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CSI: NY - Season 2, Episode 20
#43 Run Silent, Run Deep
- 邦題:「沈黙の過去」
- 脚本:Anthony E. Zuiker
- 監督:Rob Bailey
- 初回放映:2006-04-19
You may walk on me once… but not twice.
事件概要
ボビー・マニング(殺害)/サルバドール・ザボ(自殺)
マック・テイラーのもとに「自分は昔、人を殺してジャイアンツ・スタジアムに埋めた」と告白する電話がかかる。電話の主はその直後に銃で自殺。それはサルバドール・ザボという人物で、車の中で頭を撃ち抜いて死亡していた。マックはザボの遺体を確認した後、ホークスとともにスタジアムへ向かい、ニュージャージーCSIの協力を得て遺体を捜索。やがて白骨状態になった遺体が発見される。その遺体は17~18歳くらいの少年で、「マフィアの処刑」スタイルで後頭部を撃たれ、そばには銃と煙草の吸殻が埋まっていた。
ザボの背中にはレーザーで消したタトゥーがあり、復元してみるとそれは「タングルウッド・ボーイ」という地元のギャンググループのタトゥーであった。そのグループとダニーの接点があったことから(シーズン1「タングルウッド・ボーイ」)、マックはダニーに対し、この事件にはいっさい関わらないようにと厳命する。
白骨とともに埋められていた銃を復元して試射したところ、それは少年を殺害した凶器であると判明。シリアルナンバーを調べてみると、15年前にソニー・サソーンによって盗まれたうちの1丁であった。
Fastscanで作成した複顔写真から、少年の身元は15年前に行方不明になったボビー・マニングと判明。そして吸殻のDNA結果を受け取ったリンジーは、それがダニーのDNAであることを知り驚愕する。リンジーはその結果を先にダニーに伝え、ダニーはマックの元へ行き事情を話す。
ダニーの兄ルイ・メッサーはタングルウッドのメンバーだったが、ダニー自身は仲間に加わったことはなかった。ただ1度、15年前にソニーたちがボビーをさらってスタジアムへ行こうとした時、彼らがボビーを殴るのを止めようとしたことがあった。だがダニーは兄に殴られてその場を去り、スタジアムまで一緒には行かなかった。なぜ自分の吸殻がそこに埋まっていたのか、ダニーには見当もつかなかった。
ルイはマックに対し、ボビーを殺したのはサルバドールで、自分はもうソニーとは無関係だと主張する。だがその後、ルイは何者かに襲われ、重傷を負って病院に運ばれる。
マックはその後煙草を吸って実験し、ルイが耳の後に吸殻をはさんでいたことを思い出す。ダニーが投げつけた吸殻をルイが拾い、後で吸おうと思って耳にはさみ、その後遺体を埋める時に落としたと仮定して矛盾はないが、積極的に証明する手段はなかった。
病院でルイの服を証拠として持ち帰ったリンジーは、内側にテープレコーダーが貼り付けてあったことに気づく。テープには、ダニーが殺人には関わっていないことと、撃ったのはソニーであることを示す会話が録音されていた。ルイは弟を守るために1人でソニーに会いに行って会話を録音したのだった。
ジム・ムーニー殺害事件
ステラ、ダニー担当。銀行の取締役ジム・ムーニーがホテルの一室で刺殺されていた。浴室の鏡には、ワセリンで “I caught you bitch. Get home.” というメッセージが書かれていた。
シーツに残る茶色の染料は、女性がストッキング代わりに足に吹き付ける「エア・ストッキング」であると判明。鏡に書かれていた文字を筆跡のデータベースと照合すると、数年前コンビニ強盗で使われたメッセージの筆跡と一致した。その事件ではニュート・グリックという男が起訴されていたが、現在は釈放され “Ultimate Date X-perience” というデートクラブの経営者になっていた。
現場に残されたエア・ストッキングは、UDXの女性のひとりメラニー・ステファノの物と判明。メラニーは事件当日はオフのはずだったが、UDXを通さず「フリーランス」としてムーニーと会っていた。ニュートはそれを知り鏡にメッセージを書いた。メラニーはそのメッセージを見て逃げたと主張する。
遺体の傷跡から、凶器はオイスターの殻をむくためのナイフと判明。メラニーの恋人のポール・サバチニはオイスターバーを経営している。レストランへ行き、ポールのナイフを見るとそこには血痕があった。ポールはメラニーを愛し、彼女がムーニーと逢引していることにショックを受け、男を刺したのだった。
事件解決後、ステラは恋人のフランキーから “Aresanob” と題する彫刻作品を贈られる。Aresanob とはペルーの言葉で「女性の魂」という意味だと聞かされるが、インターネットでその言葉を検索したステラは、それが “Bonasera” の逆つづりであることに気づく。そして彼女は aresanob.com というサイトを見て愕然とする――。
感想
タングルウッドの後日談がようやく!前シーズン13話の「タングルウッド・ボーイ」からもう1年以上、ずいぶん待たされましたね。というか、忘れてた……。ソニー・サソーンの再登場とともに、ダニーの家族とか少年時代のこととか、はからずも愛用の下着まで(3枚パック10ドルのBVD)明らかになった回だった。うーん、それにしても15年前のダニー……何歳だったのだろう。
前シーズンでソニーが「ダニー・メッサーのことはよく知っている」と言っていたが、ダニー自身が仲間だったわけではなく、仲間だったのは兄のルイの方。ルイの態度は、ソニーたちのような悪い仲間にダニーを近づけまいとするためだったようだ。ルイの名前が最初に登場したのは、「悲しき罠」で電話をかけてきた時だった。
このエピソードで素晴らしかったのは事件よりもやはりダニー! ダニーがルイと言葉を交し合う場面こそなかったものの、意識のないルイに話しかけるダニーの表情と口調で、本当は兄思い・弟思いの兄弟なんだな~としみじみ感じた。そしてその後の、マックのハグが! 幾多の言葉を費やすよりも雄弁なこの場面、もう何度繰り返し見ただろう(うっとり)。
ところで、病院でダニーが「パパとママが来る」と言っていた。ということはダニーとルイのママンはまだご健在。あれ、「疑惑の任務」でダニーはマックに “my mother's grave” にかけて誓う、と言っていたのに……まだ生きている人のお墓に誓った罪で逮捕しなきゃ、ドン。
さて、DVDは1枚4話収録なのでDisk5にはこのエピソードまでが入っている。なので、ここで一区切りにしようと思っていたらラストでステラが何か驚いている! こ、これは次のディスクを見ないわけにはいかないではないか!
このエピソードのタイトル “Run Silent, Run Deep” は、1958年の映画のタイトル(邦題「深く静かに潜航せよ」)。監督はロバート・ワイズ、主演はクラーク・ゲーブルとバート・ランカスターで、第2次大戦中の豊後水道での日米海軍の戦いを描いた作品――とのことなので、内容はたぶん関係ないんじゃないかなぁ……という気がする。見てないけど。