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CSI: Miami - Season 4, Episode 8
#80 Nailed
- 邦題:「別れても憎い人」
- 脚本:Corey Miller, Barry O'Brien
- 監督:Karen Gaviola
- 初回放映:2005-11-14
Divorce does bring out the worst in people.
事件概要
ブレンダ・ホール殺害/ライアン・ウルフ傷害事件
ゲイリー・ホールの自宅の、改装中の寝室で妻ブレンダの遺体が発見される。胸に何本も釘が刺さり、その傷からの失血死だった。ゲイリーはブレンダと離婚してシャーリーンと結婚するつもりだったが、ブレンダがなかなか離婚に応じないため、結婚式を何度も延期していた。。カリーとウルフが現場を担当。デルコが呼び出しに応じないため、非番だったウルフが代わりに現場に来たのだった。
ブレンダの腕には、誰かと争ったような傷と痣があった。現場にはネイルガンがあったが、その釘とブレンダを殺した釘は特徴が一致しない。ブレンダの爪から採取した皮膚は、ゲイリーのものだった。ゲイリーはブレンダと争ったのではなく、激しく愛し合ったためだと抗弁するが、ブレンダの留守電には怒ったゲイリーのメッセージが残されており、ゲイリーには明確なアリバイもなかった。
だがそのメッセージは偽者だった。ダン・クーパーは、それが複数のメッセージの断片をツギハギして作成したものであることを示す。ゲイリーの家で電話機の指紋を調べると、殺人の前歴のある建築業者、カール・ランプリーと一致した。ウルフはランプリーを探しに彼のトレーラーに入るが、そこでクローゼットの中にいた誰かにネイルガンで目元を撃たれてしまう。ウルフは無線で救援を呼び、そばにいたデルコが駆けつけ、ウルフを車に乗せて救急病院へ走る。
発見されたランプリーは5000ドルを所持していた。その金はゲイリーの銀行口座から引き出されたものだったが、引き出したのはゲイリーではなく息子のルークで、母ブレンダに頼まれたという。ブレンダはその金で最初ランプリーに前夫の殺害を依頼し、引き受けてやって来た彼に「夫ではなく自分を殺してほしい」と言う。DNAも留守電のメッセージも、ゲイリーを犯人に仕立てるためにブレンダが準備したのだ。
ネイルガンに付着していた樹脂は、ルークの野球グローブの物だった。ルークは、母親とランプリーの会話を聞き、母親が父親を殺そうとしていると思った。そして母親と口論し「殺せ」と挑発されてネイルガンで撃ってしまったのだ。その後シャーリーンはそのネイルガンをルークの引き出しで発見し、ランプリーの所へ戻そうとして持って行った。そこへウルフが来たためにクローゼットに隠れ、見つかりそうになってウルフを撃ち、逃げたのだった。
感想
きゃーウルフの目に釘が! 一体ナニゴト!? と驚かされるオープニング。そこから時間が巻き戻されて事件発生時にさかのぼる、というのは前シーズンの「汚れなき秘密」と同じパターンだ。
冒頭がそんなシーンだったもので、もういつウルフの目に釘が刺さるかとハラハラしながら見た。また良いタイミングでフェイントがかかるので、カリーがネイルガンを向けたり、銃口を覗き込んだりしているのを見るたびにドキドキ。よく考えると、カリーがそんな素人のようなミスをするはずはないし、デルコが乱暴に運転して運んでいたのだから、ラボでの事故のはずでもないんだけど。
メインのストーリーでは、久々にCSIらしい「事件捜査」のプロセスを堪能。ルースエンドもプロットの穴も特段見当たらなかったし(強いて挙げるなら、ネイルガンの安全装置が壊れていたのは偶然だったの? というところだけど、それくらいはいいや)、現場で採取した指紋をハマーから直接ラボに送信するハイテク装備も面白かった。今回の脚本は「無防備な18才」と同じコンビなのね。なるほど~。
事件以外の要素も盛りだくさん。まずウルフとデルコがやっと仲直りしたのかな。前シーズンの後半で、ウルフが嫌な子になってから、どうもぎくしゃくしているのが気になっていた。カリーとはそれぞれちゃんと仕事しているのに。ウルフの態度の他に、デルコの側にもわだかまりがあるのかなと思っていた。ウルフはCSIになりたくて、自分からホレイショに売り込んで採用されているので、デルコにとっては「親友だったスピードルの死を自分のキャリアに利用した」みたいな印象があるのではないかと。だからってトゥーシングしてバッジなくしちゃうのはどうかと思うが。
でももうシーズンも変わっているし、ウルフも最近は手柄横取りなんてしていないし、2人とももっと大人になっても良いだろと思う。ベガスのニックとウォリックみたいに、ちょっとライバル意識の入った良い仲間同士になってくれるといいなぁ。
デルコは、金銭問題とか呼び出しに応じないとか、問題が小出しにされてきたが、ここでマリソルが初登場。すでにネタバレを見てしまったため、彼女が誰で、この後どうなっていくのかもわかっているので「あーここで初登場だったのか」という感じ。カリーがマリソルを知らなかったのが意外だったという程度かな。
それから、ホレイショの「NYの過去」の一端が明らかになった。本当に今回は色々詰め込まれているな。前回NYで召喚状を受け取っていたのがジェニファーの両親の事件ではなく、どうやらホレイショ本人が容疑者になった事件だという展開に驚かされる。枢機卿に懺悔していたのはそのことだったのかな? しかし、母親の殺害を止めようとして結果的に犯人を殺してしまい、しかも「何千回考えても、他にどうしようもなかった」(「新たなる闘い」での台詞より)のであるなら、何をそんなに思い悩んでいるのだろうか。
さらに、そんな昔の事件でNYのDAがいまだに立件を考えているというのは、何か理由があるのだろうか。アメリカには(少なくともNY州には)殺人事件の時効というものがないらしく、Law & Order にも目撃者の記憶を頼りに30年以上前の殺人事件で起訴するというエピソードがあった。しかし、ホレイショの母親を何者かが殺害し、その犯人をホレイショが殺したという事実関係がわかっているのだから、立件する気があればとっくにしているはず。DAが何を考えているのか、ホレイショ本人にも、NYまでわざわざ調べに行ったリックにもどうやらわかっていない――うーん、何だろう。
そのリックとホレイショがおそろいの青いシャツを着ていたのが、何だか可笑しかった。被害者の夫とウルフも似たようなストライプのシャツだったし。今シーズンは、意味があるんだか何だかよくわからないような衣装合わせが時々あるなぁ。
— Yoko (yoko221b) 2007-02-04