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csi_ny:s02:039_cool_hunter

CSI: NY - Season 2, Episode 16

#39 Cool Hunter

  • 邦題:「獲物」
  • 脚本:Daniele Nathanson
  • 監督:Norberto Barba
  • 初回放映:2006-03-08

Well, they may never leave… but their culture and styles travel everywhere.

事件概要

ステイシー・アヴィダ殺害事件

マック、リンジー、フラック刑事担当。アパートの給水タンクの中で、ドアウーマンとして勤務していたステイシー・アヴィダの遺体が発見される。そのアパートでは、過去10年の間に6件も不審死事件があり、呪われていると噂されていた。被害者の腕にはガラス片の付着した切り傷、胸には注射針のような刺し傷があったが、死因は溺死。モルヒネを投与され、動けなくなった状態でタンクに投げ込まれたものと思われた。

ステイシーの傷に入っていたガラス片はステンドグラスの物。アパートの各部屋には、それぞれ異なるステンドグラスが装飾に使われており、該当するガラスはクレイグ・ジマーという医師が住む部屋のものだった。ステイシーの部屋に捨ててあったコンドームからはジマーのDNAが検出される。ジマーは医者なのでモルヒネも入手できる。写真のフレームにはステイシーの毛髪があり、タンクの外のプランターに残る足跡は、ジマーの靴と一致。すべての証拠はジマーを指しているかに思われた。

リンジーはダニーの協力を得て、ジマーの犯行の再現実験を行う。ジマーとほぼ同じ体格のダニーがリンジーを抱えてプランターを歩くと、現場で採取したよりも深い足跡が残った。改めて靴を詳細に調べると、内側からはステイシーのソックスと同じ繊維が発見された。ステイシーが自分でジマーの靴をはいてわざと足跡を残したのだ。

その建物で起きた不審死事件の中には、ジマーがステイシーの娘の心肺蘇生をしようとして肋骨を折ってしまった事件があった。ジマーはモルヒネの依存症であり、薬物のために適切な処理が行えなかった。娘は折れた肋骨に心臓を刺されて死亡。その事件のすぐ後、ステイシーはそれまでの仕事を辞めてアパートのドアウーマンになった。ジマーにつながる証拠をいくつも残した上でタンクに身を投げ、彼を「殺人犯」に仕立て上げることで娘の復讐を果たそうとしたのであった。

ベン・ハットフィールド殺害事件

ステラ、ダニー、ホークス担当。ワシントン・ハイツの公園でベン・ハットフィールドという若者の遺体が発見される。顔にはいくつも痣があり、首には鎖が巻かれていた。近くの砂場にはまだ新しい血痕。遺体の様子から、ボクシングの心得のある者に殴られ、その数時間後に絞殺されたものと思われた。被害者の持っていたカメラ付き携帯電話には、同じ女性の写真が何枚も入っていたが、被写体のジェニファー・ロドリゲスはベンのことを知らなかった。ベンはNHT(Next Hot Thing)という会社でファッションのトレンドを追いかける「クールハンター」で、ジェニファーのスタイルに注目していたのだ。

ベンの写真から、ジェニファーに話しかけていた男の身元が判明。ジェニファーは「コーヒーをおごってもらっただけ」と言うが、その男エリオット・スタントンはNHTのライバル会社の人間で、やはりジェニファーに目を付けていた。エリオットの顔や首にも痣があったが、直接事件と結びつけるだけの証拠はなかった。

ダニーはワシントン・ハイツの近隣に住む若者とハンドボールで勝負して、エリオットがベンとともに現場にいたという目撃証言を勝ち取る。エリオットは争ったことは認めたが、自分が立ち去ったときベンはまだ生きていたと主張。

公園の砂場で発見された血液は、ベンでもエリオットでもなく身元不明だったが、DNAの特徴からドミニカ人であると思われた。関係者でそれに該当する人物は、エリオットの雇い主であるリコ・セルダだった。リコはベンを殺すためにエリオットを差し向けたが、エリオットにはそれができなかったため、リコが自ら手を下したのだった。


感想

NYがトラミス化しているのは、リンジーの功績も大きいかもしれない。マック以外のメンバーは皆地元育ちだから、怪奇スポットをめぐる「グレイヴライン・ツアー」なんて参加しそうにないもの。未解決現場や有名人が亡くなった場所をめぐるツアーらしいが、まぁNYくらいの大都会であれば材料には事欠かないだろう。私ならNYよりロンドンかヴェネツィアに行ってみたいけど。

マックの事件で久しぶりにシェイクスピアの引用が登場。ベガスではグリッソム主任と検死官のロビンス先生が時々やる。シェイクスピアの引用が似合うのは、ホークス先生よりもやはり今シーズンのハマーバック先生の方だなぁ。

ラストの構成は見事だったと思う。自殺したステイシーの恋人だった管理人と話をするマック、犯人ではなかったもののジマー医師に静かに、だがきっぱりと引導を渡すフラック、そしてステイシーの視点で現場を再現するリンジー。この三者の視点が重なって事件の真の姿が見えてくる構成もさることながら、愛する女性を突然失った相手に対して寄り添うように接するマックを久々に(本当に久々に!)見たような気がする。

それにしても、あのアパートではステイシーの娘を除いて他に5件の不審死がある(うち1件ではジマーの愛人が死亡)わけだが、他の件にジマーは関わっていないのだろうか。その点にもう少し踏み込んでほしかったかなぁ。

ステラの事件ではダニーがハンドボールの腕前を披露。そのかいあってスピード感のある軽快な印象が残るが、事件に注目すると、容疑者があがって現場にいたことがわかっても「直接犯行に結びつけることはまだできないから」と慎重。今回もラボのアダムがけっこう活躍していたような……。そういえばベガスとマイアミでは、指紋・トレース・DNAその他とそれぞれ担当が分かれているが、NYでは他にラボ技術者がいないのか、アダムが分析もやれば指紋も取るといった具合にマルチに活躍している。そのうちメンバーが増えれば専門家が出てくるのかな。いや、それよりDNA担当のジェイン・パーソンズはどうしたんだろう。たしかシーズン2にも出演していたはずだけど……。

そんなわけで、事件としては少々地味な気もするが、着実な証拠固めと懐かしいマックというCSI:NYらしいエピソードだったと思う。

Yoko (yoko221b) 2007-04-06

csi_ny/s02/039_cool_hunter.txt · Last modified: 2020-03-30 by Yoko