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csi_miami:s04:073_from_the_grave

CSI: Miami - Season 4, Episode 1

#73 From the Grave

  • 邦題:「新たなる闘い」
  • 脚本:Ann Donahue, Elizabeth Devine
  • 監督:Karen Gaviola
  • 初回放映:2005-09-19

It isn't about the life that you took – it's about the lives you make right in the here and now. And that's what God is judging you on.

事件概要

アベルト・フェンテス殺害、マリソル・フェンテス殺害、セリア・ゴンザレス暴行他

墓地で葬儀の最中に銃撃事件が発生。服役囚アベルト・フェンテスが、母親の葬儀に参列するため警官に伴われて墓地へやって来たところ、棺の中に潜んでいた殺し屋が銃を乱射し、アベルト他数名を殺害、霊柩車で逃走した。たまたま教会を訪れていたホレイショが現場へ急行する。

アベルトは、ニカラグアで生まれた新興マフィア「マラ・ノーチェ」の一員。この組織は、国外退去にならないように麻薬取引には手を出さないが、殺人や恐喝などで現在最も危険な組織のひとつと言われる。

アベルトが葬儀に参列する費用を出したのは、高級住宅地に住むミッシェル・バークという女性だった。ミッシェルは「ワルな男」との火遊びを楽しんでいたがアベルトとはもう別れたと言い、「ディアブロ」という男の名を口にする。

ホレイショが現場で霊柩車のガソリンタンクを撃ち抜いたため、犯人は途中でリヴィングストンという家に押し入り、メイドをレイプしたうえ車を奪って逃走していた(雇い主の家族はパニックルームに逃げ込んで無事)。その家のカーペットには、アルカリ性の土壌が残されていた。

一方、死亡したアベルトの母マリソル・フェンテスの遺体は霊安室に捨てられていた。死因は心臓発作。彼女の自宅には手榴弾が落ちていた。マラ・ノーチェの殺し屋は、アベルトをおびき出すために心臓の弱い彼女を恐怖で死に至らしめたのだった。その手榴弾には、前歴のあるのラファエル・シフエンテスの指紋が残されていた。

リヴィングストン家で採取した土壌には炭酸カルシウム、水酸化カルシウム(消石灰)、マグネシウムが含まれていた。そこから、マラ・ノーチェのアジトは廃棄された石灰岩の採掘場と判明。ホレイショはSWAT部隊を率いて採掘場へ向かい、ラファエル・シフエンテスを逮捕。そこでラファエルから、「ホレイショと彼のラボ」はマラ・ノーチェにとって邪魔者であり、本拠ニカラグアから「ゴーサイン」が出ていると聞かされる。そこへ突然の銃撃。ホレイショらは応戦するが、犯人は逃亡。

採掘場のアジトには、ゴルフクラブと鉛のフィルムバッグの入った箱があった。マラ・ノーチェは、鉛入りのゴルフクラブを隠れみのにして、中に手榴弾を入れて密輸していたのだ。元のパッケージを見ると、そこにはリヴィングストンの名があった。彼はスポーツ用品を扱う仕事をしていたのだ。

リヴィングストンは、マラ・ノーチェに暴力で脅されて協力させられたと主張する。一度ディアブロにクラブで殴打され、次は子どもたちだと脅されてパニックルームを作ったのだ。襲われた時にセリアをパニックルームに入れられなかったのは、その日セリアは休日で家にいないはずだったからだという。セリアは、入国管理局からの指示でリヴィングストンの電話をひそかに聞いていた。セリアにスパイを頼んだ捜査官は、マラ・ノーチェがフロリダに手榴弾を密輸していることを知り、捜査を進めていたのだった。その首謀者がディアブロだった。

セリアをレイプした男はラファエルではなかったが、棺から採取したDNAとは一致した。データベースではヒットしなかったが、未解決事件専任のナタリア・ボア・ビスタに調査を依頼すると、1年前のレイプ事件の記録と一致した。訴えは取り下げられていたが、その時の被疑者の名はベニート・ギャリアン、通称ディアブロ。「被害者」は、アベルトの参列費用を出したミッシェルだった。ミッシェルはディアブロと交際していたが、逢引の途中で父親に見つかり、とっさにレイプだと言ってしまったのだ。ミッシェルの言葉から、ディアブロが何か大きな会合(ユニバーサル・ミーティング)を計画していたことがわかる。

ホレイショは、ウルフを通じてレポーター、エリカ・サイクスの協力を得る。エリカが録画していた採掘場での銃撃戦の映像を精査すると、遠方のスペイン語の音声が入っていた。そこから、マラ・ノーチェの行き先をつかんだホレイショは、SWATとともに埠頭へ向かう。そこで「ディアブロは女に会いに行った」と言われたホレイショは、ディアブロの狙いがセリアであることを知り、病院へ急行。セリアを殺害しようとしていたディアブロを射殺する。


感想

前シーズンは何だか大変な状態で終わってしまったので、新シーズンはどうなるのかと思っていたら、とりあえず気持ちも新たに集まったメンバーへの「お帰り」で始まった。「お帰り(Welcome back)」ということは、みんな今までどこかに行っていたのだろうか……元彼の自殺でショックを受けてカウンセリングに通っていたとか、情報リークの罰でパトロール勤務に戻されていたとか、トゥーシングしてたとか(違)

いや、この「お帰り」はメンバーに向けてというより視聴者に向けて、また新しいシーズンを迎えてショーが再開されましたよ、という挨拶のように聞こえた。シーズン2のフィナーレは「番組は休んでも捜査官たちの日常は終わらない」的な映像で終わっていたが、シーズン3あたりからこの番組は現実的であることをやめ、非日常的な「ショー」の方向へシフトしてきたようだ。改装されて何だかすごく近代的(というか未来的)になったラボの設備も、どんどん現実離れしていくマイアミのカラーを象徴しているように見えた。

ラボといえば、改装費用を出したのは新メンバーのナタリア・ボア・ヴィスタとのこと。ブラジルの北の方に Boa Vista という地名があるけれど、boa は大型ヘビの意味でもある。ナタリアは海外のファンサイトであまり評判が良くなくて、よく snake lady などと呼ばれているのだが、Boa だから snake なのか~と、ウルフとの会話で納得がいった。詳しい事情はよくわからないが、ナタリアが未解決事件を専門的に担当することで連邦の予算を獲得できたということらしい。

ストーリーは単純に見えてけっこう詰め込んでいるような、そうでもないような。服役囚を一人殺すために、その母親を殺しておびき出し、金づるの女性に参列費用を出させるという大げさな仕掛け。囚人一人くらい、別の囚人を使って殺せるんじゃないのかとか、そういうツッコミは野暮なんだろう、きっと。武器密輸プロジェクトのボスが自ら棺桶の中に隠れていたのも、ディアブロは何でも自分でやらないと気がすまない現場主義の人なんだろうと思うことにする(なんだ、ホレイショみたいじゃないか)。前半で出てきた人物は、ただ偶然で巻き込まれたのではなく、それぞれ主要な部分に関わっていたのだ、というプロットの特徴も健在だった。

さて、メインプロットでは相変わらず派手にどっかんどっかんやっていたが、冒頭とラストにはいつもと違う、苦悩するホレイショの姿があった。ニューヨークからマイアミを訪れた枢機卿に、何年も前と同じように懺悔をするホレイショ。その口調はいつもと全然違う、内心の動揺と苦悩を感じさせた。カルーソはこういう台詞回しもできる人だったのか! と少々失礼な驚き方をした(すいません)。

そしてラストでは、手をディアブロの血で染めたまま再び教会へ向かうホレイショ。シーズン2「消えた320万ドル」で現金強奪犯を射殺して “They never listen.” とかましたホレイショとは別人のようだ。きっと別人だろう。

教会の場面は、マイアミではシーズン1「心の十字架」以来だろうか。思い出して見ると、他のシリーズでも教会が登場したことが何度かあった。教会の三主任というのも、比べてみるとそれぞれに趣きがあって興味深い。

hermitage.rdy.jp_csi_img_caps_miami_073.jpg

マラ・ノーチェとの闘いと、ニューヨークでの過去。この2つが今シーズンを動かす大きな流れになりそうだ。

私からも言いたい、お帰り、ホレイショ! お帰り、CSI:Miami!


単語帳

  • thug:殺し屋、暗殺者
  • GOA:Gone On Arrival
  • recidivism:常習的犯行

Yoko (yoko221b) 2006-11-30

csi_miami/s04/073_from_the_grave.txt · Last modified: 2020-03-28 by 127.0.0.1