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CSI: NY - Season 3, Episode 11
#58 Raising Shane
- 邦題:「レイジング・シェーン」
- 脚本:Zachary Reiter, Pam Veasey
- 監督:Christine Moore
- 初回放映:2006-11-29
事件概要
ケリー・ジョーンズ&氏名不詳男性
閉店後のバーに強盗が押し入り、金を奪ったうえバーテンダーのケリーを射殺して逃走。用心棒のニックが犯人の人相特徴を説明し、近くにいた男が逮捕されるが、それはシェルドン・ホークスだった。ニックはホークスを見て「彼が犯人だ」と断言。ホークスの衣服からは発射残渣が検出され、ポケットにはなぜか盗まれた金も入っている。ホークスは、自分はただジョギングをしていただけで、金がポケットに入っていた理由は自分でもわからないという。
ホークスが逮捕されたため、マックのチームは捜査に関われなくなってしまい、ステラとダニーは別の現場へ向かう。覗き部屋で男性客が死亡しており、過剰摂取による事故死とも思われたが、下着姿で衣服がなかったこと、鼻腔に銃の火薬らしい痕が認められたことが不自然だった。
ホークスの手に発射残渣があった理由は、銃を試射したためであると考えられた。彼が何者かに罠にはめられたと仮定して事件を検証するうちに、マックはこの事件がイアン・ケイシーの事件とそっくりであることに気づく。弟のシェーンは兄の無実を信じていた(「見せしめ」)。そして、当時検死官として事件を担当していたホークスを同じ状況に追い込もうとしたと考えられる。
案の定、ライカーズで勾留中のホークスのもとへは、弁護士になりすましたシェーンがやって来る。ホークスは「指名手配中の殺人犯だ」と看守に言うが、ホークスを犯人と思い込んでいる看守は取り合わない。その後、マックが訪れて話し合ううち、ホークスはジョギング中に酔っ払いとぶつかったことを思い出す。その酔っ払いが実はシェーンで、ホークスのポケットに札束をこっそり入れたと思われた。
マックはシェーンに呼び出され、グランド・リージェントへ向かう。シェーンは、ケリーを撃った銃を遠くから見せ「ホークスの無実を示す証拠がほしければ、兄の無実を証明しろ」と要求。
改めてイアン・ケイシーの事件資料を見たダニーは、殺害されたバーテンが着けていた指輪が、覗き部屋で発見した指輪と同じものであることに気づく。さらに調べてみると、ケリーの銃創に付着した火薬と、覗き部屋で死んだ男性の鼻腔にあった火薬は同じものであった。
シェーンは、ホークスを陥れるために彼の行動を追跡し、その夜近くをジョギングすることを知っていた。そして人相の似た男性を雇って同じ服装をさせ、バーで強盗をはたらくよう命じた。その後、覗き部屋で彼を殺害し、衣服を奪い、金をホークスのポケットに滑り込ませた。その際に、兄の遺品の指輪を現場に落としていたが、それは実は殺されたバーテンからイアンが奪い取った物で、イアンは本当に犯人だったのだ。
シェーンは、イアンの事件現場であるバーにダニーを呼び出し、もう一度現場を調べ直せと強要する。ダニーは証拠品の指輪を見せ、シェーンを説得。シェーンはその場で逮捕され、無実とわかったホークスは無事に釈放される。
感想
シェーン・ケイシー復活! 今回は兄の事件を再現してホークスを陥れる。そのために生活習慣を調べ上げていたというのだから、前回逃亡してからずっとホークスを狙っていたのだろう。イアンが有罪になった責任はホークスより弁護士の方だと思うが、これは復讐ではなくマックたちに要求をのませるための、いわば「人質」だったのだろう。冷静さを失うホークスやマックの姿が、意外に新鮮で良かった。
標的になったのはホークスだったが、今回はむしろダニーエピ。ホークスエピはむしろ、「死の天使に乾杯」の方だったように感じる。仲間が大変な時なのにエロビデオに気を取られたり、本当はいけないのに証人に会って話を聞いたり(証人に影響を与えた、と判断されれば、この人の証言全体が証拠から排除されるかもしれない)していたが、最後は無事にシェーンを説得して逮捕。ダニーのお兄さんの話、シェーンはちゃんと覚えていたんだね~。
そんなこんなで、前回の「見せしめ」の凝りに凝ったメッセージの手法と比べるとかなり普通に、というかストレートになったシェーン・ケイシーの事件は一件落着。
結果的にイアンが有罪だったという結論は正しかったと思うのだが、イアンを起訴した時の検察側の証拠はやはり不十分ではなかったか。本来なら目撃証人ひとりの証言では弱いので、何か物的証拠を探したはず。それで指輪に気づかないのは手抜きだし、弁護人はそこを突いて「合理的な疑いあり」と主張しなければならなかったのでは。
それにしても、ボコボコにされて病院に運ばれたルイのその後はいったい……。