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csi_miami:s06:125_bang_bang_your_debt

CSI: Miami - Season 6, Episode 4

#125 Bang, Bang, Your Debt!

  • 邦題:「炎の幻影」
  • 脚本:Brian Davidson, Barry O'Brien
  • 監督:Karen Gaviola
  • 初回放映:2007-10-15

事件概要

ジェシカ・テイラー&キース・レイノルズ

ビーチに停まっていた車が炎上し、女子学生のジェシカ・テイラーが死亡する。同乗していたブランドンはかろうじて脱出するが、重度の火傷を負い意識不明の重体。現場検証に現れたデルコは、3年前に殉職したはずのスピードルの姿を見て衝撃を受ける。

その車はブレーキラインに切り込みを入れられ、ブレーキ液が少しずつ漏れたことが発火につながったことがわかる。だがジェシカの死因は一酸化炭素中毒と判明。その検死結果に基づいてもう一度現場に向かったデルコは、再びスピードルの姿を見かけ、アドバイスに従って焼けたホースを発見。

一方、ジェシカの部屋を調べていたカリーとジェイクは、ジェシカがリバティ・コーストというカード会社に多額の借金をして贅沢な暮らしをしていたことを知る。ジェシカは返済に困り、リバティ・コースト社の主任、キース・レイノルズと肉体関係を持っていた。カリーとデルコはデイド大学で勧誘中のキースを探して事情を聞こうとするが、そこで突然、狙撃事件が発生。キースは額を打ち抜かれて死亡する。

病院で意識を取り戻したブランドンは、当初一酸化炭素中毒の原因には心当たりがないと主張していた。だが、その後の調べで、ブランドンもリバティ・コースト社から多額の借金をしていたことがわかる。デルコが発見した「ホース」の正体はビアボング(ビールを飲む巨大なストローのような器具)で、これは契約時に景品としてブランドンに渡されたものだった。さらに、キースを狙撃したと思しきフェリーのデッキからは、火薬の残渣と火傷の治療薬が検出される。

ブランドンは借金に悩み、恋人のジェシカとともに心中を決意してビアボングで一酸化炭素を車に引き込んだ。だが発火したことで結局死に切れず自分だけ脱出。「返済を待ってやるから」と言ってジェシカに肉体関係を迫り、結局彼女を利用するだけだったキースに怒り、彼を狙撃して殺害したのだった。

デルコは捜査中にスピードルのクレジットカードを見つけ、カード会社に問い合わせてカードが使用されていることを知る。スピードルが戻って来たのかも――と口にするデルコに、ホレイショはカウンセリングを勧める。

ホレイショは令状を取り、スピードルのカードの使用状況を調べる。そのカードが現在使われていることを知って店に向かったカリーとデルコは、AVラボのダン・クーパーを発見。現場捜査官を希望するダンは、皆から慕われているスピードルのことを知りたいと思ってロッカーを開け、カードを発見。死んだ人のカードだから構わないだろうと思って使っていたのだった。カリーは「明朝までに自首しないなら逮捕する」と言い渡す。

デルコが見た「スピードル」の姿は、怪我の後遺症による一時的な幻覚だった。


感想

スピードル復活エピ! ということが事前にわかっていたので、このエピソードだけは本国放送直後にiTSで単品購入して視聴していた(なので今回の感想は、初回視聴時の感想をほぼ再掲)。今回日本語版で見て、細部までわかったのは良いのだけど、ブレーキラインに細工した犯人は結局よくわからず(修理工をやっているジェシカの元彼かな)。それから、ホースを抜いて捨てたのはブランドン?

スピードル復活については、事前に「ティム・スピードル本人として登場する(兄弟や他人の空似ではない)」ことと「フラッシュバックではなく現在の話である」ことがアナウンスされており、ちょっと不安だった。まさかスピードルが実は生きていたりするんだろうか? もしそうなら、このシリーズでかろうじて保たれていた継続性は完全に無視されることになる。さりとて、死んだ人間が登場するのであれば(幽霊?クローン?)、このドラマの世界観をかろうじて支えている現実感を破壊するのではないか。いくらマイアミだからって、そこまで非現実的になって良いものだろうか?

結果は、エリックが頭部の怪我の影響で見た幻覚ということで、現実感を損なわずバランスを保ったという感じ。事件の方も、上記のような疑問点はあるものの、ぶっ飛んだところのない、良いエピだったと思う。ブランドンの射撃の腕が良すぎる点は、ちょっとアレかもしれないが(大怪我してこれだけできるなら、プロの殺し屋になって余裕で借金返せそう)。クレジットカードの方の犯人が、まさか彼だとは思わなかったなぁ……。

ストーリーも、エリックとカリーが中心でそれをホレイショが見守るという、マイアミがCSI:Horatioになる前の、スピードルがいた頃を思わせる雰囲気で良かった。あの頃のチームはいつも和気藹々として親密だったなぁ……。ともすれば現実感を吹っ飛ばして暴走しがちなホレイショに対して、堅実に世界を支えていたのはやはりスピードルだったんじゃないかと思う。

あー私はやはり初期のマイアミが好きだった……と改めてしみじみと思った。ロッカーに入ったままの拳銃クリーニングキットが、また!この演出が泣けるわ。でもこれは、ロリー・コクレーンの再登場ではあってもスピードルの「復活」ではないのね。シーズン3で中途半端なままだったスピードルの追悼を改めて行うエピだったのね。「スピードルが戻ったと思ったのに、また送り出さないと」というエリックの台詞に、観ている側の気持ちが重なっていって切なかった。トゥーシングで羽目を外してカウンセリング、みたいな話じゃこうはいかない。

残念なのは「永遠の旅立ち」からちょっと時間が経ちすぎていること。このエピはやはり、シーズン3か、遅くともシーズン4の前半までにやってほしかった。ホレイショの「死んで当然の奴などいない(No one deserves to die.)」という台詞も、前回の恫喝の後で聞くと「お前が言うな」だし。


使用楽曲

  • “Drivin' Me Wild” by Common (冒頭)

Yoko (yoko221b) 2009-09-28

csi_miami/s06/125_bang_bang_your_debt.txt · Last modified: 2024-02-21 by 127.0.0.1