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CSI: NY - Season 4, Episode 13
#84 All in the Family
- 邦題:「絆」
- 脚本:Wendy Battles
- 監督:Rob Bailey
- 初回放映:2008-01-23
事件概要
エミリー・ミラー、ウィリアム・リヴァートン
花屋で花を選んでいた女子学生のエミリー・ミラーが散弾銃で撃たれて死亡。傷口には、なぜか他人の歯の欠片が入っていた。凶器の銃は近くのビルの日よけに挟まっていたところを発見される。状況からみて、何者かがビルの屋上から散弾銃を投げ捨て、銃が落ちるときに暴発してエミリーの命を奪ったものと思われた。
捜査中のフラックは、2つ先のビルで別の殺人事件があったという連絡を受けて現場へ向かう。そこでは家裁判事のウィリアム・リヴァートンが顔中を殴打されて殺害されていた。その後の調べで、エミリー・ミラーの傷口にあった歯の欠片はリヴァートン判事のもので、発見された散弾銃は片方の銃身が動作不良を起こしていたことがわかる。つまり犯人は、判事宅に侵入し、散弾銃で射殺しようとしたが撃てなかったため撲殺し、その後2つ先のビルから銃を投げ捨てたものと思われた。
同じアパートの住人や、判事から不利な離婚裁定を受けた者など、動機を持つ者が見つかるが、いずれもシロ。娘のマディソンは、両親の離婚で父親を恨んでいたという動機があった。発見者はマディソンとボーイフレンドのジェイク、その弟チャーリーの3人。だがジェイクとチャーリーは、犯行当時映画館にいたというアリバイがあり、返り血を浴びた様子もなかった。現場に落ちていたナプキンには、犯人のものらしい掌紋が残っていたが、それは関係者の誰とも一致しない。
ホークスは、犯人の「掌紋」は実は裸足の足跡の一部ではないかと思いつく。裸で犯行に及び、犯行後にシャワーを浴びれば返り血を消すことができる。その前提のもとに証拠を調べ直すと、判事宅の浴室からはポップコーンのトッピングが付着していたことがわかり、また散弾銃から検出された塗料は映画館の非常口の物とわかる。つまり兄弟は、映画館でポップコーンを買った後、非常口からこっそり抜け出して犯行を行い、シャワーを浴びて映画館に戻ったものと思われた。
改めて兄弟の背景事情を調べると、リヴァートン判事が2人を里子にする決定を下していたことがわかる。父親は生活のために必死で働いていたのだが、一方的に「育児放棄」と決め付けられ、里親家庭で苦労した兄弟は判事を恨んでいた。そして3ヶ月前に父親が死亡したため復讐を思い立ち、ジェイクはマディソンに近づいて家の合鍵を手に入れ、判事が自宅で1人になる時間を狙ったのだった。
オリー・バーンズ(未遂)
リンジーはダニーが出勤せず連絡もつかないことを心配してフラックに相談する。フラックはダニーの自宅へ寄るが姿はない。強盗犯オリー・バーンズの保釈金業者の所へ行ったらしいとわかり、そこへ向かったフラックはダニーを発見。ダニーは、ルーベンの母親リッキに銃を取られたこと、リッキがオリーを狙っていることを話す。ダニーはルーベンの死に責任を感じており、このうえリッキまで犯罪者にすることはできないので、報告せずに何とか自分で彼女を探し出そうとしていたのだった。
リッキは案の定オリーを撃とうとするが、直前にダニーが割って入り説得。フラックの尽力によりリッキは罪に問われずにすむことになった。フラックはダニーに「自分を責めるのはよせ」と言うが、ダニーは自分を許すことができないのだった。
感想
花屋で花を選んでいたら、たまたま投げ捨てられたショットガンが暴発し、たまたま弾道に立っていたために死亡。ああ人の命って何てあっけないんだろう……。innocent victim という言葉があるが、あまりにもinnocentすぎる。彼女の死を、あの兄弟にもうちょっと突きつけてやっても良かったのでは。
さて、今回のメインプロットは判事の事件になると思うのだが、サブプロットのダニーの事件の方が印象が強い。前々回だったか、「危険な遊び」で死亡したルーベンのことで、やはりダニーは責任を感じていたようだ。ルーベンを失い、かつリッキまで犯罪者にしてしまっては……と必死なダニーと、ダニーを支えるドンのやり取りが良かったなぁ。ダニーとリンジー、今どういう関係になっているのかよくわからないが、こういう場面はやはり、ドンが相手でなければいけないような気がする。
それより、マックはどうしたんだ? ダニーの不安定さに気づいているのかいないのか。リンジーの言葉をどこまで信じたのかもよくわからない距離感。そのうちオリー・バーンズのルートから本当の事情はわかってしまうかな。シーズン2の「沈黙の過去」を思い出すが、あの頃とはやはり別のドラマになってしまったのだなぁと改めて納得。