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csi_miami:s10:221_dead_ringer

CSI: Miami - Season 10, Episode 8

#221 Dead Ringer

  • 邦題:「鉄壁のアリバイ」
  • 脚本:Tamara Jaron
  • 監督:Sam Hill
  • 初回放映:2011-11-13

事件概要

ヴァネッサ・ティルマン

売春の前歴を持つ女性ヴァネッサ・ティルマンが殺害される。拷問された末に首を絞めて殺され、眼球を抉り出すという手口は、以前に殺害されたニッキー・サバーノ(「眼球の絶叫」)の事件と同じ。だがその時に犯人と目されていたエステバン・ナバロは犯行当時、警察に監視され鉄壁のアリバイがあった。

ヴァネッサの両親のもとには、以前の事件と同じように不審な電話がかかってきていた。そのメッセージは留守電に録音されていたので、トリップとウルフが回収しに行くが、すでに何者かが侵入して電話機ごと奪った後だった。ウルフは現場で血痕を採取するが、その証拠はラボの分析官、サマンサが紫外線を照射してDNAを破壊してしまっていた。

一連の事件が報道されて以来、犯人は「マイアミの拷問魔」と名付けられ、熱狂的なファンまで生まれていた。そこでカリーは模倣犯の可能性を考えて「拷問魔」のファンサイトを調べ、ヴァネッサの遺体写真を発見。その写真には現場になかったピアスが写っており、警察が来るよりも前に撮られたものとわかる。写真を投稿したのは保健所で野犬の処理をしている職員のフィル。

フィルは拷問魔のファンであることを認めるが、殺害は否定。警察無線を聞いて現場に駆けつけ、写真を撮ってピアスを持ち去っただけだという。フィルの車からはヴァネッサの他、以前の被害者だったアンジェラやニッキーの所持品が発見される。

ヴァネッサのピアスからはエステバンの毛髪が検出されるが、エステバンは「健康診断をした時に付いたものだ」と言う。監視の目をかいくぐって犯行におよんだのではないかと疑うデルコに対し、エステバンは「昨夜は来客があった」とアリバイを主張。それは、デルコの助力で売春を止めて更生プログラムを受けているエリザベス・クラークだった。

エリザベスはいったんエステバンのアリバイを認めるが、すぐに言葉を翻し「エステバンと一緒ではなかった。脅されて嘘をついた」と言う。

エステバンは再び署に連行され、その際トリップに暴力を振るった運転手のテレンス・マドセンが逮捕される。だが、そこへエステバンの父のディゴが留守電のテープを持って現れる。ディエゴが雇った探偵が見つけたものだという。

一方、ミスでDNAを破壊してしまった分析官のサマンサは、何とか名誉挽回しようとヴァネッサの着衣を調べ、吐瀉物を発見していた。ナタリアは「おそらく被害者のもの」と判断し、海水に浸かっていたこともあり、分析はしていなかった。だがサマンサは「犯人のものという可能性があり、綿100%の衣服がDNAを保護していた可能性がある」と食い下がる。そして分析してみたところ、マイケル・ギャリヴァーという人物のものであることがわかる。

署に連行されたギャリヴァーは、ヴァネッサを含めた一連の「拷問魔」事件すべての犯行を認める。ディエゴが提出した留守電の声もギャリヴァーと一致。だがギャリヴァーには犯行中に嘔吐するなど、連続殺人犯らしからぬ所があった。また、ギャリヴァーは以前ナバロの建設現場で働いており、怪我で仕事を辞めた後に大金を得て住宅ローンを完済していたことがわかる。妻子のために金で身代わりになったのではないか――という疑いが生じるが、留置場に向かうとギャリヴァーは死亡していた。一見自殺のようだが、傷の形状は他殺を示していた。犯人は隣の房にいた運転手のマドセン。わざと警官に暴力を振るって逮捕され、隙を見てギャリヴァーを殺害したものと思われた。だがマドセンはあくまで自分一人の考えで殺したとうそぶく。

一連の「マイアミ拷問魔」事件は、ギャリヴァーが犯人ということで解決し、エステバンは再び自由の身となる。だがホレイショはエステバンの犯行を確信し、事件書類の箱に「未解決」と記す。


感想

連続殺人犯、エステバン・ナバロとの対決第2弾。でもまだ続きがあるよね。

「鉄壁のアリバイ」というから、そのアリバイをどう崩すのか、という話かと思ったらそうでもなかった。監視していたけど抜け出せたとか、誰かに偽証を強要したなんてのは、ちょっと鉄壁とは言えないと思うんだがなぁ~。犯行当時エステバンは勾留されていた! というような状況でもあれば、それは確かに「鉄壁」なんだけど。

とはいえ、エステバンのアリバイは結局、最後まで崩されることはなく別人が犯人として逮捕される。これがどう見ても身代わりにしか見えないのだが、物的証拠は揃っており、起訴しないわけにもいかない――と思っていたら留置場で運転手に殺害されてしまう。なるほど、妙に目立つ運転手だと思ったら、ここにつなげてきたわけか。

しかし、「真犯人」の口を封じるためにワザと逮捕されたというのはどうだろう。都合よく隣の房に入るかどうかわからないし、運転手が逮捕された時点では、まだギャリヴァーの存在は浮上していなかったはず。

となると、絶妙のタイミングで証拠を発見したサマンサが何だか怪しいなぁ。実はナバロ家と通じていて、ナタリアが嘔吐物を調べていないのを良いことにギャリヴァーのDNAを仕込んだ、という可能性はどうだろう。そうだとすると、血液のDNAを破壊したのもワザとやったのでは……と思えてくるのだが。

サマンサはギャリヴァーのDNAを「CODISにかけてみる」と言って身元を割り出していたが、その後の場面でナタリアはギャリヴァーについて「前歴なし」と言っていた。ならなぜDNAがCODISに入っているのか? ……これは脚本のミスかもしれないが、次回以降謎解きはあるのだろうか。

ギャリヴァーがエステバンの罪をかぶって身代わりになったのはまず確実として、ギャリヴァーがどこまで関わっていたのか、結局よくわからなかった。

仮説として、まずギャリヴァー実行犯説。身代わりの犯人になるために実際にヴァネッサを殺害し、慣れていないのでゲロ。その後電話をかけ、テープを盗んでわざと血痕を残した(声だけでは身元につながらないから)が、その証拠がダメになったのでディエゴがテープを持参。サマンサの発見がなければ適当なタイミングで自首する予定だった。この場合、サマンサは無実と考えて良さそう。

次に、犯行は全部エステバン説。監視をくぐり抜けてヴァネッサを殺し、いつものように伝言を残す。だが録音に気づいてテープを回収する時に血痕を残してしまったので、サマンサに命じてDNAを破壊させる。その後サマンサがギャリヴァーのゲロを仕込み、証拠のテープも高度な技術で編集して偽造。

さらに第3の可能性として、実は父親のディエゴが犯人だった! 説もありかなと思う。

最後はホレイショが書類ケースの「解決(SOLVED)」を「未解決(UNSOLVED)」に書き換えて去って行く。しかし書類上、ギャリヴァーの犯行ということで解決した(日本でいうと被疑者死亡で書類送検かな)という決定は変えられないと思うのだけど、次回以降どうなるのだろう。

その他の注目点としては、デルコとエリザベスが今後さらに親密になることはあるのか? という点と、オーシェイは本当にこれで終わりなのか? 復活の可能性はあるのか? という所かな。


使用楽曲

  • “Force a Smile” by Sleeper Agent (冒頭)
  • “Moi, Elsie” by Elisapie Isaac (エンディングモンタージュ)

Yoko (yoko221b) 2014-04-26

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