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csi_miami:s09:204_last_stand

CSI: Miami - Season 9, Episode 13

#204 Last Stand

  • 邦題:「仁義なき戦い」
  • 脚本:Brian Davidson
  • 監督:Matt Earl Beesley
  • 初回放映:2011-02-20

事件概要

ニコラス・チャンドラー、シャロン・カービー他

マラ・ノーチェの麻薬精製所に対する摘発が行われ、州検事ニコラス・チャンドラーは特捜班のチーフ、ジェニファー・スワンソン巡査部長とともに現場で記者会見を行う。だがそこにマラ・ノーチェの面々が車で乱入して銃を乱射し、検事は射殺される。ジェニファーは、一連の摘発はタレコミによるものだが、検事の方針で内密にしていたと打ち明ける。メモ・フィエロが逮捕されてから組織は様変わりし、現在のボスであるアルマンド・サラザールはギャングというよりむしろビジネスマン。サラザールに反発し、昔を懐かしむ者も少なくないらしい。

現場で回収されたサングラスが手がかりとなり、車を運転していたフェリックス・メディナが逮捕される。メディナは公選弁護人を要求し、弁護士のシャロン・カービーに「今までのタレコミは組織内部からの物ではない」と言う。シャロンはメディナをホレイショに面会させようとするが、その直後、何者かに喉を切られて殺害される。

たまたまその時にニュース番組の撮影が行われており、映像をチェックした所、シャロンが老人に襲われるところが背後に映っていた。ホレイショは犯人の手のタトゥーを見て、メモ・フィエロだと気づく。マスクで老人に変装して殺害したのだ。

その後、新たなタレコミが入る。今回は声を変えているらしく、子どものような声で「マラ・ノーチェは何かバスに関わる大掛かりなことを計画している」という。サラザールはオフィスにいなかったが、ゴミ箱に捨てられた紙片から「サンシャインステート・バスツアー」の書類が発見される。そこで彼らはバスを足止めし、ウルフがツアー会社の社員になりすましてサラザールを誘導。サラザールは気づいて逃亡しようとするが、そこにフィエロが現れ、サラザールを射殺。

一連のタレコミはフィエロの差し金で、目的はサラザールをおびき出すことではないかという疑いが生じる。そこで電話の音声を詳しく調べてみると、最新のタレコミは声を変えたのではなく本当に子どもがしゃべっているとわかる。タレコミをしていたのは息子のいるメンバー――という条件で絞り込んでみたところ、タレコミしていたのはフェリックス・メディナで、今回は息子のミゲルと思われた。

メディナは「息子を助けてほしい」と、携帯番号を教える。ホレイショらは場所を割り出し、ホテルの一室に突入、無事にミゲルを発見するが、待ち伏せしていたマラ・ノーチェ部隊に銃撃を受ける。ホレイショは応援を要請して何とか敵を倒すが、肝心のフィエロはまたも逃亡。

ホレイショはメディナに協力を頼み、サラザールが生きているように見せかける。サラザールからの「俺は生きている」というメッセージを受信したフィエロは、単身サラザールの隠れ家であるボートに向かうが、そこで待ち伏せていたホレイショに銃を向けられる。

ホレイショは「お前のような奴は殺した方が正義にかなう」と言って狙いを定めるが、結局撃たずに逮捕する。


感想

マラ・ノーチェ対デイド署CSIの頂上決戦。それは鑑識の仕事じゃないだろうというツッコミはもう受け付けてもらえないと思う。フィエロとホレイショの一騎打ちはもう、ギャングのボス同士が縄張りをかけて争っているようにしか見えない。きっとカメラに映っていない場所で、マラ・ノーチェ軍団とデイド署軍団がお互いに武装して睨み合っていたに違いない。

最後、ホレイショが銃を向けてから「逮捕する」まで、かなり間があったので、撃つのかどうか予想がつかずハラハラした。どちらもありそうな気がして――ベガスとNYでも同じような場面があったが、片方は射殺、片方は逮捕だった。ならマイアミではどうするだろう? 妻の仇とはいえ無抵抗の相手を撃つのか? フィエロが隠し持っていた銃に手を伸ばし、正当な発砲として射殺するのか? あるいはフィエロがしぶとく逃げてしまうのか?(だってまだシーズン半ばだし)

今までのホレイショの乱暴狼藉を思うと、射殺するという路線もあり得たように思う。むしろ、それを予想させるための前振りとしてあのような言動があったのか(だったらまんまと乗せられたわけだ)。もっとも、逃亡中の殺人鬼ぶりを思えば死刑は免れないだろうが……。

フィエロ逮捕、サラザール死亡でマラ・ノーチェはどうなるのか。この組織も、シーズン4で登場した時は、ニカラグアに本拠地があって、国外退去にならぬよう麻薬には手を出さないという設定だったように記憶しているが、今や国内で精製までやってしまうとは。フィエロの台詞に「メキシコの兄弟たち」とあったので、メキシコの麻薬カルテルともつながりがあるのだろうか。メキシコや中米での、いわゆる「麻薬戦争」については時々日本でもニュースになるが、日本語でまとまって書かれた本が見つからない(あっても古い)。

冒頭で死亡した州検事の名前がニコラス・チャンドラー。前々回に登場した一家もチャンドラーだったので「何でこんな紛らわしいネーミング?」と思ったが、IMDbを見るとシーズン5「落日のテロリスト」でも同じ俳優が同名の役で登場していた。またシーズン4「止まった時間[前編]」にも Prosecuting Attorney(検察官)役で登場しているので、これも同じ人ということだろう。つまり5年前からマラ・ノーチェを追い続けているという、さりげないcontinuityだった。「新州検事」と言われていたので、前までは検事補だったのだろう(名称が少々紛らわしいが、日本でいうと検事から検事正になった感じに近いと思う)。

これでホレイショとマラ・ノーチェの対決も決着が着いたということだろうか。しかし今シーズン、まだ折り返し点を過ぎたばかり。この後組織の残党がホレイショを狙うのか、それとも新たな「敵」が現れてシーズンフィナーレで対決するのか。どうなるのだろう。

Yoko (yoko221b) 2013-05-12

csi_miami/s09/204_last_stand.txt · Last modified: 2024-02-23 by 127.0.0.1