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CSI: Miami - Season 7, Episode 6
#148 Wrecking Crew
- 邦題:「白ユリの墓」
- 脚本:Corey Miller
- 監督:Joe Chappelle
- 初回放映:2008-11-03
事件概要
ウィリアム・キャンベル
殺人事件の保護証人ウィリアム・キャンベルが、打ち合わせ中に室外から巨大クレーンのアームに攻撃されて死亡する。その場にいたカリーとデルコは何とか救おうとするが、キャンベルは落下して死亡。
キャンベルは数日前、トイレの個室内で殺人を示唆する会話と銃声を聞いていた。隣にはワトキンズという男がいたはずだが、キャンベルが通報して外に出たときは、もう誰もおらず遺体もなかった。
その会話では、ギャングの首領であるジョセフ・サルーチの名前と「エマの仇」という文言が確認されていた。サルーチは2週間前、娘のエマを4輪バギーにひかれて殺されていた。その4輪を運転していたのがワトキンズだったのだ。
キャンベルを殺害したクレーンには、作業員やサルーチの手下の痕跡が発見されるが、いずれも事件とは無関係とわかる。結局クレーンは遠隔操作されており、リモコンのDNAから、捜査したのはキャンベルの息子ノアであったことがわかる。ノアは証人保護プログラムによって見知らぬ土地で別人として生活することを嫌がり、父親に証言をさせないために脅そうとしたが、操作ミスで大惨事を引き起こしてしまったのだった。
A・J・ワトキンズ
唯一の証人であるキャンベルが死亡したため、ワトキンズの事件には別の証拠が必要になった。そこでキャンベルが通報した時の録音データを分析したところ、トイレの水を流す音が録音されていたとわかる。排水管を調べてみると、犯人が捨てた薬きょうが発見される。水に浸かっていたが、手の皮脂による金属の腐食を検出してみたところ、指紋が検出され、撃ったのはサルーチの手下であるミック・ラゴーサと判明。
ラゴーサの車からシャベルが発見され、その付着物から、エマがひかれたビーチの場所が割り出される。ワトキンズの遺体はそこに隠されていた。ワトキンズは足を撃たれていたが、死因は首を絞められたこと。首にはユリの花粉が付着していた。それがサルーチが娘の墓に手向けていたユリの花と同じ物であることがわかり、サルーチは逮捕される。
感想
冒頭、カリーとデルコが証人と同じ部屋で何やら打ち合わせ中。これもCSIの仕事なの? と少々疑問に思いつつも、きっとこの証人さんが狙われるんだろうなぁ……と思っていたら、予想外の派手な攻撃が。重機でビルごと破壊とは! 証人を救えず、苦悩するカリーの姿が悲しくも美しい。
で、事件はというと殺人事件らしいのだが、遺体は見つかっておらず、証人が「脅しの文言と銃声」を聞いたことだけが決め手。何て弱い事件なんだ! 過去シーズンでも死体なき殺人で無罪になった事件があったが、マイアミの検事はよっぽど強気の人が多いのだろうか。今回はマフィアのボス、サルーチ(シーズン4「影からの逃亡者」で登場)が絡んでいるようだが、それなら当然優秀な弁護士を雇って対抗するだろうし、これでは殺人事件があったことの立証すら難しいのではないか。証人を狙わなければ普通に無罪で終わったのでは……?
などと思っていたら、クレーンを遠隔操作してビルにぶつけたのは、何と証人の息子。この息子、誰かと思ったらデクスターの少年時代を演じた子ではないか。デクスターじゃ、まぁしょうがないか。
それで証人殺害は解決するが、大元の殺人事件が残っている。
証人を失った以上、別の証拠が必要になる。そこで、キャンベルが緊急通報した録音テープを手がかりに物証を探し(何で最初からそうしておかなかったの?)、薬きょうを発見。その薬きょうから特殊な方法で指紋を取るために、ホレイショが白衣を着用! 2話続けて白衣なのは、ホレイショのラボシーンを撮り溜めしているためなのか?
最後に犯行の決め手になったのは白ユリの花粉だった。白ユリは「マドンナ・リリー(聖母のユリ)」ともいい、清純さや無垢を表す象徴とされている。サルーチの罪が暴かれたのは、父親にこれ以上罪を重ねてほしくないというエマの願いだったのかもしれない。