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CSI: Miami - Season 9, Episode 11
#202 F-T-F
- 邦題:「落ちるときはIBW」
- 脚本:Melissa Scrivner, K. David Bena
- 監督:David Arquette
- 初回放映:2011-01-09
事件概要
マーヴィン・ヒル、レベッカ・ウエスト
車を運転していた女性、レベッカ・ウエストが首を銃で撃たれて死亡。車は消火栓に激突し、周囲は水浸しになる。近くのベンチでは、中年男性のマーヴィン・ヒルが頭を撃たれて死亡していた。ホレイショ、ウォルター、ウルフの3名は証拠が水で流されるのを必死で食い止めようとする。近くに落ちていた拳銃が下水に流されてしまうが、その後無事に回収され、凶器と確認される。
当初はマーヴィンがレベッカを撃って自殺したと思われたが、検死の結果、マーヴィンが先に撃たれたとわかる。弾はマーヴィンの頭蓋骨の中ではね返り、射入口から再び外へ出てレベッカに命中したのだ。このため弾の速度はかなり落ちており、レベッカは即死せず失血死であった。弾道を再現したところ、マーヴィンを撃ったのは第三者であり、レベッカは運悪く巻き添えになったものと思われた。
マーヴィンは既婚だがポケットに女性用の下着を持っており、浮気が疑われた。自宅のパソコンを調べてみると、十代の海兵隊員「ショーン」と名乗って女子高生と頻繁にチャットしていた記録があった。写真から、相手はベイフロント高校に通うアシュリー・チャンドラーと判明。だがアシュリーは「パソコンは宿題に使うだけで、チャットは両親から禁じられている」と主張。父親も無関係を主張するが、持っている銃を調べたところ、犯行に使用されたものと同じ口径の銃が1丁、紛失しているとわかる。
チャンドラー家にパソコンは1台だけ。調べてみると、やはり「ショーン」とのチャットログがあった。アシュリーは「ショーン」とかなり親密な会話を交わしており、それにジャスティンというもうひとりの少年が嫉妬していたようだ。そこへジャスティンがログインしてきたため、ウォルターはアシュリーになりすましてジャスティンを誘い出す。
時刻どおりに若い男が現れるが、これはネットで雇われた偽物だった。ホレイショは本物のジャスティンの特徴を聞き出し、レンタカー会社に問い合わせ、運良くジャスティンを捕まえることができた。ジャスティンは、ログインする時刻や言葉使いが違うことからワナに気づいたという。ジャスティンの着衣からは現場の消火栓の水と同じ珪藻類が検出され、現場にいたことが裏付けられる。
ジャスティンはアシュリーを「ソウルメイト」と呼び、彼女を守るためにマーヴィンを射殺したことを認める。拳銃はアシュリーがモーテルの部屋に置き、それをジャスティンが取りに行ったという。だがモーテルの防犯ビデオの映像を確認したところ、そこに現れたのはアシュリーではなく、母親のダイアナだった。
ダイアナは若い娘のふりをしてチャットに出入りするうちにのめりこみ、アシュリーを巻き込むべきではないと思いつつショーンに惹かれ、下着を送ったりするうちに直接会わずにいられなくなった。だが「ショーン」ことマーヴィンは「アシュリー」の正体を知って怒り、ダイアナを脅すようになった。困っているところへジャスティンが助け船を出してきたので、夫の拳銃を渡して殺させたのだった。
こうしてダイアナとジャスティンは初めて直接顔を合わす。だが「アシュリー」の正体を知ったジャスティンは激昂し、ダイアナに罵声を浴びせる。
感想
車が消火栓に激突し、水浸しになった犯罪現場へ一番乗りなのは、やはりCSIの面々。パトロール警官や救急隊よりも早いのはいつものことだが、今回はホレイショが自ら通報? ホレイショがずぶ濡れになりながら「ぬお~っ」と力を込めて水道栓を閉めるなんて、滅多に見られないものを見せてもらった気分。下水を再処理した水が使われているので、「臭う」と言われて皆着替えていたが、ホレイショだけは臭っていないような気がする。
ウルフは拳銃を取ろうと水中スライディングしたものの、拳銃はあえなく排水溝へ……というか、これはウルフがスライディングした水流で流されたように見えた。だがまぁ無事に回収できて何より。口径の小さな銃弾が頭蓋骨の中で跳ね回るというのは、他のシリーズでも見たような気がするが、入り口からそのまま出て行ってしまうとは! さらにそれが第三者を巻き添えにしてしまうなんて、ものすごい確率の不幸な偶然としか言いようがない。おかげで浮気や殺人の容疑までかけられてしまうなんて。すぐ晴れたけど。
その後、事件はチャットを介した三角関係と判明。何ともイヤ~な事件だった。何がって、チャットで若い娘のふりをするだけなら、まだわからなくもないけど、そこに娘の名前と写真を晒すという神経がわからない。それがどれだけ危険な行為か、今時わからないはずがないのに……。
会ったこともない少女のためにあっさりと人を殺してケロリとしているとか、自分のことを棚に上げて相手の嘘だけを責めるとか、あからさまに嘘くさいプロフィールをコロッと信じてしまうとか、素材がリアルな割にリアリティの感じられない展開だったのが残念。マーヴィンは若い娘しか眼中になかったようだが、むしろダイアナの方がお似合いだったんじゃないの? 架空の「アシュリー」と惹かれ合ったのは同世代で似たもの同士だからだよ、きっと。
ビデオ映像を見たホレイショの台詞が、何だか妙にツボッた。
<母親だ
<はーはーおーやーだ