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CSI: Miami - Season 6, Episode 13
#134 Raising Caine
- 邦題:「母の誘惑」
- 脚本:Sunil Nayar
- 監督:Gina Lamar
- 初回放映:2008-01-14
事件概要
ビル・ウィンストン
資産家のビル・ウィンストンが自宅の書斎で何者かに射殺される。ビルの妻ジュリアは不動産の売買を行っており、犯行当時は大口の顧客を集めて島の説明会を行っていた。そのジュリア・ウィンストンとは他ならぬ、ホレイショの元恋人――カイルの母親だった。
ジュリアはカイルを出産した後、自分では育てられず母親に預けていたという。ビルとはカイロで結婚したばかりだった。ホレイショは、カイルが現在拘置所にいることを告げる。
弾道を検査した結果、ビルは身体の下から上に向けて撃たれたことがわかるが、ネクタイには血痕がない。すなわち、被害者は前かがみになっているところを、床下に潜んでいた犯人から撃たれたものと思われた。その家には書斎の下にワインセラーがあり、ホワイトカラー犯罪の前歴を持つロブ・メイソンがそこにいたことがわかるが、ロブはインサイダー取引を企んで盗み聞きをしていただけだと主張。発射残渣も検出されなかった。
ビルのデスクからは、誰かが書類を持ち去った形跡があった。遺留品から、顧問弁護士のラリー・ホプキンズが婚姻無効届を持ち去っていたことがわかる。ホプキンズは、犯行時に銃声を聞いて部屋に入り、依頼人のプライバシーを守るために書類を持ち出したことは認めるが、「犯人の姿はどこにもなかった」と主張する。その書類は、ジュリアがこの15年で偽名をいくつも使い分けて詐欺行為をはたらいてきたことを根拠に婚姻の無効を求めるもので、ビルは署名しようとデスクにかがみこんだ時に床下から撃たれたものと思われた。
ジュリアがこの書類の内容を知っていたことがわかり、ホレイショは彼女の元へ向かう。彼女の車から拳銃が発見されたため、その場で逮捕。だが銃から検出された指紋はメイソンのものだった。改めてメイソンを取り調べた結果、今回は発射残渣が発見される。前に調べた時は手を洗っていたため火薬が検出されなかったが、メイソンはその後安心してポケットに手を入れていた。そのポケットには撃った後の銃を入れていたため、再び火薬が手に移ってしまったのだ。
ジュリアは「メイソンが自分に濡れ衣を着せようとした」と主張。一方メイソンは「ジュリアに過去の犯歴を知られ、ビルを殺せと脅された。凶器は処理すると言われたので置いてきた」と主張する。
キャスリーン・ニューベリー
キャスリーン誘拐の件でカイルの裁判が開かれ、ジュリアも母親として法廷で付き添う。だが、検察側の重要証人であるキャスリーンがなかなか姿を見せない。検事のレベッカは一時休廷を願い出る。
その間にキャスリーンの自宅を調べると、彼女の姿はなく、空のバッグと現金用の帯封が残されていた。夫が逮捕されて金に困っていたはずだが、なぜか大金を手にして自宅を出たらしい。
その後、現金を渡したのはジュリアと判明するが、彼女は「困っている人にプレゼントしただけ」だと主張する。ETCの記録によると、キャスリーンの車はすでにデイド郡の外に出ており、なすすべもなかった。
証人が出廷できないため、判事は事件を棄却せざるを得ず、再起訴は可能なもののカイルは自由の身となり、母親と一緒に暮らすことを選択する。
そしてその頃、キャスリーンは運転席にダクトテープで縛られ、車ごと沼地に沈められていた――。
感想
ホレイショの元カノ、ジュリアさん登場の巻。このシーズンは脚本家組合のストライキがあったので、放映時はシーズンの中盤でブランクが生じているのだが、これがスト突入前に撮られた最後のエピソード。つまりシーズン中にストが解決しなければ、このままクリフハンガーになっていた?
何か前フリがあって登場するかと思ったら、いきなり登場。しかも敵対的な雰囲気ムンムンで、カリーとナタリアの同情的な話しぶりに何だか違和感を感じてしまった。でも、そのカリーも後半で銃を調べる場面では、完全に犯人だと思っていた(というか期待していた)ようだけど。
う~ん、何だかどうもH/Jはしっくり来ないなぁ。「元」にせよ恋人らしい親密さや昔を懐かしむ様子が全然ないし、ホレイショの好み(薄幸、黒髪、ラテン美女)とは正反対のタイプじゃない? 前年のCSI(本家)に出てきたレプティリアンみたいよ。完全に「悪女系」のイメージで、カイルを訴追するレベッカがおとなしく見えるくらい。
でもレベッカさん、今回の(カイルの)事件では検事としてちょっと「?」な部分がなきにしもあらず。キャスリーンひとりの証言に頼らず、他の証人や証拠を固めておくべきでは。そもそも誘拐の主犯はリックなのだから、リックに関する証言と引き換えに、さっさと司法取引しておけばいいような……いや、これは弁護士に言うべきことか。
以前の罪状認否やオスカー爆殺の予備審問(?)ではカイルに弁護士がついている様子がなくて、それがちょっと気になっていたのだが、どうやら弁護士は(当たり前だけど)一応いるみたい。それにしても影うす~。
今回の法廷、これはカイルの「公判」ということでいいのかな。でも、罪状認否や別件の予備審問の時と同じ判事なのね……デイド郡の裁判所ってもしかして人手不足?(殺人容疑で逮捕された判事にも仕事を続けさせていたくらいだから、そうなのかも)
カイルが母親を選んだのはちょっとがっかりな気もするけど、少なくともホレイショは警察署に行けば確実に会えるものね。父親を選んだとしたら、ジュリアさんはどこに行っちゃうかわからないような所があるので、それはそれでいいんだろう。
ところで、フラッシュバック場面でメイソン君は通風孔の下に立って撃っていたけど、いつ頭をぶつけたんだろう。殺しとは別に立ち聞きしていたのは事実だったのか。