Table of Contents
CSI: NY - Season 2, Episode 5
#28 Dancing with the Fishes
- 邦題:「ダンス&フィッシュ」
- 脚本:Eli Talbert
- 監督:John Peters
- 初回放映:2005-10-26
Death by swordfish. Man, I love being in the field.
事件概要
キア・ロウ殺害事件
マック、ステラ、フラック刑事担当。車のフロントガラスに、突然若い女性の身体が激突した。名前はキア・ロウ。最初は自殺かと思われたが、遺体の腕にはナイフによる防御創があった。足の形から、キアはダンサーとわかる。足の裏には、ガラスを踏んだような傷跡があった。また、本人の物ではなさそうな爪の欠片が採取される。
ダンススクールのキアのロッカーを調べると、靴の中に細かいガラスの破片が入れられていた。入れたのは同じスクールに通うシェイナで、彼女は自分のロッカーにナイフを入れていた。シェイナはダンスの講師がキアを気に入っていることに嫉妬して靴にガラスを入れたことは認めたが、ナイフから血液反応は出なかった。また、キアが持っていた宝くじのチケットは、1700万ドルの当たりくじであることがわかる。
ここでリンジーが担当している事件との関連が判明し、2チームの捜査は合流することになる。
ハロルド・クレイヴン殺害事件
リンジー担当。被害者はトラム(ロープウェイ)の運転手で、前夜に運転していたトラムの車両内で死んでいたのを、朝になって乗客が発見した。窓枠には血痕が残されていた。
その血痕は、マックとステラが担当する事件の被害者、キア・ロウのものであった。
* * * * *
キアの身体に付着していた爪のミトコンドリアDNAは、ハロルドの爪の中から採取した組織と同じ男性の物だった。また、ハロルドの首にはジェル状の物質が付着していた。キアは事件の夜、ダンススクールの家に言ったが、結局講師の誘惑をはねつけてトラムで帰宅したという。講師のDNAは、爪から検出されたものとは不一致だった。
ハロルドの首に付着していた物質は、匂いを感じる神経にはたらきかけ、悪臭を良い匂いに変える物質だった。これはまだ市場に出ておらず、ハロルドの義兄ヴィンセント・ウィリアムズがゴミ収集所でモニター使用している物だった。ヴィンセントは、ハロルドが妻ヴィヴィアン(ヴィンセントの妹)を殴っていることを知り、ハロルドを殺害。通常は乗客がいない時刻だったが、運悪くそこにキアが来合わせ、犯行を見られたヴィンセントは彼女をも殺したのだった。
だがリンジーは、ヴィヴィアンの痣がメイクによる贋物だと気づいていた。ヴィヴィアンは、自分が殴られれば兄が夫を殺すだろうと知っていた。仕事中に死亡すれば自分は年金を受け取れる、と思ってのことだった。
フレッド・ベイリス殺害事件
ダニー、ホークス担当。ブロンクスの路上で刺殺された男がいた。周囲には魚のにおいがたちこめ、傷の周囲には何かの小さな破片が付着していた。その破片はメカジキの上皮の一部(ウロコ?)。被害者を刺した「凶器」は、メカジキの長く伸びた鋭い上あご(吻)と思われた。被害者の身元は魚の卸売業者フレッド・ベイリス。被害者が働いていた市場ではメカジキを扱っており、人間の血痕も見つかったが、メカジキの吻に血液反応はなかった。
ダニーとホークスは、その市場から出荷されたメカジキを追ってレストラン “Gibson's” へ行き、血液反応が出たメカジキを発見する。フレッドが魚の取引をめぐるトラブルを抱えていたことがわかるが、犯行につながる証拠は見つからない。フレッドの靴に入っていた砂は、ハワイのプライベートビーチの砂だった。NYでその砂が存在するのは、フレッドの息子が通う有名幼稚園の砂場。そこは志望者100人のうち20人しか受け入れないという狭き門で、砂は寄付されたものだという。
メカジキのエラに付着していた繊維は、“Gibson's” のオーナー、リチャード・ダリーの車に使われている物だった。ダリーは幼稚園にハワイの砂の砂場を寄付したが、子どもは不合格。その一方、リチャードが推薦状を書いたフレッドの息子が合格した。それが元で争いになり、ダリーはフレッドをメカジキの吻に突き飛ばして殺害したのだった。
感想
タイトルの「魚と踊る」って何のコッチャと思っていたら、「魚で殺した」事件と「ダンサーが殺された事件」だったってことなんですかね? それにしてもトウシューズに画鋲(違)とは、何と古典的な。
今回、事件は3つかなと思っていたら、前回と同じように2つの事件が1つにつながるパターンだった。リンジーがなかなか登場しないのでお休みかと思ってしまった。
リンジーの(そしてマックとステラの)事件はロープウェイの車両が舞台。ロープウェイというとハイキング客が利用する登山電車を思い浮かべるのだが、ニューヨークでは街中にあるらしい。マンハッタン島とルーズベルト島を結んでいて、映画「スパイダーマン」にも登場したらしいんだけど、覚えてないよ。 (^^; グリーンゴブリンと闘った場所と言われて、何となく思い出したけど。
この事件は、真相がわかってみれば単純な事件だったが(宝くじは結局レッドヘリングだったのねぇ)、ドラマの展開はスピーディに感じた。それは、実際の展開がというより、ダンスのシーンや、新顔の検死官(今回初登場ですネ)が早口でぺらぺらとまくしたてるシーンや、ステラが軽くステップを踏んでみせるシーンでの、映像が持つ「勢い」のせいかもしれない。テンポ良く踊りまくるダンサーたちの後ろで、黙々と証拠を探すマックの姿が何だか面白かった。
ホークス先生はダニーと初顔合わせ。メンバーが4人から5人に増えると、急に組み合わせのバリエーションが豊かになるような気がする。前シーズンの後半は同じ組み合わせばかりだったからかな。ダニーが相手だと「新人と先輩捜査官」という感じはあまりしない。魚の皮膚組織についてしゃべくる先生にダニーが “In English, Doc.” と言うところは、シーズン1「3つの偶然」でのエイデンとドン・フラックの漫才を思い出した。
メカジキ殺人、ロープウェイ、匂いを変えるジェルといった奇抜な要素や「ご当地名物」や最先端技術が登場するのは、NYの特色かも。ただ、そういう目新しい要素を取っ払った後に残るストーリーは? というと、正直なところ、それはいささか物足りないと言わざるを得ない。NYはやっとシーズン2、素材の奇抜さでネタ切れをカバーするにはまだ早いのではないか。