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CSI: Miami - Season 7, Episode 15
#157 Presumed Guilty
- 邦題:「テールランプの瞳」
- 脚本:Corey Miller
- 監督:Larry Detwiler
- 初回放映:2009-02-09
事件概要
リンジー・ガーランド
会員制のカントリークラブでリンジー・ガーランドの遺体が発見され、ゴルフインストラクターのアルフォンゾ・レイエスが逮捕され、起訴される。リンジーの遺体はアルフォンゾのロッカーに入れられており、当日に2人が言い争っていた場面を目撃した証人がおり、直接的ではないものの物的証拠もあった。レイエスは無罪を主張するが、陪審による評決は有罪。
しかしその後、モルグに安置されていたリンジーの遺体に、発見現場には生息しないハエがたかっていることがわかり、別の場所で殺害された後、ゴルフ場に運ばれた可能性が生じる。レイエスの弁護人のパウエルは、控訴するには材料に乏しく、「唯一の目撃者は薬物の依存症患者だ」と言う。ホレイショはそこで初めて目撃者の存在を知り、彼女タミー・ウィッテンを探す。
タミーは抗鬱剤の過剰摂取で病院に運ばれており、ナタリアに対して「街中でリンジーの遺体が車に乗せられるのを見た」と言う。その場所には、確かにタミーが述べたとおりの痕跡があり、該当するハエの巣もあった。
ホレイショはアルフォンゾと面会して詳しい話を聞く。アルフォンゾは美人のリンジーに惹かれて、こっそりゴルフ場に出入りさせてやっていたが、リンジーの望みは裕福な会員を見つけて玉の輿に乗ることで、彼はただ利用されていただけだった。リンジーは不動産業者のアンディ・ダービンにフラれたばかりだが、また別の男を探しに現れたので、これ以上見逃してやれないと言って口論になったという。
ホレイショはダービンに会いに行き、そこで一緒にコースを回っていた実業家、ケヴィン・シェリダンのゴルフグローブに注目する。リンジーの車から発見された血痕の形と同じだったのだ。ホレイショはシェリダンのDNAサンプルを取ろうとするが、シェリダンの弁護士としてパウエルが現れる。
ホレイショはもう一度アルフォンゾから話を聞き、彼が当日アイロンを使っていた事実を聞き出す。アルフォンゾはシャツにアイロンを当て、その後電話がかかり10分ほどロッカー室から離れ、その間にリンジーの遺体が入れられたのだ。だが棚の上に乗せたはずのアイロンは、ロッカーの中に転がっていた。
カリーとナタリアはアイロンに付着したDNAを調べ、リンジーの車のエアフィルターから検出されたDNAと同一人物の物であることを確認。しかしまたしてもパウエルが横槍を入れる。保管センターに証拠を取りに行き、ラボへ帰る途中で事故に遭い、車を離れたことから「証拠保全に問題がある」というのだ。
ウルフは腹いせのようにシェリダンの車を止め、「テールランプが割れている」と言い、車内や割れたテールランプを写真に撮る。それが原因でウルフは謹慎処分になってしまうが、撮影した写真を分析したところ、テールランプは内側から割られており、その奥に人間の目が写っていた。シェリダンはタミーを拉致していたのだ。
その写真を根拠に、シェリダンに対する捜索令状を取り、ホレイショとデルコがシェリダンの家へ向かう。車内にも邸内にもタミーの痕跡はなかったが、パウエルが問題の重大さを考慮して、シェリダンが購入した土地の場所を伝える。
その場所でタミーは発見されて無事に保護され、シェリダンのDNAはアイロンから検出した皮膚のDNAと一致。シェリダンは減刑と引き換えにあっさりと犯行を認める。浮気を妻にばらすと脅されて殺害し、アルフォンゾに罪を着せるためにロッカーに遺体を隠した。遺体の運搬を手伝わせたのは、最終的にシェリダンの捜索令状に署名をした判事だった。
感想
ミュージシャンのパフ・ダディことショーン・コムズが俳優としてゲスト出演。コムズの役どころは、やり手の刑事弁護士パウエル。「負け知らず」と言われていたようだが、冒頭の殺人事件では有罪評決。ところが、その評決が出た直後に、被告人に有利な証拠がいくつも出てくる。
この裁判がちょっと変。証拠は間接的なものばかりで、被告人の主張どおりだったとしても説明がつくものばかり。裁判を急がされたからといっても、アイロンの皮膚などの重要証拠が手つかずで良いのだろうか。裁判を急がせたのは弁護人で、弁護側に有利な目撃証人を握りつぶしたばかりか、控訴もしない。検事は被告人が証言しなかったことを「罪の意識があるからだ」と有罪の根拠として主張する。フロリダ州には自己負罪拒否特権はないのか?
弁護人が依頼人に冷たいなと思っていたら、新たに浮上した容疑者の代理人でもあるという。これは普通に考えて許されないと思うのだが……実際パウエルは、「上客」のシェリダンを守るために、アルフォンゾが有罪になるよう手を抜いていたとしか思えない。なので最後にホレイショに情報を伝えたのも、正義感からというより保身のため、あるいはシェリダンにクビを言い渡されたので、もうどうでも良くなったという印象だった。シーズン3の「極悪弁護人」ほどワルに徹したわけでもなく、何だか中途半端な印象。
で、やはりシェリダンが犯人だったとわかったが、判事まで共犯だったとは。マイアミには以前も極悪判事がいたし、判事に悪人多すぎだろう。
その他、ライアンも何だか変。シェリダンにえらい剣幕で食って掛かっていたので、何か作戦があってワザとやっているのかと思ったら、その後のホレイショとの会話を聞くと、そうでもなさそう。結果的にはその時の写真が決め手になってタミーを助けることができたわけだけど。
カリーは煙を吸った後遺症がまだ残っているの? 証拠を持って帰る途中で事故現場に行き合わせたからといっても、普段のカリーなら車の扉を閉めてロックすることを絶対に忘れなかったはず。もっとも前シーズンのナタリアは、ちゃんとロックしたと言っても聞いてもらえなかったな。
良かった場面は、ホレイショが久しぶりに白衣を着たところと、最後のヘリを使った大捜索くらいだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2010-09-13, 改訂 2014-06-10