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CSI: Miami - Season 9, Episode 12
#203 Wheels Up
- 邦題:「ダービーガールの死に様」
- 脚本:Corey Evett, Matthew Partney
- 監督:Sam Hill
- 初回放映:2011-01-16
事件概要
コニー・ブリッグス
ローラーダービーの選手、「怒りのコニー」ことコニー・ブリッグスが控室で死亡する。死因は肋骨を骨折したことによる内出血で、試合中ではなく控室で何者かに背中を強打されたことが原因だった。事件前、コニーは体調不良でトラックを離れ、トイレで嘔吐していた。
毒物検査でイピカック(吐根)が検出され、またマウスガードが口に合っていないことから、相手チームのサポーターであるヴィンス・ケスラーがイピカックを仕込んだマウスガードにすり替えたことがわかるが、ケスラーは「コニーが体調を悪くすればいいと思っただけ」と、それ以上の関与を否定する。
コニーのルームメイト、ルーシーは「タラという選手と揉めたことがあるらしい」と口にする。タラは相手チームの選手で、試合中の怪我がもとで車椅子生活。さらにヴィンスがタラの兄であることもわかるが、タラは「試合中に起きたことでコニーを恨んではいない」と名言。タラの話から、コニーの背中の傷はエルボーパットによるものであるとわかる。だが、よほど強い力を加えなければ肋骨を折るほどのダメージは与えられないとわかり、犯人が男性の可能性も浮上する。
ローマンは、コニーの肋骨に古い骨折の跡を発見。その時に形成された骨が、今回殴打された衝撃ではがれ、胸の大動脈に刺さって内出血を起こしたのだ。だがそれは半年以上前の怪我で、その当時コニーはまだローラーダービー選手ではなかった。その他にも、8ヶ月ほど前に複数の骨折や火傷を負っていたことがわかる。DVが疑われたためルーシーにたずねたところ、コニーにはジェイクという乱暴な元彼がいることがわかる。
ジェイクの自宅にはサンドバッグがあり、そこにはエルボーパッドと同じ形状の裂け目があった。だがジェイクは「このサンドバッグは、コニーとルーシーがダービーガールになりたがって練習していただけ」だと主張。ルーシーはそれまで「ローラーダービーについては詳しくない」と言っていたが、それは嘘だったことになる。
ルーシーの自宅からは、ローラーダービーに使う防具などが発見され、その中にはエルボーパッドもあった。ルーシーはパッドに鉄を埋め込んで強度を高めていたため、重傷を負わせてしまったのだ。血液反応から、それが凶器であると裏付けられる。
ルーシーはようやく、自分がコニーを殴ったことを認める。そもそもダービーガールになろうと言ったのはルーシーの方であり、2人で練習に励んできた。だが選手になれたのはコニーだけで、しかも新人ながらどんどん人気者になっていく。一方ルーシーはロッカーを明け渡さねばならず、荷物を取りに来てユニフォームとエルボーパッドを身に着けてみた。そこへ体調を悪くしたコニーが入って来て「あなたはダービーガールに向いていない、諦めた方が良い」と言ったので、ついカッとなって背中を殴ってしまったのだった。
事件は解決し、直接は無関係とわかったジェイクは釈放される。しかしジェイクが骨折させていなければ、今回骨を折って内出血を起こすことはなかったかもしれない。ホレイショは部屋でジェイクと2人きりになると、扉を閉めてブラインドを下ろした――。
感想
ローラーダービーといえば、NYのシーズン2「マンハッタン・キングダム」を思い出す。その時は、ローラースケートでスピードを競い合う団体競技という認識だったけれど、それよりは格闘技に近いものらしい。「ジャマー」というポジションの選手がトラックを走行しながら相手チームの選手を追い越すと得点が入るので、他の選手は味方を守りつつ敵を妨害しなければならない。そこで格闘技の要素が入ってくるわけだ。ただ早いだけじゃダメで、コニーが「ダービーガールは獰猛でなければ」と言うのも当然のことなのだろう。
ルーシーはコニーに差をつけられることで焦っているところへ、あのような言葉を浴びせられて腹を立てた。だがコニーの気持ちはどうだったのだろう? 競技で実力をつけるうちにルーシーがうっとおしくなったのだろうか。だが、あるいは……コニー自身が暴力の被害者であったことを考えると、自分がどんどん暴力的になっていくことを自覚し、ルーシーにはそうなってほしくない、元のままでいてほしいと思ったのかもしれない。いずれにしても、もうわからないことだけど。
ルーシーがロッカーを片付けに来た時に、たまたまコニーと鉢合わせしなければ、コニーに古い骨折がなければ、あるいはコニーが嘔吐して背中を向けなければ、ルーシーが鉄のエルボーパッドを装着していなければ……コニーを死に至らしめた複数の要因の一つでも欠けていれば、コニーが死ぬことはなかった。中でも罪が重いのは元彼によるDVだ――と、ホレイショはそう考えたのだろう。コニーの元彼、バイク男のジェイクとかいうので、カリーの元彼だった潜入刑事を思い出してしまったのだが、むろん別人。
最後の場面はシーズン6の「ティファニーのお仕置き」を思い出す。あの時のように今回も「お仕置き」しちゃったのだろうか。でも具体的に、何を?
- 散々びびらせたうえで解放
- 拳でボコボコ
- 窓から放り出す(そこ何階?)
- ビスケイン湾にバラバラ死体を浮かべる