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CSI: Miami - Season 8, Episode 1
#168 Out of Time
- 邦題:「バック・トゥ・ザ・マイアミ1997」
- 脚本:Tamara Jaron
- 監督:Sam Hill
- 初回放映:2009-09-21
負傷してエバグレーズで倒れていたデルコが発見される。病院へ搬送され、生死の境をさまようデルコ。彼が倒れていたのは、12年前、彼が警官になるきっかけになった事件に遭遇した場所だった――。
事件概要
エイミー・バワーズ(1997年の事件)
車両回収の仕事をしていたエリック・デルコは、ある日エバグレーズで車両を引き上げ、トランクの中から女性の遺体を発見する。デルコは親しくしていた殺人課の刑事、ホレイショ・ケインに通報し、ホレイショとパートナーのサリバン刑事が事件を担当する。
被害者の氏名はエイミー・バワーズとわかる。自宅には夫のスティーヴがおり、「出張から戻ったばかりだ」という。サリバンはスティーヴを疑うが、ホレイショは彼の靴に土が付着していないことに注目し、犯人は別にいるのではと疑う。その後、バワーズの自宅周辺にいた不審な男性として、庭師のホーリングスの名前が上がる。
LAへの異動を控えたジェシー・カルドーザが「最後の仕事」としてバワーズ宅を調べ、血痕の痕跡を発見。被害者が射殺された状況がわかるが、説明のつかない血痕も発見されていた。
州の研究所から警察に異動してきたカリー・デュケーンがデルコとともに車を調べ、何かに衝突してエアバッグが開いた形跡があることに気づく。容疑者2人の衣服を調べると、ホーリングスの服からエアバッグに含まれる爆発物の痕跡が発見される。しかし当時、科学捜査はまだ歴史が浅く、検事からも信用されない。
デルコは、ガードレールに新しい衝突の痕があったことを思い出す。そこで調べてみると、バワーズの車と同じ塗料が付着していた。付近の地面には足跡があり、形状から「何かを投げるために踏み込んだ」と思われた。ここから何かを投げたとすると凶器と考えられる。デルコは水にもぐり、見事凶器の銃を発見。
ホレイショとジェシーはバワーズ家へ向かい、「説明のつかない血痕」を検証。実験の結果、血液がエアコンの風で飛ばされ、離れた場所に飛散した可能性が考えられた。であれば、犯人も返り血を浴びているはず。丹念に調べた結果、ホーリングスの鼻孔から血痕が発見される。
しかしその量は少なく、裁判で証拠として扱うことが難しい。そこでホレイショはFBIのラボへ向かい、最新技術でDNAを増幅してほしいと依頼。検査官のナタリア・ボア・ヴィスタにより、血液はエイミーのものと確認され、ホーリングスは殺人罪で起訴される。
その後、特別捜査班は「CSI」と改称され、ホレイショはそのチーフに任命される。
感想
前シーズンフィナーレの続きにあたる話。ストーリーの続き部分としては「エリックは怪我をして倒れていたところを救助され、助かりました」でおしまい。ERのドクターとしてアレックスが再登場し、ホレイショが「俺にはもうお前しかいない」と涙ながらに語りかけていた。かわいそうなカイル。
その合間に、デイド署にCSIが設置されることになった1997年当時の回想シーンが入る。その当時殺人課の刑事だったホレイショ、研究所から異動してきたカリー、車両回収の仕事をしていたエリックらが出会い、聞き込み捜査と「刑事のカン」による旧態依然とした捜査ではなく、証拠に基づいて科学的に犯人を割り出していく。
12年前ということで、皆さん若返っている。若返りソフトで画像を加工しているらしいのだけど、ホレイショなんかNYPDブルーの時代より若返ってない? 何だかお肌ツヤツヤよ。
1997年ということは、シーズン1の5年前だよね。その頃の設定とはいろいろ矛盾する部分があるが(S1のエピソードでは、15年前にホレイショが新人CSIで2年前にカリーが新人だったと言っていたし、ホレイショはメーガンの後任としてチーフになったはず)、とりあえず爆弾処理班の経歴はまだ残っているようだ。
番組前のインタビューで、デイヴィッド・カルーソが「たいていの番組はシーズン4くらいになるとネタが尽きてしまうが、我々は違う」と言うのを聞いたけど、「そりゃ、シーズンごとに過去の設定を変えてりゃな~」と思ってしまったわ。
まぁでも、これがひとつの仕切り直しになるのだと思う。S4の頃、プロデューサーは「トリロジー(三部作)」という構想を口にしていた。S1~S3のトリロジーでレイモンドの謎を解き、S4~S6のトリロジーでホレイショの過去を明らかにする。これが1シーズンはみ出してS7まで続いた感じがあるが、S8からまた新しい物語が始まるのだろう。
ネクタイをはずしてグラサンを装着する場面はアレだな、スターウォーズでアナキンがマスクをかぶせられて「シュコー」とやるあの場面。過去と現在をつなぐ、象徴的な場面に仕上がっていた。