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CSI: Miami - Season 9, Episode 7
#198 On the Hook
- 邦題:「怒りの鉄拳」
- 脚本:Scott Landy
- 監督:Tim Story
- 初回放映:2010-11-21
事件概要
ブラッド・ウェブ
ボートで釣りをしていたブラッド・ウェブが突然銃撃を受け、水中に飛び込んで逃げ延びる。ウェブは橋の上から飛び降りようとしている若者を見て、説得しようとしていたが、そこへ別の誰かがいきなり銃を乱射したのだった。
凶器のライフルは、離れた場所にあるビルの通気口から発見される。犯人は「サボ」というプラスチック製のキャップを銃弾にかぶせていたため、弾に旋条痕は残っていない。橋から飛び降りようとしていた若者シェーン・ニューサムは「スリルを味わいたかっただけで、死ぬつもりはなかった」と主張。シェーンは万引きで逮捕されたことがあり、現在は保護観察中。カウンセリングも受けているという。
ライフルからDNAが検出され、狙撃犯ダリオ・アギラーが逮捕される。ダリオとウェブの間には何の接点もなく、誰かに雇われたのではないかと思われるが、ダリオは何も言おうとしない。
その後、シェーンが自宅で暴れているという苦情の通報が入り、ホレイショとトリップが向かう。改めて問い質されたシェーンは、「ウェブは見かけた時に電話で数字のことを話していた」と話す。そこからウェブが会社名義で借りている部屋がわかり、そこを調べた結果、ウェブがひそかにノミ行為を行っていたことがわかる。
警察署で保護されていたウェブは「客とは直接接触しない」と、出て行こうとするが、そこで再び狙撃される。署の向かい側にある駅から撃って来たことがわかり、現場はただちに封鎖されるが射手は見つからない。しかしウォルターとウルフはゴミ箱から金属パイプや木片を発見。どうやら犯人は、足が付かないように手製の銃を使ったらしい。ホレイショはその部品を見て、シェーンの部屋にあった金属部品を思い出し、シェーンが銃を作ったのではないかと思いつく。
シェーンも雇い主については口を閉ざすが、調べてみると2人とも保護監察官が同じニール・パーキンズという人物であるとわかる。ダリオはようやく、「言うことを聞かなければ麻薬所持をでっち上げて刑務所に送る」と脅されて狙撃したことを認める。パーキンズは賭博でウェブに借金を作っていたのだ。そしてシェーンも「実は自分の方が先に殺しを命じられた」と供述。シェーンが怖気づいたためにダリオが代わって命令を受けたが、シェーンは殺人を止めようとして橋へ行ったのだ。ダリオが失敗したため、パーキンズは再びシェーンに殺害を命じ、「断れば従妹のトレーシーを刑務所へ送る」と脅したという。そしてシェーンも狙撃に失敗し、トレーシーは行方不明になったという。
パーキンズはシェーンに手製の銃を作るよう指示し、作り方を紙に書いていた。それは水に浸すと溶けるライスペーパーで、証拠が残らないようノミ屋がよく使うものだ。シェーンも指示された通りにしていたが、かろうじて溶け残ったインクからパーキンズの筆跡と断定される。
その頃パーキンズはトレーラーでトレーシーをレイプしようとしていたが、ホレイショが駆けつけて逮捕。ホレイショは「この先30年の予告編を見せてやる」と、パーキンズを窓から下へと放り出す。
感想
冒頭は、ボートで釣りをしていた男が、橋から飛び降りようとしている若者を見つける場面。で、そこに全然関係ないところから死体が降って来るというのがありがちなパターンなのだけど、今回は説得している人がいきなり銃撃され、「いったい何事!?」と混乱する展開に。この始まり方はスリリングで面白い。
あれだけ大量の銃弾を浴びせて1発も当たらず、ひとしきり撃って姿を消しているので、これはてっきり脅しのための銃撃で、わざと外しているんだなと思ったら、本気だった。本気出してあれだけ外しまくるって、かえって難しいような気がしないでもない。
で、そこから話は二転三転して、保護監察官が職権を悪用していたことがわかる。サボ弾とかハンドメイドの銃とか、ノミ屋が使うライスペーパー(生春巻きの皮?)とか、ディテールに使う要素は面白いと思うのだが、話が具体的になりすぎているせいか、肝心の殺人計画があまり現実的でないことが強調されてしまったような気が……。
ラストは前回に引き続き、今回も暴走オヤジになっているホレイショ。犯人の行動は確かに卑劣で許せないものではあるけど、窓を割って外へ放り投げるとは。意外に力持ち。
— Yoko (yoko221b) 2013-04-16