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CSI: Miami - Season 6, Episode 3
#124 Inside Out
- 邦題:「大脱走」
- 脚本:Sunil Nayar, John Haynes
- 監督:Gina Lamar
- 初回放映:2007-10-08
事件概要
ヴェロニカ・エックランド
ホレイショの息子カイル・ハーモンの罪状認否が行われる。カイルはまだ未成年であったが、「誘拐は重罪である」として保釈は却下され、なおかつ成人として裁かれることになり、他の凶悪犯罪者たちとともに拘置所へ送られる。
護送される犯罪者のフリオ・レントリアは「俺を脱獄させたら200万ドル払ってやる!」とメディアの前で豪語。ホレイショは、護送車に同乗するようトリップに頼む。
案の定護送車は襲われ、大騒ぎに発展。トリップは意識が朦朧とする中で銃をかまえるが、その時銃声がして女性が倒れる。トリップは自分が撃ったのかもしれないと衝撃を受ける。目撃者は、フリオは「赤いSUVで逃亡した」と話す。
一方、フリオとともに逃げたカイルは、自ら警察署に出頭し「フリオたちは青いSUVで逃げた」と言う。ホレイショは自らカイルに手錠をかけて拘置所へ送り届ける。
騒ぎに巻き込まれて死亡したヴェロニカは人口内耳を頭部に埋め込んでいた。騒ぎの中で外部装置を落とし、音が聞こえず逃げ遅れたものと思われた。摘出された銃弾は、トリップが撃ったものではなかった。該当する銃の持ち主バリーは、その場にいたことは認めたが「騒乱の中で銃を落とし、バイクは囚人に乗り逃げされた」と主張する。バリーのバイクが手配され、フリオとともに護送されていたオスカー・モナハンが逮捕される。オスカーはバイクのキーを投げ捨てて犯行を否定しようとするが、ナタリアはキーを採取し、オスカーの上皮を検出する。
だが、オスカーの弁護士は弁護側の証拠鑑定人としてライアン・ウルフを雇い、ナタリアが証拠を収集した後、すぐにラボに届けずに民間の射撃場へ寄っていたことを指摘する。ナタリアが寄り道をしたのは、当のウルフが「射撃の名手が直々にコーチしてくれるから」と強く勧めたためで、彼女は射撃場で証拠を運搬中だと口にしていたのだ。
フリオが逃走に使ったSUVは、現場の目撃者は「赤」、カイルは「青」だと言っていたが、調べてみると、見る角度によって色が変化する特殊な塗料が使われていたとわかる。そこから持ち主のベッドフォードにたどり着き、ベッドフォードは「弟の医療費のために逃走を手助けした」と認める。約束の200万ドルは、現金ではなくそれに相当するヘロインで支払われていた。
ナタリアの件で「裏切り者」と言われたウルフは、その後オスカー逮捕現場の近くで銃を発見し、警察に提出する。撃鉄にはさまっていた皮膚から、撃ったのはオスカーではなくバリーだったとわかる。バリーは、ヴェロニカがフリオに合図を送っていたのを見て、200万ドルを横取りされると思って彼女を射殺したのだった。その直後にバリーは転倒して銃を落とし、オスカーがそれを拾ってバイクで逃げたのだった。
ベッドフォードに渡されたヘロインの袋に残った上皮組織から、ジョー・レブロックという囚人の関与が判明。レブロックは現在服役中だが、フリオらの仲間だった。ホレイショはレブロックの倉庫でトレヴァー・バトル(フリオとともに逃走した仲間)を追い詰めるが、トレヴァーは「カイルを殺す」と言い銃を向ける。ホレイショはトレヴァーを射殺し、カイルの監視を強化するよう拘置所に要請する。
カイルがホレイショの息子だということは、ヴェロニカからフリオに伝えられていた。ヴェロニカは、実はフリオの婚約者。耳の不自由な彼女は、ホレイショとトリップが話している唇を読んでカイルのことを知り、手話でフリオに伝えていたのだった。
そうこうするうちに、拘置所で乱闘騒ぎが起き、そのどさくさに紛れてカイルが姿を消す。ホレイショはカイルの失踪にレブロックが関与していると判断し、レブロックの通話記録からフリオの居場所を割り出す。さらに、ブラジルでリアズを殺した話を持ち出してレブロックを脅す。レブロックはカイルの居場所を白状し、オスカーは重罪で起訴しない代わりにカイルの身を守るという取引を受け入れる。
感想
「こんなのあり得ないでしょう!」というツッコミは、そういえばマイアミでは無意味だったか……。罪状認否手続きで出廷したカイルに弁護人がついていないとか、少年と凶悪犯を同じ拘置所に一緒に護送するとか、それに同乗する警官がトリップ1人だけ(それすら予定外)とか、襲われるとわかっているのにパトカーのエスコートを付けないとか……。
ウルフが「敵方」に回ったことで、復職を待っている仲間としては釈然としない気持ちがあるだろうけど、「ワナにはめた」は言いすぎでしょう。射撃の指導の件を伝えに来た時に、ナタリアが証拠品を持ったまま射撃場に立ち寄ることが予測できたはずはない。ナタリアの行動はやはり規則違反だと思うし、それを部外者に軽々しく口にしちゃダメでしょ。それを聞きつけて利用しちゃうウルフもウルフだけど……。
このエピソードでは思いがけずホレイショの元カノ、レベッカ・ネヴィンズが再登場! ホレイショとレベッカが別れたシーズン3のエピソードにはかなり文句をつけたので、ここでさらに敵対関係になって再登場、というのは複雑~。
これはもしかして、ホレイショに新しい彼女ができる、あるいはイェリーナとの関係が深まる前兆なの? という予感がなくもない。というのは、ベガスでもNYでも、主人公の恋愛ストーリーを描く直前に、露払いのように「昔の女性」を登場させて(あるいは間接的に言及して)話を終了させるようなエピソードを描いているから……。レベッカとはとっくに終わっているのだから、今さらダメ押ししなくてもいいのに。
思い出したように、と言えばブラジルネタもそうかな。前シーズンのプレミアエピ「リオの決闘」はストーリーを真面目に考えるとかなり無理があると思うのだけど、リアズの件を囚人の恫喝に使うかー!
リアズの件、一応あれは正当防衛かなと思っていたのだけど(相手がナイフを持って向かって来たわけだから)堂々と「復讐しに行った」って言っちゃいましたよ、ホレイショ。デルコも。脅すためとはいえ、あれじゃ最初から殺意をもって殺したと言った同然。警官がこれでは、そりゃ護送車だって襲われるでしょう、マイアミじゃ(投げやり)。
— Yoko (yoko221b) 2009-09-27