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CSI: Miami - Season 10, Episode 15
#228 No Good Deed
- 邦題:「残念な聖人君子」
- 脚本:Grace deVuono
- 監督:Matt Earl Beesley
- 初回放映:2012-03-04
事件概要
ヘンリー・ダンカン
海でパドルボートに乗っていた男性がモーターボートに轢かれて死亡する。被害者は最初背中からボートをぶつけられ、その後もう一度轢かれて首を切断されかけていることから、故意の殺人とわかる。発見された凶器のボートのハンドルには、トラックなどに使用するエンジンオイルが付着していた。
被害者は会計士のヘンリー・ダンカン。息子のショーンによると、どんな小さなルール違反も許さない厳格な性格で、ショーンがモトクロスの試合で些細な不正をしたことをめぐって対立したこともあったという。融通のきかない性格ゆえに妻とも離婚。隣人とも犬の吠え声をめぐってトラブルがあった。
また、勤務先の会計事務所で何か重大な不正を発見していたらしいこともわかる。それは、顧客の建築会社が工場跡の汚染された土地を安く買い入れ、住宅地として開発しているという件だったが、建築会社も事務所の上司も事件に関わっているという証拠はなかった。
その後、ヘンリーの車が発見される。中にあった携帯電話には、マヌエルという少年からの「助けて」というメッセージが残されている。前日の朝にヘンリーがマヌエルと出会ったらしいとわかり、カーナビの記録や防犯ビデオの映像などをつなぎ合わせてみたところ、ヘンリーは具合の悪そうな少年を見かけ、少年が別の男性とともに去った後、「何か様子がおかしい」と911に通報していたとわかる。ヘンリーは男の車を追跡したが、途中でトラックに割り込まれて見失い、通報を受けた警察もそれ以上は調べようがなかったという。
マヌエルを乗せた車が無人で乗り捨てられているのが発見され、遺留品から麻薬の密輸組織が絡んでいるらしいとわかる。麻薬を詰めた袋を飲み込んだ状態でニカラグアから入国して来たのだ。CSIはヘンリーと不審な車の間に割り込んだトラックの運転手、ジョージ・オルセンを探し出して話を聞く。オルセンが男の特徴や向かった方角を覚えていたため、潜伏アジトがわかり、ホレイショとウォルターが急行。無事にマヌエルを保護して男を逮捕する。
だがヘンリーを殺害したのはその男ではなかった。デルコはオルセンの服にエンジンオイル、靴にビーチの砂が付着していることに気づく。さらに通話記録を調べると、ヘンリーはオルセンのトラックに割り込まれてあやうく事故を起こしそうになったため、社名と番号を勤務先のレッカー会社に知らせて苦情を言っていたのだ。会社はその苦情電話を受けてオルセンを解雇。苦情電話はふつう匿名だが、ヘンリーは氏名を告げていた。それでオルセンはボートを盗んでヘンリーを轢き殺したのだった。
感想
手がかりを追っていくうちに次々に大規模な不正や組織犯罪が明らかになる事件。隣家での売春、土地開発をめぐる不正、麻薬の密輸入と、どんどんスケールが大きくなると思っていたら、犯行のきっかけになったのは無謀運転の通報だった。これだって一歩間違えば大惨事になりかねない危険行為ではあるが、日常的にありがちな行為でもある。広がるだけ広がった話が日常にまとまって落ちた、という構成が面白い。
防犯カメラの映像をつなぎ合わせて状況を再構成するという捜査方法や走るホレイショなど、見どころも多い。本当に現代の生活は、カメラに囲まれているのだなぁ。
そして最後の方で、ウルフが勇気を出してサマンサを食事に誘ったと思ったら、ジャストタイミングで彼氏登場。これがまた、絵に描いたようなイケメンでインテリ(検事補)の彼氏で。知能化弾のエピでデルコがサマンサにアクセサリーをプレゼントしたが、あれが本当はウルフからだということは知っていたよね。台詞はなかったけど、デルコがウルフの方を指さして何か言っていたから。でも自分に彼氏がいるということは言ってなかったのか……。
この先三角関係でドロドロになって、とかそういう展開はちょっとゴメンだなぁ、とか思ってしまった。