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CSI: NY - Season 6, Episode 3
#120 LAT 40° 47' N/Long 73° 58' W
- 邦題:「コンパス・キラー」
- 脚本:Trey Callaway
- 監督:Matt Earl Beesley
- 初回放映:2009-10-07
事件概要
ダリオ・ゴンザレス、キャロル・ヒルクロフト
エリス島の老朽化した史跡で、夜間管理人のダリオ・ゴンザレスが首を吊った状態で発見される。「儲けようとするべきではなかった、すまない」と書かれた遺書が胸に留められ、一見すると自殺のようであるが、調べてみると他殺。ゴンザレスの妻は「朝早く夫と携帯電話で話したが、泣いているようで話は聞けなかった」というが、その時刻にはすでに死亡していたはず。検死の結果、首を絞めて殺害した後で遺体を吊るしたとわかる。
その後、ゴンザレスの携帯電話が発見され、別人のDNAが検出されるが身元不明。成分から、何者かの涙らしいとわかる。
被害者のポケットからは壊れたコンパス(方位磁石)が発見される。誰の指紋もなかったことから、被害者の持ち物ではなく、誰かが(犯人が?)わざわざ手袋をしてポケットに入れた――つまり犯人からのメッセージではないかと思われた。コンパスは19世紀に作られたアンティークで、針は南に固定されている。裏には「誕生日おめでとう、あなたのC.E.」という刻印があるが、イニシャルで略した表記は現代風なので、刻印を入れたのは最近のことと思われる。
遺書が書かれていた紙は、1964年のニューヨーク万博で大量に配布された便箋で、インクもその時代の製品。また、犯行に使われたロープには人工芝が付着しており、これも1960年代に作られたものだった。
マックのもとへ別のコンパスが郵便で送られる。消印はブロンクスで、針は北に固定。州の助成金で臨時に採用したヘイレンに分析させたところ、珍しい品種の蘭の花粉が検出される。その蘭を栽培しているブロンクスの植物園に行ってみると、そこには女性の遺体があった。
今回の被害者は40歳の裕福な未亡人、キャロル・ヒルクロフト。胸には「手紙を書くべきだった、すまない」という遺書があり、殺害方法はゴンザレスと同じで、さらに同じ靴跡も残されていた。口の中からは1960年代に使われたアスベストが発見される。
靴跡や殺害方法から考えて、犯人は長身で力の強い人物。涙を分析した結果、日光に当たらず顔は青白いはず。
その後、「被害者の夫」と名乗る男性がモルグを訪れたことがわかる。だがヒルクロフトの夫はすでに死亡しているはず――マックはモルグに駆けつけるが、「夫」はすでに帰った後だと言う。その人物が立っていた場所を見ると、そこには第3のコンパスがあったが、針は固定されておらず、くるくると回り続けるだけだった。
感想
今シーズンも連続殺人ストーリーアークがキター!
犯人の姿は映像で出ているが、身元も動機もまだわからない……いや、犯人と思わせておいて違うという映像的叙述トリックの可能性もあるかな。演じているのはスキート・ウールリッチで、「Law & Order: LA」のレギュラーになる1年前のお姿。
できれば解決篇を作らず、投げっぱなしで終わらせてほしいのだけど、それはちょっと無理だよね。しかしNYに限らずCSIでの連続殺人アークは、解決篇が残念になる傾向があるので……。少なくとも重要な点に矛盾がなく、なぜこれだけ大掛かりな犯行を行わねばならなかったかという動機に無理のない犯人像を描いていただきたいなと思う。
第1話で登場したやる気まんまんのヘイレンが再登場し、「予算がないなら見つけてくるわ」とばかりに、州の助成金を利用してパートタイム就職に成功。アダムは反感を隠さず「キュートで性悪な仕事泥棒」と呼んでいるが、さてどうなるか……。