には高性能のコピー機があった。ホレイショは天井から吊るされた爆発物に気づき、危うく爆発を逃れる。爆破後の倉庫には、誰かが縛られて倒れていた。

被害者の名は印刷業者のバート・ジェイムソン。ホレイショはジェイムソンの財布に入っていた娘の写真を見て、スーツケースに入っていた毛髪を思い出す。ジェイムソンは誘拐については何も答えなかった。ホレイショとウルフはジェイムソンの自宅へ向かい、そこで娘ケリーを人質にしている男を発見。ホレイショはためらわず犯人を射殺。

ホレイショはウルフとともにラボで爆弾を分析。絶縁体としてシガレットを使うという特徴から、製造犯エディ・マイケルソンを割り出す。エディは爆弾の製造は認めた。保険金のために印刷工場の爆破を請け負ったという。エディは依頼人の似顔絵を作成。それは、ウルフに倉庫の住所を教えたバンのドライバー、デイモン・バーカーだった。ウルフは、バーカーの車にマリーナの駐車チケットがあったことを思い出す。

マリーナで発見されたバンには、税関と国境警備隊の錠前がいくつか入っていた。カリブへ向かう貨物を新型のスキャナで調べると、それらしきスーツケースが4個発見された。目録ではジュネー・シャンペンになっていたが、開けてみると中には札束が詰まっていた。バーカーは近くで発見、逮捕される。

ホテルの石鹸についていた指紋はバーカーの物ではなかった。シャワーを使っていたのはファン・フェルナンデスだった。

ホレイショは偽札組織の情報をエリオット捜査官に渡す。エリオットはジェイムソンを逮捕したが、ホレイショは「マイアミでの仕事をやりにくくしてやる」と脅して釈放させる。

エリカ・ハンフォード殺害事件

ボーイの射殺事件の捜査のためホテルに到着したカリーは、トム・ハンフォードという男性客から妻が行方不明だと言われる。その妻エリカは、従業員用のエレベータで遺体となって発見されていた。下着には精液の跡が付着し、歯の間には何かの組織。エレベータには掌紋が残っていた。死因は、アレルギー反応によるむくみで喉が塞がったための窒息だった。エリカから採取した精液は夫のものではなかった。またレイプではなく合意の上での性交であることもわかる。

トムに事情を聞くと、その夜知り合ったカップルから「フリクション・パーティ」に誘われて出かけたという。乱交のようなものだが、セックスはせずにただ身体を触れ合うだけで、十分に興奮した所で本来の相手と自室に戻って続きを、というものだった。そのパーティ会場へ行き、オイスターのカクテルを調べると、どのグラスにもアスピリンが入っていた。エリカはアスピリンにアレルギーがあり、毒物検査からもアスピリンが検出されていた。

パーティの出席者で1組だけ連絡の取れなかったロックハート夫妻を発見して事情聴取。夫のミッチは、エレベータの中でエリカと関係したことは認めた。一方、エレベータで見つかった掌紋は妻ハリのもの。ハリは、ベルボーイがエクスタシーを取りに行くのに同行したと言う。だが、ハリとミッチは違うデザインの結婚指輪をしていた。ハリの本名はハリ・ウェバー。それぞれ別の相手と結婚していたのだ。大学時代からの恋人で、年に一度クルーズのシーズンだけの逢瀬を楽しむ仲だという。

ベルボーイのビリーは、ハリに会ったことは認めたが、渡したのはエクスタシーではなくアスピリンだった。ハリは、錠剤を飲むのが苦手だと言って、その場で砕いていた。

ハリはオハイオから来たと言ったが、オハイオにハリの記録はなかった。実際は、エリカと同じインディアナポリス在住。しかも近所に住んでおり、お互いの子どもたちも同じ小学校に通っていた。ハリは年に一度の逢瀬を、同じPTAでいちばんおしゃべりなエリカに知られてしまった。それで口を封じるためにアスピリンを砕き、オイスターカクテルに入れたのだ。ハリが子どもの写真を入れているロケットには、錠剤を砕いた痕跡が残っていた。


感想

今回は平均的な(あるいは典型的な)マイアミエピソード、といったところ。何だかもう最近は、銃撃戦とか爆弾程度じゃ驚かないというか「はいはい来ましたね~」という感じ。犯人はそれまでに出てきた関係者の中にちゃんと含まれていて、その意味では無駄のないまとまった話。

普段は鑑識の仕事もほとんど部下任せで刑事みたいなポジションにいるホレイショだが、爆弾となると話は別らしい。歩く爆弾検知器ぶりも健在。そしてホレイショの白衣姿! 今シーズン初ではないだろうか。白衣まだ持ってたんだ、と思ってよく見ると、胸には「LT. H. CAINE」の文字が。ちゃんと階級まで刺繍してある。

人質(しかも女の子)を取っている相手に銃をかまえて近づいて行くし。そんでいきなり撃つし。おそらく “Say good-bye to the policeman.” と言い終わるまでは撃たないと判断したのだろうけど、それにしても。撃たれた瞬間、反射的に手が引き金を引いてしまうということはないのだろうか? ないんだろうなぁ、少なくともマイアミでは。

で、最後は連邦捜査官を脅すし。これも、パイロットからの伝統というか風物詩のようだ。ホレイショ節健在。エリオット捜査官はFBIのザックハイムよりは話のわかるタイプのようで良かった。

時系列にそって整理すると、色々わからない点もあるのだけど……。まず、紙幣用の紙を運んでいたトラックを襲って紙を奪い(その情報はどこから?)、印刷業者の娘を誘拐して業者に印刷させ(自前の作業員とかいないの?)、印刷屋と機械を爆弾とともに放置。刷り上った偽札をスーツケースに入れ、なぜか印刷していない紙も一緒に運搬し(印刷屋と機械は始末したのになぜ?)、ホテルにチェックインして(何のために?)、ボーイを殺したので即行でトンズラして(荷物1個残ってますけど!)スーツケースを貨物船に運び込み、ウルフにはアジトの場所を馬鹿正直に教え(あわよくば爆弾で吹っ飛ばせると思った?)、仲間の1人は印刷屋の自宅で人質とともに待機していて(だから何のために?)ホレイショに射殺され、別の仲間は港で御用、とこういう順序でいいのかな。いいのか、本当に。

そういえば今回イェリーナは出ていなかったかな。偽札事件とパーティ殺人の事件、両方ともトリップ刑事が担当なんだっけ。でもトリップは途中からパーティの方にかかりきりだった。トリップとカリーのコンビはけっこう良い感じ。いや、美女と野獣とかいう意味じゃなくて!

愛人とパーティに出かけたら、PTAでもいちばんおしゃべりなママ仲間に出会ってしまったとは。悪いことはできないものだな。いや、でもミッチとエリカができちゃったことを知っていたら、バレて困るのはお互い様なので口止めできたのではないだろうか。何だできるじゃん、悪いこと。(違

そんなこんなでツッコミどころはあるが、とてもマイアミらしい楽しみ方ができたエピソードだったと思う。というか、もうプロットにツッコむのは止めておこうかなという気持ちになった。そういえば、偽札のスーツケースが目録で「Jeunet Champagne になっている」と言っていたけど、これは「死のピットイン」に出てきた大物スポンサーのジュネー社だろうか?

Yoko (yoko221b) 2006-08-21

csi_miami/s03/062_one_night_stand.txt · Last modified: 2020-03-28 by 127.0.0.1