CSI: Miami - Season 8, Episode 16
#183 L.A.
- 邦題:「LA大捜査線」
- 脚本:Barry O'Brien
- 監督:Rob Zombie
- 初回放映:2010-03-01
事件概要
レスリー・ストルツ
ポルノ映画の製作者、トニー・エンライトの自宅で、パーティに招かれた女優のレスリー・ストルツが殺害される。トニーの恋人でレスリーの親友だったアンナがパーティの途中で眠ってしまい、目が覚めるとレスリーが首を刺されて死亡していたのだ。
トニーは現場に来たジェシーと諍いを起こす。ジェシーはLAで一度トニーを逮捕したが裁判で無罪になってしまい、それ以来トニーを追い続けていた。トニーはジェシーを「ストーカーの悪徳警官」と非難する。
レスリーの首を刺した凶器はペン。ジェシーのボディガードであるクープの指紋が発見されるが、クープはかつてアメフトの有名選手だったため、今でもサインを求められることがある。そのためにペンを使っただけだと犯行を否定する。
ジェシーは数日前、パーティに紛れてトニーの家に盗聴器を仕掛けていた。録音を調べたところ、クープがアンナをレイプし、それを見たレスリーが「通報する」と叫んでいたことがわかる。だが令状もなしに仕掛けたものなので、法廷で通用する証拠にはならない。アンナはレイプ検査を受けるが、薬物を飲まされたらしく何も覚えていなかった。
検事のレベッカ・ネヴィンズがホレイショを訪ね、ジェシーを捜査から外すよう言う。LAでジェシーは被告人に有利な証拠を隠蔽した疑惑が持たれているからだというのだ。ホレイショはジェシーの疑惑を晴らすためにLAへ向かうことにし、レベッカは調査官のデルコを同行させる。
ホレイショとデルコはLA市警のサッター署長を訪ね、事件の詳細を聞く。それはトニーの妻が殺害された事件で、第一容疑者はトニーだったが、庭に「AT」のイニシャルを刻んだ血染めのカフスボタンが落ちていたという。ジェシーが撮影した写真は残っていたが、ボタンの現物は行方不明。弁護側は、イニシャルがトニーとは違うことから、他に犯人がいたのに、警察がそれを隠蔽したのだと主張した。
当時、カフスボタンの販売元はわからなかったが、画像をマイアミに送り、ベントンが最新の検索エンジンで調べたところ、販売した店が判明。さらに、トニーの弁護人であるヴォーゲルがそこで買い物をしたこともわかる。ヴォーゲルは「似たボタン」を買ったことは認めたものの、証拠とは無関係だと主張する。
ホレイショは事件を取材していたカメラマンがいたことに気づき、そのカメラマンに写真を提供してほしいと頼む。すべての写真を調べたところ、カフスボタンのあった場所で、何かを拾っている人物が写り込んだ写真が発見される。ボタンを拾ったのはサッター署長だった。
サッターは、ボタンがヴォーゲルの工作であることを見抜いて証拠を隠したことを認める。ジェシーがすでに写真を撮っていたことには気づかなかったのだ。ジェシーをしばらく内勤にすれば済むと思っていたが、その後トニーがジェシーの妻を殺害するという事件が起きてしまった。
サッターはすべてを認め、記者会見を開いてジェシーに謝罪する。
一方マイアミでは、凶器に付着した指紋からコンドームの痕跡が検出されていた。それはアンナの体内から検出した成分と一致。クープは、トニーがアンナに飽きて「ボーナス」として自分に譲ったこと、止めに入ったレスリーを殺害したことを認める。アンナに薬物入りの飲み物を渡したトニーは、売春斡旋と薬物所持で逮捕される。トニーの本性を知ったアンナは、ジェシーに感謝のメッセージを残して行く。
感想
いよいよジェシーがLAを離れたわけが明らかになるエピソード。原題は単に“LA”だが、邦題はウィリアム・ピーターセンの映画から取られているのだろう。
ジェシーはトニーが妻を殺害したとされる事件を担当していたが、トニーに有利な証拠を破棄したという疑いをかけられ、結局それでトニーは無罪放免になったわけだ。トニーはさらに、ジェシーの妻をも殺していた。そのためジェシーはトニーを監視し、恋人のアンナ(パーティーエピでスパンコールのドレスを持ってきた女性)を守ろうとするが、アンナから見れば「警察権力を利用して自分と彼氏に嫌がらせをするストーカー」でしかない。
さらにネヴィンズ検事(久しぶり~)が現れ、ジェシーは過去にLAで証拠隠滅の疑いをかけられていると言ってくる。そこでホレイショがLAへ向かうわけだが、そこで「お目付け役」として同行させるのが調査官のデルコ。これはむしろ「粋な計らい」のように見える。
で、2人の捜査により証拠を破棄した犯人がわかり、ジェシーの汚名は雪がれる。クープの犯行も別の証拠から立証されて無事逮捕。クープがアンナを薬物レイプしたことはトニーの差し金だったため、トニーも売春斡旋と薬物所持で逮捕。トニーのやったことは売春斡旋というより強姦の共犯のように思うが……。
ジェシーエピだったわりにジェシー本人は活躍せず(本人は関われないので仕方ない)、ホレイショとデルコのLA出張エピという感じだった。ホレイショもアメリカ国内では、さすがにギャング皆殺しというわけにもいかず、弁護士を脅すだけで我慢していた。
トニーがジェシー妻を殺害した事件は、今後明らかになるのだろうか?
見ごたえがあったのはLA出張捜査よりむしろ、冒頭のパーティ画面だったかな~。スクリーンに映し出される『吸血鬼ノスフェラトゥ』の映像とレスリー殺しが連動しているところがすごく効果的で怖かった。
今回ゲスト監督のロブ・ゾンビは名前が既に怖いのだが、ホラー映画で有名な監督さんとのこと(すいません知らなくて……)。そのせいかゲスト陣も豪華で、ZZ Topのビリー・ギボンズ(BONESではアンジェラのパパ役で時々出演)もカメオ出演していた。
そうそう、細かいところだけど、アンナに対してナタリアが自分のDV体験を話して心を開かせる場面は良かったと思う。何回か前のエピでナタリアの過去が唐突に蒸し返されたのは、今回の前振りだったのだろうか。それにしても前回の反応はちょっと不自然で、今回の方が矛盾なくすんなり受け入れられたと思う。