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csi_miami:s03:066_game_over

CSI: Miami - Season 3, Episode 18

#66 Game Over

  • 邦題:「配達された殺意」
  • 脚本:Michael Ostrowski, Corey Miller
  • 監督:Jonathan Glassner
  • 初回放映:2005-03-21

Killing's a lot easier in a video game, isn't it?

事件概要

ジェイク・サリヴァン殺害事件

ボートを運んでいた車に別の車が激突。だがその車の運転席にいたジェイク・サリヴァンは、事故が起きる何時間も前に死亡していた。右足は足首から先が切断されて行方不明。左の耳がひどく傷ついていた。また、他にも古い傷跡が多数見られた。

運転席の足元に落ちていたガラスの破片を組み立ててみると、Strong Studios というゲーム会社のロゴが入ったオブジェであった。これはスケートボードの元チャンピオン、デイヴ・ストロングが設立した会社で、被害者のジェイクはゲームのテスターだった。犯人は、そのオブジェを重しにして自動車のアクセルを固定し、ボートに激突させたと思われた。車内からはいくつか部分指紋が検出されたが、欠損部分が多く判然としなかった。

ガラスのオブジェはSS社の優秀なプログラマに送られる賞で、同社のロン・ベンソンの物だった。だが、社内のコンピュータに仕込まれたスパイウェアの記録を見ると、死亡時刻の前後にロンの端末が動いていたことはわかった。そのオブジェのあった場所には、輸入品のコーラがこぼれており、テスターのトッド・シモンズが注文したものとわかる。だがトッドは、ロンの部屋に行ったのはマリファナを盗むためだと主張する。

スタジオの床とスケボーからは、被害者の血液が検出される。デイヴが撮影していたモーションキャプチャを分析すると、事件の夜にギアをつけて撮影していたのはデイヴではなくジェイクと判明。ジェイクは技の衰えたデイヴの身代わりを務めていたのだ。そこには、ジェイクが殴られて倒れる時の動きまでが記録されていた。スケボーの、ちょうど加害者がつかんでいたと思われる箇所には、ユリの花粉が付着していた。その会社では、忙しすぎる社員たちに代わって、妻や恋人に社員の名で花を贈っていた。事件の日にもアンバー・ヘインズ宛にユリの花を贈っていたが、その花は手違いでジェイクの家に送られていた。

ジェイクの妻の指輪には、微量のユリの花粉が残っていた。彼女はジェイクから「アンバー」に宛てられた花束を見て夫が浮気をしていると思い込んだ。そしてスケボーでジェイクを殴り倒したのだった。しかし、その頃アレックスは警察署で腐臭に気づき、ウルフとともにガレージへ行って車体の中に巻き込まれたジェイクの右足を発見。そこには接触熱傷があった。つまりジェイクは感電死したのだ。耳が傷ついていたのは、電気の「出口」になったせいだった。

再びスタジオを調べると、ウォータークーラーが空になっており、近くにはむき出しの電源コードが落ちていた。掌紋が見つかるが、大きさから女性の手ではない。しかも、ところどころが欠損しており、ジェイクの車で発見した指紋と同じ特徴を示していた。ゲームのコントローラで手にタコができたために欠損部分ができたのだ。テスターのトッドの手には、一致する箇所にタコがあった。

トッドは先に入社した自分ばかりがきつい仕事をやらされ、ジェイクがデイヴに気に入られていることを恨んでいた。彼がスケボーのスタントのために雇われたことは知らなかった。

ビデオテープ盗難事件

元AV女優のクッキーことサラ・パイパーがスピードルを訪ねて来たため、ホレイショが応対。サラはアシュリーの事件(シーズン2「CSIの汚名」)の後、女優をやめて大学に戻っていた。そこでマシューという恋人ができ、マシューの頼みでプライベートビデオを撮ったが、そのビデオが紛失したという。

ホレイショはサラの家で指紋を採取。その指紋は、3週間前にガラス戸を交換した業者コナー・ミードの物だった。ミードはサラがクッキーであることに気づき、テープを奪ったのだ。ミードはそのテープをブランドン・ペイスという男に渡し、ペイスはそのビデオを5000本ダビングしたという。だがそこには数本しかなく、残りはトラックですでに搬送されていた。

ペイスは「デレク・ボールドウィン」という人物から為替で代金を受け取っていた。名前は偽名だが、為替の署名の筆跡はマシューの物だった。マシューはミードがテープを取って行ったことに気づき、取り戻しに行ったが、そこでサラの過去を聞かされた。そして彼女が過去を隠していたことに怒り、かつてクッキーのビデオを制作していた会社にビデオを売ったのだ。

映画会社のヴィンス・フィッシャーがDVDを搬入しているところへホレイショが現れ、DVDを押収。二度とサラに接触するなと言い渡し、マスターテープをサラに返却した。


感想

今回はホレイショがBプロットに回り、メインの事件はカリーが中心になって捜査していたせいか、オーソドックスな科学捜査のプロセス中心で進行。動機になったお花の取り違えも、ちゃんと前半で伏線が繰り返し出てきていたのね。被害者が殴り倒される場面が、モーションキャプチャされていたというのも、あまり生々しすぎなくて面白かった。被害者役の人は、有名なスケートボーダーらしい。ああいうモーションも全部、知的財産権の対象になるんだなぁ。

ただ、被害者が倒れているところを犯人が見つけたところから、一気に感電死、そして自動車を使った偽装まで発展するのが、ちょっと飛躍しすぎのような気がしたな……。夜中に殺害して、ボートにぶつけるまで何時間も何をしていたのか、とか、わざとボートにぶつけたのか(海に落ちるようにすれば解決はもっと難しくなったはず)とか、ちょっと消化不良なところは残るけど。ま、いっか。

それよりデルコはいったいどうしてしまったのだろう。被害者の足首から先が行方不明で、全身がそろわないと死因が特定できないというのに「頭を殴られて死んだのは見ればわかるじゃん」「死体は検死官の管轄だろ」みたいな言い方したりして……。で結局、頭の怪我は致命傷ではなく、後から発見された足が死因の決め手になった。花束の配達先ミスに気づいたこと以外は、あまり活躍もなくて印象が薄いよ~。

やはり1つの事件を3人で担当すると、1人は印象が薄くなってしまうのだろうか?……うーん、でも前シーズンまではそうでもなく、皆それぞれに存在感はあったと思う。もういっそのことデルコは、水中リカバリーとホレイショの突入アシストに徹してはどうだろうか。

とはいえ、今回ホレイショは地味に盗難事件を捜査。御大が直々に粉を振って指紋の採取とは! すごい! 何年ぶりだ!?

ただ、スピードル関連の事件だったのに、彼の存在があまり感じられなかったのが残念。ホレイショがこれだけ親身になって動き回るのは、やはりスピードルへの哀惜と責任感からだと思うのだが……「スピードルの死を受け止めているホレイショ」の姿が印象深いことに対し、「スピードル」本人がそれほどでもなかったのだ。「困ったことがあったら電話しろって言ってくれたから」という台詞があっただけ。もっと生前のスピードルを偲ぶようなことを言ってくれても良かったのにと思った。

「クッキー・ディヴァイン」を知らなかったスピードルは、サラにとって「自分をAV女優として見ない」数少ない男性だったはず。その彼はサラにどういう印象を残したのだろう。


単語帳

  • mouthbreather:大馬鹿、まぬけ(俗語)
  • Humvee:High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle(高機動多用途装輪車両)→ HMMWV → Humvee 軍用車両。Humveeを民生用にしたものがHUMMER
  • blunt:マリファナ(俗語)

Yoko (yoko221b) 2006-09-02

csi_miami/s03/066_game_over.txt · Last modified: 2020-03-28 by 127.0.0.1