Table of Contents
CSI: Miami - Season 5, Episode 10
#107 Come as You Are
- 邦題:「非情の戦場」
- 脚本:Brian Davidson
- 監督:Joe Chappelle
- 初回放映:2006-11-27
事件概要
ティモシー・ヒックス
民間の射撃場で模擬戦闘に興じていた若者が、標的の裏で軍服姿の遺体を発見。だが撃たれて死んだのではなく、死亡した後に標的の裏に隠すように遺体が置かれたのだった。身元は海兵隊のヒックス軍曹と判明。鼻腔からは動物用の麻酔剤、ケタミンが検出される。ヒックスは新兵勧誘の担当だったが、最近彼が勧誘した兵士たちが立て続けにイラクで戦死したことから、悩んでいたという。精神を安定させるためにケタミンを服用して可能性があった。妻のドナは獣医で、自宅権職場にケタミンも保管していた。ドナは最近自宅に泥棒が入ったというが、警察には届けておらず、何が盗まれたかも明言できなかった。
ヒックスの元へは、脅迫めいた手紙が送られていた。調べてみると、送ったのは彼に勧誘されたケヴィン・カービー伍長であった。ケヴィンは弟のパトリックとともにイラクへ派遣され、パトリックが戦死したために一時帰国していたのだった。事情を聞こうと訪ねたホレイショに対しケヴィンは「自分がパトリックを殺した」と口走る。
ヒックス家のガラスに付着していた繊維から、侵入したのはマシュー・バトラとデリック・ペリーと判明。彼らは射撃場でヒックスの遺体を発見した2人だった。彼らはヒックスに勧誘されて一時は入隊を決意するものの、デリックが迷い始めたため、入隊志願の書類を盗み出したのだという。
だが、ヒックスが自宅へ持ち帰っていたのは単なるコピーで、原本は職場に保管されていた。そのファイルを調べたところ、マシュー・バトラが両親の出身国を理由に「危険人物」とされ入隊を拒否されていたことがわかる。マシューはそれを納得できず、ヒックスに抗議しようとした。だがケタミンを服用していたヒックスはバランスを崩して転倒し、頭を打って死亡。マシューは遺体を標的の裏へ運び、射撃練習中の事故に見せかけようとしたのだった。
パトリック・カービー
ケヴィンとパトリックの母親がホレイショを訪ね「ケヴィンを助けてほしい」と訴える。ケヴィンは、戦闘の混乱の中でパトリックを反射的に撃ってしまったと告白して逮捕されていたのだ。アレックスはパトリックの遺体を再度検死し、塗料の付着した金属片を発見。一方、AVラボのダン・クーパーはパトリックが死亡した戦闘の動画をネット上で発見していた。最近は兵士がビデオカメラを持参し、戦闘の動画を公開しているのだった。
動画から、ケヴィンがパトリックを射殺できたはずがないことがわかる。また、その映像にはフロリダの会社が所有する給水車が映っていた。しかも、運転していたのはカービー兄弟の幼馴染で「イラクには行ったこともない」と堂々と主張していたブラッド・ホフマンであった。パトリックの遺体から検出された金属片の塗料が、ホフマンの車と一致し、銃を撃ったのはホフマンだったとわかる。
感想
開戦の「大義」を失い泥沼化するイラク情勢、イラクに派遣されて命を落としていく若者、彼らを戦地に送り込んだことで苦しむ士官。現地の人々の苦痛は言うまでもない。現実に恋人や家族を送り出している人々にはまた別の思いがあろうかとは思うが、戦争への疑念を「兵士への感傷」でごまかしているようで、何だかイラつかされてしまった。前回がテロリストの話で、次回がその続き。その2篇の間にこの兵士の話を配置するというのも意図的?
士官殺害はともかく、ファルージャで兵士が戦死した事件もホレイショの管轄なのか? と疑問に思ったが、TV.comのレビューによると、軍の管轄になるのは主に軍規違反であり、今回のようなケースは警察の管轄で良いらしい。米軍が駐留している国では地位協定があるのが普通だが、イラクとはそのような関係がないし、証拠品や関係者がマイアミ市内で発見されている以上、管轄はマイアミで良いとのこと。非現実的なのは管轄の問題ではなく、このエピソードに登場した「両親がイラン出身であることを理由に入隊を拒否された」という設定の方で、そのようなバックグラウンドはむしろ「特技」として歓迎されるのだそうだ。なるほど。
でも、せっかく同じCBSに「NCIS」があるのだから、ダッキーの名前くらい出してもいいじゃん? とは思ったけど。(JAGとは「提携している」らしい)