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csi_miami:s07:144_wont_get_fueled_again

CSI: Miami - Season 7, Episode 2

#144 Won't Get Fueled Again

  • 邦題:「断末魔のマイアミビーチ」
  • 脚本:Corey Evett, Matthew Partney
  • 監督:Matt Earl Beesley
  • 初回放映:2008-09-29

事件概要

ダン・グレンジャー

ビーチでパーティが開かれているさなか、突然火だるまになった男性が乱入してそのまま死亡する。新しく着任した検死医、タラ・プライスが現れる。

被害者は当初、着衣から駐車係のサム・ラフリンと思われたが、サム本人は生きており「制服を盗まれた」という。DNA鑑定の結果、被害者はデイド大学の学生、ダン・グレンジャーと判明。ダンはルームメイトのジョニー・ヤンと組んで車からホースでガソリンを盗んでいた。ダンが火だるまになる直前、2人は黒のエスカレードからガソリンを抜いたという。ダンに使用された燃焼促進剤はハイオクガソリンで、「アラゴフューエル」というガソリンスタンドで給油されたものだった。

「アラゴフューエル」で話を聞いてみると、どうやらエスカレードもガソリン泥棒らしいとわかる。スタンドの店長が若い美女に誘惑され、店から目を離したすきに地下タンクから大量にガソリンが盗まれていたのだ。

その後、怪しいエスカレードが発見され、カリーが追跡するが、犯人は車を燃やして逃走。焼け焦げた車のグローブボックスからは爪の破片が発見される。

その爪はジョニー・ヤンの物だった。ヤンはガソリンに何度も触れるうちに爪甲剥離症になってしまい、泥棒ついでにグローブボックスをあさった時に爪を落としたのだった。ヤンはグローブボックスから大量のパスポートを盗んだことを認める。ヤンの部屋からパスポートを押収してみると、すべて中南米から学生ビザで入国した若い女性のもので、滞在先の住所もすべて同一。そこへ行ってみると倉庫のような場所で、アラゴフューエルで店長を誘惑した女性が隠れていた。背後にいたのは人身売買組織で、女性たちを移動させるガソリンを盗んでいたのだった。アンドレアは故郷の家族を人質に取られて何も言えず、組織が他の女性たちを移動させている隙に隠れたのだという。

エスカレードから発見された携帯電話はスタンガンに改造されており、それを使ってダンに火を付けたことがわかる。指紋から、ダンに制服を盗まれたと言った駐車係のサム・ラフリンが犯人とわかる。ラフリンはダンにガソリンをかけてスタンガンを使ったことは認めるが、泥棒をこらしめようとしただけで、発火するとは思わなかったと主張する。人身売買についての供述は拒否するが、そして黒幕はパーティのホスト、ポール・サンダースであった。サンダースは本業の運送業を隠れ蓑にして女性たちを監禁していた。ホレイショはサンダースの倉庫から女性たちを救出する。


感想

1話は前シーズンのクリフハンガーの続きだったので、このエピソードが実質今シーズンの初回のようなもの。アレックスの後任の検死官がなかなか決まらなかったようだが、今回から新任のタラ・プライス博士が登場。博士というには若すぎる――というより、年齢も含めて全体的に博士らしさが感じられないような印象。この現実感のなさは、初期シーズンのイェリーナを思い出す。この後だんだん馴染んでくるのだろうか。

事件は、最初の放火現場を探し、そこからガソリン窃盗を突き止め、それが中南米からの大量美女密輸入(人身売買)事件に発展する。ガソリン窃盗の共犯者や制服を盗まれた駐車係、果ては冒頭のパーティ主催者まで、台詞のある役の人のほぼ全員が一連の事件に関わっていた。真相がわかってみれば、皆それぞれ最初に「こうだ」と思っていた以上の役割を負っており、無関係なbystanderは1人もいなかった。マイアミではこういう構成が時々ある。

美女たちの人垣がささっと割れてホレイショが登場する場面では、思わず笑ってしまった。いつからそこで待機していたのよ?

事件以外のところでは、歯根を砕いてDNA鑑定をしたという「ニコライ2世方式」というのが気になった。最後のロシア皇帝となったニコライ2世は、革命の際にエカチェリンブルグで妻子とともに処刑され、遺体は埋められたとされていた。90年代になって遺骨が発掘され、その時すでに皇帝一家のものと確認されていたはずだが、ナタリアは「前年」と言っていたので2007年ということになる(このエピは2008年9月に本国放送)。

ニコライ2世には皇女が4人と皇太子がいたが、90年代の発掘では皇帝と皇后、皇女3名の遺骨が確認されたのみ。残る皇女1名と皇太子の遺骨が2007年に発見されているので、ナタリアが口にしたのはこの件と思われる。


使用楽曲

  • “Paris Is Burning” by Ladyhawke, Alex Gopher Remix (冒頭)
  • “Baby Boomer” by Coburn (カリーさんおトイレ捜索)

Yoko (yoko221b) 2010-08-05, 改訂 2014-05-06

csi_miami/s07/144_wont_get_fueled_again.txt · Last modified: 2024-02-23 by 127.0.0.1