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CSI: NY - Season 5, Episode 20
#112 Prey
- 邦題:「追いつめられて」
- 脚本:Wendy Battles, Noah Nelson
- 監督:Marshall Adams
- 初回放映:2009-04-08
事件概要
マーシャル・バクスター
ボイストレーナーのマーシャル・バクスターが劇場の稽古場で射殺される。何者かが遺体を撮影して警察の情報提供ラインに画像を送りつけたのだ。そのメールの発信元はネットカフェで、使用されたパソコンまではわかったが、不特定多数のユーザーが触っているため、指紋やDNAサンプルの特定は困難。
現場からは南太平洋の火山灰とヒマラヤのヤクの毛が発見される。銃弾は傷口から取り出されていた。検死の結果、発見時の肝臓の温度と死後硬直の状態が符合しないことがわかる。現場の空気の二酸化炭素レベルが高かったことから、何者かがドライアイスを使って故意に被害者の体温を下げたことがわかる。犯人は死亡時刻が誤認されるように遺体の温度を下げ、その効果が有効な間に遺体を発見させるために写真を送ったものと思われた。
ステラは一連の証拠を見て、2ヶ月前にチェルシー大学で科学捜査の講義をしたことを思い出す。そこで過去に扱った事件をいくつか例に挙げたのだが、それらの事件の証拠がそっくりそのままこの事件の証拠に当てはまる。受講生の誰かが、その知識を悪用して捜査のかく乱を狙った可能性が考えられた。
バクスターには「オデッサ」という恋人がいたらしいとわかるが、受講者リストの中にそれらしい名前はない。ただし、登録せずに聴講する学生もいるため、何とも言えない。
バクスターの自宅からは、女性を隠し撮りした写真が大量に発見され、彼が悪質なストーカーだったらしいとわかる。被害者のひとり、キャリー・ラングドンは接近禁止命令を取ったが、その後に自殺。バクスターからボイストレーニングを受けた後、恋人だと思い込んだ彼から執拗に追い回され、恐怖から立ち直れずに飛び降り自殺してしまったのだ。
もうひとり、デイナ・メルトンという女性も同じような経緯でストーキングの被害に遭い、接近禁止命令を取っていたことがわかる。デイナの供述テープを聞いたステラは、自分が講義した時に質問した女性であることを思い出す。そのデイナこそが、バクスターが一方的に「恋人」と呼んでいたオデッサだった。
デイナはバクスターから逃れるために、自分の痕跡を消しながら逃げ回っており、住所を突き止めて踏み込むと、そこはすでにもぬけの殻。だがデイナが歌手としてステージに立っているクラブがわかり、そこで逮捕される。
感想
殺害された被害者の写真を撮ってわざわざ通報する人物。挑戦的な犯人なのか、関わりたくない目撃者なのか……と思っていたら、狙った時刻に警察に発見させるための工作だった、という真相が面白い。一見脈絡のない微細証拠のつながりを探していくと、それはステラだった。
ステラがチェルシー大学で特別講義をしたのは、以前に登場したパパコタ教授からの依頼だったのだろうか。受講者リストも教授から渡されていたし……。でもこの先生、歴史学とか考古学の先生ではないのだろうか。専門は? と疑問に思わなくもないが、考古学も科学捜査も「残された証拠から状況を再現する」という手法は共通しているように思う。
言及された過去の事件は次のとおり。エピガイを読み返してみたけど、微細証拠の詳細までは書いてなかったのでよく思い出せない。
- シーズン2「シークレット・ドール」
- シーズン3「偽りのミイラ」
- シーズン3「甦る悪夢」
しかし最後にホークスが「自白がなければ有罪は難しい」と言っちゃったのは、あれ良かったのだろうか。確かに証拠は間接的なものばかりなので、否認を貫けば無罪になる可能性は決して低くないとは思うのだが……。