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CSI: Miami - Season 4, Episode 25
#97 One of Our Own
- 邦題:「止まった時間[後編]」
- 脚本:Barry O'Brien, Krystal Houghton
- 原案:Elizabeth Devine
- 監督:Matt Earl Beesley
- 初回放映:2006-05-22
We're going to Brazil.
事件概要
マラ・ノーチェ幹部5名殺害/アーロン・ジェソップ巡査殺害他
隠れ家でくつろいでいたマラ・ノーチェの幹部5名が、突然現れた男に射殺される。事件後、現場に到着した巡査のジェソップが、バーベキューの棚に仕掛けられていた手榴弾により爆死。殺された幹部の中にアントニオ・リアスの姿はなかった。手榴弾の仕掛け方は、マラ・ノーチェの一員である爆弾犯、カルロス・サンティゴが用いる方法だったが、現場で発見した薬きょうはロシア製で、マラ・ノーチェが使う物ではない。
CSIたちは証拠をラボへ持ち帰り分析を始めようとするが、そこへ突然FBIが現れて内部監査を行うと宣言し、証拠分析は中断させられてしまう。
カルロス・サンティゴは空港で逮捕され、手榴弾を仕掛けたのはリアスの命令であったことを認める。ホレイショは前回逮捕したリアスの部下、メモ・フィエロを尋問し、リアスがラフィク・オマードというアラブのテロリストと接触していたという情報を得る。
ホレイショはエリックらとともに、オマードが根城にしていたドッジ・アイランドに到着、倉庫でロシア製の銃を発見する。オマードはリアスに取引の金を持ち逃げされたため、行方を追ってマラ・ノーチェ幹部を殺害するに至ったのだ。
リアスとオマードの接触場所は金融街だったため、至るところに監視カメラがあった。テープを調べると2人の取引現場が映っており、3ヶ月前のテープでは、リアスの車の助手席に女性が同乗していることがわかる。別のテープの映像で顔の部分を鮮明にするとそれは――マリソル・デルコであった。リアスは「ディエゴ」と名乗り、治療のためのマリファナを提供していたのだ。リアスがマリソル殺害を命じたのは、オマードとの取引現場を見たことが理由ではないかと思われた。ホレイショはマリソルのスケジュール帳でリアスらしい電話番号を発見し、電話をかける。GPSシステムで位置の特定を狙うが失敗。リアスは「マイアミで花火を打ち上げる」と告げて通話を切る。
ホレイショとエリックは、オマードの倉庫で押収したシュリンクラップに残る痕跡から、それが梱包していた荷物を推測。AKにしては大きすぎ、軍用の地対空ミサイルではないかと思われた。地対空ミサイルであれば、狙いは飛行機の撃墜か――と推測し、ホレイショは空港へ向かう。そしてランチャーをかまえたリアスを発見し、射撃。リアスはそれでも何とかミサイルを撃つが、飛行機には当たらず倉庫を爆破する。
事件解決後、マリソルの墓前に佇むホレイショは、リアス釈放の報を聞く。オマードの組織に関する情報と引き換えに、祖国ブラジルへ送還されることになったのだ。エリックの問いかけにホレイショは空を見上げ「ブラジルへ行く」と答えた――。
事件概要
マイアミ・デイド署ラボに関する内部調査
突如として現れたFBI捜査官が、デイド署ラボに関する調査を開始し、まず最初にDNAラボのマキシン・ヴァレーラの聴取を始める。マラ・ノーチェのユニバーサル・ミーティングでは大量の現金が押収されていたが、「その中から12,000ドルが紛失している」という情報が、スパイを通じてFBIに渡っていたのだ。
証拠を受け取った職員は、開封して分析した後に再びテープで封をして、自分のイニシャルを書くことになっていた。ヴァレーラも当然そのように現金を処理していたが、紙幣を数えて通し番号を記録するという手順を忘れていた。そのため、12,000ドルがどの時点で紛失したかがわからなくなってしまっていた。
FBIはさらにカリーとウルフを呼び出し、ヘイゲンの自殺やカリーの父親の飲酒問題、ウルフの視力問題などを執拗に追及する。次々に尋問を受ける同僚たちの姿に耐えかねたナタリアは、「実は自分がスパイだった」と打ち明け、「でも私は良い情報しか伝えていないし、今回のことも密告などしていない」と釈明する。
ウルフはFBIの捜査官とともに、現金の入っていた封筒を顕微鏡で調べる。封を切った所には、ラテックスの手袋に使用するパウダーが検出される。だがデイド署のラボでは、パウダー付きの手袋は使用していない。カリーとウルフはシークレット・サービスのエリオット捜査官のことを思い出す。現金の関係する事件なのでエリオット捜査官も証拠を扱っていた。SSではパウダー付きの手袋を使用する。
だが、金を抜き取ったのはエリオット捜査官ではなく、彼の婚約者である検事のモニカ・ウェストだった。モニカはエリオットが電話を受けている隙に現金を抜き取り、デイド署のラボに汚名を着せるためにわざとFBIに情報を流したのだ。モニカは政治的な野心から「警察の不正を暴く」という役割で注目を集めようとしたのだが、ナタリアから良い情報が得られなかったので、ついに自らスキャンダルをでっち上げることにしたのだった。
エリオット捜査官は、レコーダーを身につけてモニカに会い、でっち上げの言質をとる。モニカはその場で逮捕された。
感想
話を温存しすぎだろ!
……と、前編で叫んだがここでもう一度。NYもドラマが後半に集中しすぎてバランス悪いなぁと思ったが、マイアミはさらにすごいことに。 (^^;
マリソル、マラ・ノーチェ、ラボのスパイと思わせぶりに少しずつ小出しにされてきたネタが、フィナーレに来て一気に爆発した。マラ・ノーチェって、まともに登場したのは結局プレミアとフィナーレの前後編だけだし、ホレイショの過去にまつわる話は途中でどこかに消えてしまい、降って湧いたようなスパイの正体は結局ナタリアだったという、面白くも何ともない結果(ナタリアは「良い情報しか伝えていなかった」と言ったけれど、「ターゲットはお前だ」でマリソルが逮捕された時にその情報をいち早くモニカにちくっていたのは、ナタリアではなかったのだろうか)。
プレミア、スウィープス、フィナーレなどの要所々々にドラマを仕込むという手法自体は良いと思う。だがそれは、間にはさまるレギュラーなエピソードがちゃんとしていれば――の話だ。映画じゃないのだから、TV「シリーズ」としては、ひとつひとつのエピソードをもっと大切にしてほしいなと思う。
ともあれ、リアスは祖国ブラジルに送られ、ホレイショとエリックもそれを追ってブラジルへ――というところで、シーズン5のプレミアに続く。ブラジルでロケとはまた派手な。マラ・ノーチェの本拠地はニカラグアだが、リアスはブラジル人。ニカラグアでロケはちょっと無理だろうね。
そうだ、スパイといえば「クルーズ船の底から」でホレイショとエリックの写真をパシャパシャ撮っていたのは誰だったのだろう。FBI? モニカ? それともグロリア?
— Yoko (yoko221b) 2007-05-20