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csi_miami:s09:192_fallen

CSI: Miami - Season 9, Episode 1

#192 Fallen

  • 邦題:「別れのフリースロー」
  • 脚本:Tamara Jaron
  • 監督:Sam Hill
  • 初回放映:2010-10-03

事件概要

ジェシー・カルドーザ

謎の毒ガスで全員がバタバタと倒れたラボ。駆けつけたホレイショがガラスを撃ち抜き、皆息を吹き返す。だがただひとり、ジェシー・カルドーザだけが起き上がらなかった。皆が倒れたのは低酸素症が原因だったが、ジェシーは倒れた時に頭を打ったのが致命的だった。

一連の騒ぎで証拠は汚染され使えなくなったので、ホレイショは「THEY ALL FALL DOWN」のメモを調べるよう指示する。ウルフはダクトにもぐってハロンガスを検出。屋上で空調システムを調べると、古いハロンガスのタンクが発見される。ラベルの文字からデイド大学の物と思われた。スターリングも教え子のメリッサも関与を否定し、知らぬ存ぜぬで押し通す。

ジェシーへの別れにモルグを訪れたウォルターは、ジェシーの傷からガラス片を発見。ジェシーはスターリングのカメラを調べており、中のメモリーカードはAVラボのベントンに分析を依頼していた。ウォルターはサーバー復旧作業中のベントンに手を貸す。

デルコとウルフはハロンの濃度と放出時間を求める再現実験を行い、皆が倒れる35分前にガスが放出されたことを突き止める。だがその時刻、スターリングは大学で講義中。彼が犯人なら共犯者がいたことになる。改めてメリッサの話を聞こうと自宅を訪ねると、メリッサは「ドアに仕掛けがある。入って来ないで」と言う。スコープで調べると、メリッサは椅子に縛り付けられており、扉を開くと仕掛けが作動し、ライフルが発砲する仕掛けになっていた。ホレイショは窓から入ってメリッサを救出。

メリッサは「犯人の顔は見ていない」と言うが、ライフルの登録を調べたところ、デイド大学で用務員をしているキース・ガーウッドの物と判明。ガーウッドはスターリングを崇拝していたという。ガスボンベの管理をしていたのもガーウッド。倉庫を調べてみると、ハロンガスのボンベが3本紛失していた。ガーウッドは「身に覚えがない」と顔色を変える。ライフルをよく調べたところ、銃弾の中身は火薬ではなく、ただの砂だった。

「THEY ALL FALL DOWN」の犯行メモには、透明インクで象形文字が書き込まれているとわかる。解読してみると「人は大地を廃墟にする」と読める。イギリス人のトラヴァースが、バイロンの詩の一節であることに気づく。桟橋に「バイロン・クレスト」というホテルがあることと、スターリングの「時計は進んでいる」という言葉と合わせて、次のターゲットは桟橋ではないかと思いつく。

だが桟橋にあった物は偽の爆弾。これは陽動作戦にすぎず、その頃スターリングを護送していたフランクは銃撃を受け、スターリングは逃亡してしまう。銃撃は遠隔操作で行われ、メリッサの自宅に仕掛けられたライフルと同じ種類の銃弾が使われていた。

スターリングのカメラの写真は削除されていたが、データを復元した結果、スターリングとメリッサの親密な様子が写っていた。共犯者はメリッサで、自宅で襲われたというのは狂言だったのだ。メリッサを問い質すと、彼女は「一人で罪を被るのは嫌」と取引を申し出る。

メリッサは隠しマイクを身に着けてスターリングと接触し、「自分は手を汚さず、私に汚い仕事を押し付けた」と非難する。スターリングはマイクに気づいて破棄するが、メリッサはもう1本マイクを隠し持っていた。


感想

前シーズンのフィナーレを見たのが一昨年の10月。それから1年半ほど放置していたのは、マイアミがつまらなくなってきたせいだっけ? とか思っていたのだが、1回目を見て思い出した……そうだ、ジェシー降板のニュースにがっかりしたのが見ない理由だった。デルコがダメとは言わないが、ジェシーとウォルターの加入で新鮮な感じになって好印象だったのよね……それが、1シーズンであっさり消えるなんて、ひどい。

そんな状況なので前回のストーリーもあまりよく覚えてなかったりする……何か、実験結果を捏造した科学者の話だったような気がするが、どういう動機で誰を殺したんだったか、あまり記憶に残っていないわ。やはりエピガイをちゃんと書いておかねば、ダメだね。シーズン7と8も、ちゃんとしたエピガイに書き直しておくべきだろうか(まずは今シーズンの録画消化が最優先だけど)。

事件の詳細はともかく、暗号解読などのギミックはそれなりに面白かった。もっと描写が具体的なら良かったのだけど……。この場面で登場した「ゾディアック」は1960年代後半から70年代初頭にかけて、サンフランシスコ近辺で犯行を繰り返した連続殺人犯。自ら「ゾディアック」と名乗り、警察に対して挑発的な手紙を暗号で書き、新聞社に送りつけていた。犯行の詳細は下記『ゾディアック』に詳しい。このノンフィクション(とその続編)はデイヴィッド・フィンチャー監督で映画化もされている。

暗号の解読作業は、サーバーがダウンしているため手作業で行ったというが、おそらく頻度分析かな。ちょっとサンプルが短すぎるような気もするけど、あっさり解けたところを見ると、単純な換字式だったのかも(陽動作戦に使ったくらいだから、犯人にしたら解読してほしいはず)。で、解読された文章はバイロン卿の詩の一節。何かと思って検索してみると、『チャイルド・ハロルドの遍歴』第4巻179節だった。

イギリス人のトラヴァースがそらんじてみせるが、あの長大な物語詩を全部覚えているのだろうか。

同じ箇所で、マヤ文明の終末論の話が出てきたが、そういえば去年の暮れに何か話題になってたっけな……。古代マヤ帝国で使われていた長期暦が2012年12月の何日かで終わり、その後の日付がない、というのが「2012年12月に世界は終わる!」という話になって流布してしまったということらしい。実際は「そこで一巡する」というだけのことだと思うのだけど。当然ながら世界は終わることなく2013年になったが、現在は「マヤ暦の終末は本当は2015年だった!」とかいう話もあるらしく、ノストラダムスの時と一緒だな! と笑ってしまった。終末論業界ではもう既に次のネタを仕込んでいるに違いない。

で、せっかく苦労して暗号を解いたのに、これが単なる囮とわかり、護送中のトリップが襲われ(今回初めてじゃないよね。何度目だ?)、被害者と思われたメリッサが実は共犯者で、証拠を突きつけられて取引を申し出る。そう言われたホレイショが「はっはっはっは」と笑うと「おりこう~だな :hossan:」と一言。何なんだこの台詞回し。今シーズンはテレビ東京版を視聴しているので吹替えしか録画していないのだが、原語でもこんな調子なのだろうか。ジェシーを殺された怒りの表現か?

主犯のスターリングを逮捕した決め手の証拠は、古典的に隠しマイクで収集。1つを捨てたけど、まだ別のがありました……というオチも初めてじゃないと思うが、ま、いいか。

最後はチーム皆で、仲良くバスケでジェシーを見送る。ジェシー降板は本当に残念でしょうがないのだけど、ジェシーが持って来てくれた「チームワークの良さ」というマイアミの魅力は今後も続いていってほしい。そう思わせる送り方だった。ホレイショが最後にシュートを決めたのは、本当に本人が投げたのか、だとすると何回目のシュートだったのかが気になる。


使用楽曲

  • “Transatlanticism” by Death Cab for Cutie (ラスト)

Yoko (yoko221b) 2013-04-07

csi_miami/s09/192_fallen.txt · Last modified: 2024-08-08 by Yoko