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csi_miami:s04:096_rampage

CSI: Miami - Season 4, Episode 24

#96 Rampage

  • 邦題:「止まった時間[前編]」
  • 脚本:Ann Donahue, Sunil Nayar
  • 監督:Duane Clark
  • 初回放映:2006-05-15

Justice is not for you to dispense.

事件概要

ラファエル・シフエンテスおよびアントニオ・リアス逃亡/マリソル・デルコ銃撃他

新興マフィア組織、マラ・ノーチェの幹部ラファエル・シフエンテスの裁判が開かれ、検察側の証人としてアントニオ・リアスが証言台に立つ。減刑と引き換えに被告人に不利な証言をするはずのリアスだったが、証拠として拳銃が呈示されると、やおらそれを取り上げ、傍聴席に向かって投げる。傍聴席にいたホゼ・トルイヨがそれを受け止め、持っていたカートリッジを装着して発砲。法廷はパニックに陥り、その隙にシフエンテスとリアスは逃亡。トルイヨはホレイショに射殺される。

トルイヨが座っていた座席の下には、ガムテープの跡があった。何者かが開廷前にカートリッジを貼り付けていたのだ。ガムテープの指紋は、清掃作業員アラン・パーカーの物。裁判の直前、その椅子に座っていた床に嘔吐し、アランは吐瀉物を掃除する際にカートリッジを貼り付けたのだ。マラ・ノーチェに脅されて手を貸したのだという。

傍聴人が嘔吐したのも偶然ではなく、やはりマラ・ノーチェのメンバーであるベニート・サロサが嘔吐剤を飲んでわざと吐いたのだ。ベニートはホレイショとトリップ刑事に脅され、シフエンテスとリアスが潜伏している日本食レストランの名を紙に書く。

一方、エリック・デルコは一時期交際していた女性グロリアに悩まされていた。デルコがナタリアとデートしていた頃、グロリアは何回もナタリアに電話で嫌がらせをしていたのだ。その日はとうとう、ナタリアの車のガラスが割られてしまった。

続いてグロリアは、マリソルの車のガラスを割り、バッグを盗む。彼女はエリックとマリソルが正装して裁判所へ入っていくのを見て、マリソルをエリックの新妻だと思い込んだのだ。

その頃ホレイショはSWATチームとともにレストランへ突入するが、そこはもぬけの殻だった。数分差で逃げられたらしい。令状が発行されたことが筒抜けになっていたらしいことから、警察か裁判所にスパイがいると判断し、清掃員のアラン・パーカーを再度尋問すると、彼はマラ・ノーチェに情報を流したことを認めた。

エリックはマリソルと落ち合ってグロリアが盗んだバッグを返すが、その時2発の銃声が響き、1発がマリソルの腹部に命中する。連絡を受けたホレイショが現場に駆けつけ救急車に同乗するが、途中でマラ・ノーチェの妨害にあってしまう。事態は銃撃戦に発展し、ホレイショはマラ・ノーチェのメンバー3人のうち2人を射殺するが、運転手は取り逃がしてしまう。現場には運転手の物らしいコンタクトレンズが落ちていた。

コンタクトレンズのDNAは、メモ・フィエロという男性の物。さらに、銃撃現場に乗り捨てられた車の証拠から、マフィアのユニバーサル・ミーティングが計画されていることが判明。さらに、その「ミーティング」の開催地を絞り込んで特定し、SWATチームがその場所へ向かい、シフエンテスはじめマフィアのメンバーを一斉検挙する。

一方、エリックはマリソルを狙撃した場所を割り出し、そこにグロリアがいたことを知る。だがグロリアは実際には撃っていなかった。正確には、撃とうとしたが誰かに先を越されたのだ。実際の狙撃現場はグロリアがいた場所の上のフロアであり、そこには発射残渣、ライフル、マラノ・ホテルで使われている酒の瓶などがあった。カリーとともに現場を調べていたエリックは、病院に向かったホレイショからマリソルの訃報を聞く。

ホレイショとエリックはフィエロを車のトランクに押し込めて人気のない場所へ連行し、銃を突きつけて「誰がマリソル殺しを命じた」と詰問。あまりの剣幕に震え上がったフィエロは「アントニオ・リアス」だと白状する。


感想

前回、ライフルがホレイショの背中を狙うシーンで終わり、今回が疾走する救急車、運ばれているマリソルで始まるので、あの直後に撃たれたのかと思ったら、いきなり「8時間前」に場面が戻ってしまった。結局2人は無事に結婚したわけなのね。

事件は法廷の場面で始まる。被告人ラファエル・シフエンテスって、誰かと思ったらシーズンプレミア「新たなる闘い」で逮捕されたあいつか! シーズンのオープニングとともに鳴り物入りで登場したマラ・ノーチェが、ここでやっと再登場とは。話を温存しすぎじゃないのか。

ともあれ、ここに来てやっとドラマが動き出した気がする。

このシーズンをまだ見ていない頃だったかな、ネタバレをチラ見しながら海外のファンサイトとか掲示板を見たのだが、マリソルはやはり評判が悪く “Aerosol”(エアゾール!?)なんて変なあだ名をつけられるわ、死んだことで大喜びされるわと、散々な扱いだった。

一連のマリソル・アークがつまらないのはともかくとしても、実在しないドラマのキャラとはいえ、死んだことを喜ぶのはちょっとどうだろう……と、その当時はちょっと引いて見ていたのだが、しかしマリソルが撃たれてからの方がドラマがぐんと面白くなったというのは、やはり否めないと思う。

多分、マリソルという人には「ホレイショの元から奪われ、ホレイショを怒り狂わせる」という属性しか与えられていなかったのだろう。今までえんえん(だらだら)と続けられてきたマリソルのドラマはすべて、この回でホレイショを猛らせる(rampage)ための「これまでのあらすじ」でしかなく、だからあんなに空虚に感じられたのではないだろうか……と、今回のエピソードを見ながらそう思った。

とにかく今回はホレイショが大暴れ。ユニバーサル・ミーティングなのに、見張りや護衛が1人もいない現場に踏み込んだ時は、逃げようとしたシフエンテスの前にすちゃっと銃をかまえて出現。これですよ、これ! ホレイショたるもの、やはりこうでなくては。

とはいえ、今までの退屈な(失礼)ドラマで溜め込んでいたパワーを一気に放出しすぎたのか、暴走しすぎな気もする。法廷でトルイヨを撃ち殺して “Join the club.” と捨て台詞をかましたホレイショは、「新たなる闘い」で手を凶悪犯の血に染めて教会へ向かったホレイショとは別人のようだ。きっと別人だろう。

フィエロの尋問も、あれはどう見ても違法な取調べだし、救急車を足止めしたギャングを無造作に撃ち殺した場面は、人を人とも思わぬ振る舞いのように見えて寒気がした。冒頭には今回のエピではなく、シーズン1「目には目を」でホレイショ自身が言った言葉を引用しておこう。昔の貴方に戻ってください。:-(

そうだ、救急車といえば、車体の前面に書いてある AMBULANCE の文字は、鏡文字なのね。バックミラーに映った時にちゃんと読めるようにするためなんだそうだ。へー。

Yoko (yoko221b) 2007-05-20

csi_miami/s04/096_rampage.txt · Last modified: 2020-03-29 by Yoko