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CSI: NY - Season 2, Episode 9
#32 City of the Dolls
- 邦題:「シークレット・ドール」
- 脚本:Pam Veasey
- 監督:Norberto Barba
- 初回放映:2005-11-23
Dig deeper.
事件概要
ラッセル・マカリー殺害事件
マック、ダニー、リンジー、マカ刑事担当。壊れた人形を修復する「人形の病院」で、ドクター(修復師)のラッセル・マカリーが死亡していた。手の動脈を切られたためのショック死で、もう片方の手は「シークレット・ソフィー」という名の人形を握りしめていた。現場にあった磁器の破片を集めて復元したところ、マカリーの動脈を切ったのは、人形の腕の破片であったことがわかる。
ソフィーはメッセージの録音・再生機能がある人形で、持ち主はアビー・ドレイクという少女。母モニカによると録音機能が故障したために「入院」させたという。録音内容を再生してみると、アビーが「2人が裸でキスをしていた」と吹き込んでいた。だがアビーはそれが誰のことなのか、言おうとしなかった。
人形の腕にのこる指紋は身元不明だったが、指紋の中からは宝石の加工に使う物質が発見された。モニカは高校の教師で、授業でその物質を使っていた。モニカは事件の夜にはPTAの会合に出席していたというアリバイがあったが、自宅の玄関の外には、血のついた人形の目玉が落ちていた。
マックは現場の写真から、何者かが2階の窓から侵入した可能性に気づく。人形を搬送しに来たトラックが裏口に止まっている間に、何者かが屋根に上って2階に侵入したのだ。現場に残る物質から、侵入者は高校生のルーク・フィッシャーと判明。ルークはモニカの愛人だったのだ。マカリーは人形を修理した時に秘密を聞いてしまい、内容から心配になってモニカに電話をかけた。秘密を知られたモニカはルークに命じて人形を盗ませようとした。だが揉み合いになってルークはマカリーを殺してしまい、パニックを起こしてモニカの家へ逃げ戻ったところで目玉を落としたのだ。
ローレン・レッドグレーヴ殺害事件
ステラ、ホークス、フラック刑事担当。ローレン・レッドグレーヴという女性が自宅のベッドで死亡しているのを、隣人が発見した。翌日の予定表があったことから自殺ではなく、また前日にローレンが他の女性と口論するのを隣人が聞いていた。ローレンは胃がんを患っていたが、病死ではなく毒殺の可能性が高かった。
部屋には発泡スチロールのカップがあり、そのロゴにあるカフェを訪ねると、ローレンはその店のウェイトレスだとわかる。病気で休んだので、ダーシーがスープを持って行ったところ、ローレンは「野菜には農薬、カップには化学薬品、私を殺す気?」と怒ったという。実際、ローレンの部屋の他の食物はオーガニックフードばかりだった。だがローレンの死因は砒素中毒。ステラとホークスはローレンのアパートを捜索し、ティーバッグに砒素を混入した形跡を発見する。
そのティーバッグは、隣人ハリー・エリスが経営する店で売られたものだった。砒素が入っていたのはローレンのお茶だけ。エリスはローレンのアパートを欲しがっており、前の持ち主がローレンを気に入り、彼女に遺産として部屋を譲ったことに腹を立てていた。
ティーバッグからは砒素の他に樹脂が検出される。それは、ヴァイオリニストである隣人のデイル・ストレイカーが使うものだった。ローレンの予定表には「デイルに7.95ドル渡す」というメモがあった。それはティーバッグの値段だったのだ。デイルは妻が妊娠したため、ローレンを殺害してアパートを手に入れようとした。ステラはデイルに、ローレンの余命はあと数ヶ月であったことを告げる。
感想
どちらの事件も「んー何だコレは!?」という印象。ミステリとしていまいち弱いうえに、こんな動機では。
マックの事件は、導入部分が良かったと思う。雪のニューヨーク、雪玉をぶつけて悪さしていた若者が、偶然に逃げ込んだところで遺体発見。しかも山のような壊れた人形たちに囲まれて――というインパクト。この家はいったい何? と思ったら「人形の病院」とは。子どもたちが人形を連れて来る「外来」もあるようだが、それにしちゃ怖すぎじゃないか? 人形を裸でぶらさげたり生首状態で並べてたり……。サイコホラー風味だった前シーズン初期の頃を思い出した。
うーん、でも動機が「母親の秘密」ではちょっと……。保護者なんだから、何も盗まなくても引き取りに行けるのだし、適当にごまかしておけば良かったのにという気もする。「指紋の溝」の間から物質を検出する場面のCGは、すごいと思ったけど。しかし、これだけ拡大すれば、他にも色々な物質(粉塵とか)が山のように見つかったりしないのだろうか(それ言っちゃダメ?)。
ステラの事件も「こんな動機で?」という脱力感を禁じえない。マイアミはもうミステリだとは思っていないが、ベガスとNYには、やはりミステリとしての面白さを期待したいのだが。
今回は久しぶりにマカ刑事が登場。前シーズンではダニーと親しい様子を見せていたけれど、今回は別にそんな様子もないうえ、出番も少なかった。そういえばマックの出番もあまり多くなかったな……スケジュールの関係だけでなく、主役が一歩引いて他のレギュラー陣の出番を増やそうという意図があるのかもしれない。