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CSI: NY - Season 1
#12 Recycling
- 邦題:「リサイクル」
- 脚本:Timothy J. Lea, Zachary Reiter
- 監督:Alex Zakrzewski
- 初回放映:2005-01-12
Some days you're the dog, some days you're the hydrant.
事件概要
ドッグショー殺人事件
マック、エイデン、フラック刑事担当。ドッグショーで犬の調教師エレイン・カーティスが死亡した。胸に金属の編み棒が刺さっていた。発見者は獣医のロス・ハウエル。編み棒の持ち主ミリー・ハンフォードは、自分の編み棒がエレインに刺さっているのを見てショックを受ける。ミリーは、エレインがあまり好かれていなかったことを話すが、動物を愛する人は魂を傷つけないものだと主張。エイデンは血のついた足跡を発見。それは現場から遠くへ離れていく足跡だが、エレインの犬は事件後ずっと現場にいたので、別の犬がいたことになる。
被害者には手に縛られたような跡と、爪の下に誰かの皮膚があった。口の中にはラテックスのような欠片。太ももには人間の歯型。衣服には動物の毛がついていた。マックとエイデンは、ドッグショーにエントリしていた犬の中から「証人犬」を探す。その犬の調教師はエレインと恋愛関係にあったが、雇い主同士がライバル関係なので秘密にしていた。手首の跡や噛み跡はプレイによるものだった。
検査の結果、エレインはSSRIとMAOIという2種類の抗うつ剤を服用していたことが判明。この2つを同時に服用すると、セロトニン症候群を起こし、吐き気を起こしたり方向感覚が狂うことがある。その症状を起こし、医療テントへ向かう途中、運悪く編み棒の上に倒れてしまったと思われる。だが、日常的に薬を飲む本人が間違うとは考えにくい。
エレインの爪の下にあった皮膚は、ハウエル獣医のもの。彼はドッグショーでギャンブルをしていた。彼はエレインを仲間に入れようとしたが、エレインはそれを管理委員会に報告すると言う。爪に皮膚がついたのは、そこでもみ合ったせいだったが、殺害は否定する。アリバイも確認された。
マックはドッグショーで、飼い主たちが犬の哺乳瓶を口で噛むようにして水を吸い上げているところを目撃。エレインの哺乳瓶を調べると、中からはSSRIが検出された。哺乳瓶の蓋の下には犬の毛。さらにカバンの鍵にもこじ開けた形跡があった。発見された犬の毛の飼い主はミリー・ハンフォード。エレインの服装が気に食わないため、彼女の犬が眠くなってショーで不利になるようにと、水に薬を混ぜていたのだ。
バイクメッセンジャー殺害事件
ステラ、ダニー、サッカー刑事担当。担当。バイクメッセンジャーの若者マイケル・スターリングが死亡した。自転車の無謀運転で何度か召還されたことがあった。右の太ももに刺し傷。かかと、鎖骨、肋骨などに複数の骨折。刺し傷の中には、ポケットナイフのハサミの片方が残っていた。それが腸骨動脈を切っていた。
被害者が刺されたのは右足だが、左のペダルに血の跡。また、ジャケットには赤い塗料とコンクリートの粉末が付着していた。ステラとダニーは、自転車や衣服に付着した物や、マイケルが身に着けていたモニター(心拍数を計測する)から、彼のたどったコースと刺された場所を探る。二人は新聞スタンドの近くで血痕を、近くの排水溝から、ハサミが半分取れたアーミーナイフを発見し、そこを犯行現場と判断する。
自転車の左ペダルについた血液は、被害者と同じ会社で働く女性メッセンジャー、ブレット・ストークスのもの。一方、ナイフからはローションのような物質が検出される。ブレットの血がついたのは、マイクと競争をして自転車を蹴ったためだった。ナイフから検出したDNAの主はブレットではなく、少年へのわいせつ行為の前科があるセオドア・ゲイツだった。だがそれはゲイツがなくしたナイフであり、アリバイも確認された。
ナイフに付着していたローションはハンドローションだった。まだ発売されていない製品で、雑誌の付録としてついていたサンプル品だ。犯人は、犯罪現場の近くの新聞スタンドで、その雑誌を売っていた男。通りを我が物顔で乱暴に走り抜けるメッセンジャーの迷惑行為に腹を立てての犯行だった。
感想
前回に続き、NYもだんだん明るくなってきた? と思わせるエピソード。犬を抱っこさせられているマックが可愛い。そういう描写のせいか、人が亡くなってもあまり深刻な感じじゃないのよね……。モルグで遺体を入れる引出しの中から登場するホークス先生にもびっくり。
いかにもワルそうな獣医さんは、「24」のシーズン1で登場した、パーマー議員の部下。影の部下だったかな、ダーティーな仕事担当の。この間はパーマーの補佐官が犯人だったし、いったいあの政権はどうなっておるのだ(違)。
エイデンは犬が苦手らしく、マックが最後にドッグショーに誘うのはステラ。人間関係も人物としての描き方も、近すぎず遠すぎずといった距離感が見ていて心地よい。
冒頭に引用した “Some days you're the dog, some days you're the hydrant.” というのは、ラストシーンで賭けに勝ったステラがマックに言うせりふなのだが、最初この意味がどうしてもわからず。犬と消火栓(hydrant)の間にいったいどういう関係が? と謎だった。いろいろ検索してみた結果、どうやら犬と消火栓というのは、日本でいう「犬と電信柱」のような関係であるらしい……。つまり、「引っかける側」になる日があれば「引っかけられる側」になる日もある、ということなのね。 今回は、マックが消火栓ということで。
ステラは、バイクメッセンジャーの暴走に腹を立てて犯行に及んだ男を逮捕した直後、猛スピードで駆け抜ける自転車に怒り “Son of a bitch!” と暴言。「な、殺したくなるだろ?」とか言われてるし。