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CSI: NY - Season 3, Episode 19
#66 A Daze of Wine and Roaches
- 邦題:「ワインと異常な愛情」
- 脚本:Timothy J. Lea, Daniele Nathanson
- 監督:Oz Scott
- 初回放映:2007-03-21
事件概要
シモーヌ・ド・リール
マック、ステラ、ホークス、フラック刑事担当。国連ビルで開催されたチャリティパーティで、フランス人のシモーヌが死亡する。そのパーティは名門ピアポント家の令嬢で15歳のイーヴィが主催したもので、シモーヌはイーヴィと親密だったフランス語教師。マック、ステラ、ホークスが捜査を始めるが、シモーヌが国連の通訳だったため、ジェラード警視は「外交問題に発展する」と捜査を中断させる。その後、シモーヌのビザが切れていたことがわかり、「すでに国連職員ではない」とマックが捜査権を奪い返し、ジェラードと対立。
シモーヌはイーヴィの射撃コーチだったチャールズ・クーパーと恋人関係にあったことがわかるが、チャールズは2日前に銃で死亡。その件は自殺と判断されていたが、改めて精査してみると、チャールズが使用した銃にシモーヌが触れたことや、チャールズの部屋に脅迫状めいたメモが残されていたことがわかり、シモーヌの就労ビザの件で2人が争っていた可能性が浮上する。さらに、シモーヌ名義の口座にはピアポント家からの不審な入金の記録も残されていた。
イーヴィの世話係である児童心理学者はイーヴィを “little witch” と呼び、ステラはイーヴィの涙を分析して「感情の涙ではない空涙」と判断する。
シモーヌの現場にあったチョコレートの包み紙に注射針を刺した痕跡が見つかり、毒殺が疑われるが、血液から毒物反応は検出されず、代わりに最先端の薬物伝達システムとして使用される樹脂上ポリマーが発見される。毒物が検出されなかったのは、まだデータベースに載っていない物質であったためと思われた。ポリマーは、イーヴィの父親が経営する会社が特許を申請している物で、調べてみると出願用のサンプルが1セット紛失していることがわかる。
ピアポント家の弁護士のルーサーは、外国人であるシモーヌのために銀行口座開設の便宜を図ってやり、それを横領に利用していた。シモーヌはそれを知ってルーサーを恐喝。ルーサーは彼女の殺害を決意する――ルーサーは、イーヴィが周囲の人間を操って殺し合いをさせたことを示唆するが、それを証明する手立てはなかった。
アレック・グリーン
ダニー、リンジー、フラック刑事担当。レストランのワインセラーで、新進シェフのアレック・グリーンが、ワインのコルクスクリューで胸を刺されて死亡する。現場にはワインのボトルを投げつけた形跡があり、遺体の口には生きたゴキブリがもぐり込んでいた。
そのゴキブリは、エメラルドやルビーを飾りつけた「コックローチブローチ」で、クラリッサ・エヴァーズという女性に贈られた物だとわかる。クラリッサは辛口のグルメ評論家で、アレックの料理を何度もこきおろしたことがあった。その日もゴキブリのことで争ったことがわかっていたが、クラリッサは関与を否定し「殺さなくても私の批評だけで彼は死んだも同然」と主張。さらに、ワインのボトルを投げた跡も、偽のワインを卸した業者と争ったためであり、殺害とは無関係とわかる。
結局、証拠品として採取した物の中に乳がん検査のマンモグラフィーに使用する鉛のニプルマーカーが含まれていたことがわかり、ウェイターのグレッグ・サンフォードの関与が判明する。グレッグはそれまで病院の放射線科に勤めていたのだ。ゴキブリをこよなく愛するグレッグは、アレックがクラリッサのゴキブリを殺そうとしたことに怒り、彼を殺害したのだった。
感想
またコス(略)またセ(略)また変(略)
冒頭のギロチン場面、切断大好きなNYのことだからもしや……と思ったが、さすがにギロチン模型の刃が本物になっていることはなく、毒殺。
こちらの事件、結局チョコレートに毒を入れたのは弁護士のルーサーだった、ということなのだろうか。イーヴィが周囲の人間を操って――というが、ビザの更新を怠ったり会社の金を横領したり口論に銃を持ち出したりしたのは、やはり本人たちの責任ではないのか。操られたとしても、そりゃ操られた方の責任だと思うのだけど。
「ソシオパスは違法ではない」という、そのとおりなわけで。イーヴィが積極的にお膳立てしたことが証明できれば、criminal facilitation くらいには問えるのだろうか?
ソシオパス少女よりも、今回のインパクトはやはり、コックローチブローチの方だろう。マダガスカルナキゴキブリといえば、ベガスの主任がレース用に飼っていることで有名だが、NYでは何とブローチに……!
いや100歩譲ってコックローチブローチ自体は認めるとしよう。これがスカラベならよくあるモチーフだし、蝶だって虫だと思えばわからなくもない。でもそれは、死んだやつを樹脂で固めるとかした場合の話だよ。生きて動いてエサも食べればフンもするような代物をくっつけてレストランに行くのはやめてええぇぇぇ
しかもウェイターのあの部屋はっっっ!
ウェイターの「グレッグ・サンフォード」というネーミングは、カフカの『変身』に登場するグレゴール・ザムザを意識したものではないかと言われているが……いやもう、不条理ですわね。