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CSI: Miami - Season 5, Episode 5
#102 Death Eminent
- 邦題:「悪徳対決」
- 脚本:Corey Miller, Brian Davidson
- 監督:Eagle Egilsson
- 初回放映:2006-10-16
事件概要
チャド・ブリッジス
コバルト通りの空き家で男性の遺体が発見される。死後数日が経過し、体内ではガスが発生して遺体は膨張していたが、遺留品から身元は市会議員のブリッジスと判明。窃盗の前歴を持つゲイリー・ローガンが現場にいたことがわかるが、ローガンは、空き巣に入った家で議員の遺体を見つけて逃げただけだと主張する。
遺体の発見者は近隣に住むダニエル・ウェルズ。ウェルズたちは、公用徴収のための立ち退き命令に抗議していた。公用徴収は、従来は公共の目的(道路など)のためだけに許可されていたが、現在は法律が改正され、自治体が土地を徴収して土地開発業者に売却することができるようになっていた。コバルト通りは「治安の悪化」を理由に、エイピアス・コングロマリットという開発業者に売却するという話が進められていた。ウェルズに同情するウルフは、強制退去させようとする警官と争い、つい相手を突き飛ばしてしまう。
だが、その「治安の悪化」は、コバルト通りを手に入れるため、エイピアス社の社長プレストンが画策したものらしいとわかる。この土地の公用徴収に関してブリッジス議員は態度を決めかねており、それが動機という可能性が考えられた。ホレイショは、この件を担当しているのが刑事事件専門のラトナー判事であることを不審に思う。ラトナー判事とホレイショの間には、過去に数回事件をめぐる因縁があった。
その後、現場の清掃業者が指輪を発見し、ウェルズの妻ジュリアが現場にいたことがわかる。ジュリアはブリッジスを誘惑して事を有利に運ぼうと思ったが、結局土壇場で物別れに終わり、何もないまま現場を立ち去ったという。
改めて被害者の着衣を調べて見ると、ネクタイに付着した血痕から、凶器はポケットナイフとわかる。ポケットナイフは10代の少年が持ち歩くことが多いため、ウルフはウェルズの息子オースティンにナイフを見せるよう言う。オースティンは、空き家から母親が出て来るところを見て、議員と関係したと思い込み「家だけでなく母親まで!」と逆上して殺害したのだった。
マルタ・アルジェンタ
ゲイリー・ローガンは議員の事件への関与を否定するが、自宅の裏庭には不審な穴があり、そこからは屍蝋が発見される。DNAの分析により、身元は行方不明だったマルタ・アルジェンタと判明。改めて捜索すると、スーツケースに入れられたマルタの遺体が発見される。検死したアレックスは、身体特徴がアフリカ系だったため、ヒスパニック系の名前を聞いて意外に思う。
殺害の動機や遺体を保管していたことを不審に思ったホレイショは、DNAから関係者を調べるようヴァレーラに指示する。その結果、マルタはラトナー判事と血縁があることが判明。マルタは父親不詳で母方の伯父が養女として育てていたが、父親のことを知り「あなたの娘です」とラトナーに会いに行ったため、邪魔に思ったラトナーがローガンを使って殺害してしまったのだった。ローガンは自分の身を守るため、「保険」としてマルタの遺体を保管していた。
感想
土地の公用徴収制度を悪用する開発業者や裁判官のせいで苦しめられる住民たち。何だか久しぶりにセレブでもギャングでもない「普通の人々」を見たような気がする。とはいえ、空き家も豪邸だったし「治安の悪化」を理由に公用徴収するとか言われても全然ピンとこないような高級住宅街のようだったけど。
家を取られそうな一家に同情するあまり、ついカッとなって暴走してしまうウルフ。「公私混同するな」と言うホレイショにはやはり、「お前が言うな」と思ってしまった。ホレイショがブラジルでやってきたことに比べれば可愛いもんじゃないか。ウルフへの訴えを取り下げさせたというのも、どうせ脅したんでしょ。
そしてラトナー判事まで登場するとは。本当にこの人は悪いことしかしないんだな~。判事への結び付け方がいささか強引な気はしたけど、派生的に別の事件が発覚するという2プロットパターンも久しぶりだ。でも判事はホレイショと「法廷論争」するつもりなの? 自ら弁護人になって、証人として出廷したホレイショを反対尋問でボコボコにするという意味なのだろうか。
最後の墓地の場面で流れていた曲、あれは懐かしい第1話「マイアミ上空 17秒間の惨劇」を締めくくるモンタージュ場面の音楽ではなかっただろうか? 捜査官と被害者遺族の場面で終わるというのも、そういえば久しぶり。色々な意味で昔を思い出させるエピソードだった。
— Yoko (yoko221b) 2008-12-25