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CSI: NY - Season 7, Episode 11
#151 To What End?
- 邦題:「ピエロの殺意」
- 脚本:Zachary Reiter, Pam Veasey
- 監督:Eric Laneuville
- 初回放映:2011-01-07
事件概要
ジーノ・クレシダ他
ベーカリーを経営するジーノ・クレシダが自分の店で射殺される。目撃者によると犯人はピエロの格好をしていたという。その日はクレシダの息子の誕生日で、ピエロを呼んでいたのだ。警官はその場でピエロを発見して取り押さえるが、周囲には同じ扮装のピエロが何人もいる。話を聞いてみると、「ピエロの扮装でチラシを配る」アルバイトの募集があり、指定と同じ格好をすれば報酬が増額されるというのだ。
ピエロの顔は、NYピエロ登録センターに商標として登録されている。マックらは苦心した挙句にようやく情報を得て、その顔の登録者がスタン・リッジウェイであることを知る。だが自宅へ行ってみると、リッジウェイは頭を殴られ、縛られていた。配達を装って来た男に殴り倒されたのだという。
どうやらその男がスタンに化けてクレシダの店へ行ったらしいとわかり、指紋を調べてみるとボビー・レントンという人物がヒットする。だがレントンは凶悪犯罪の前歴はなく、指紋が登録されたのも無賃乗車1件だけ。しかも「5年前のある日」を境に消息がふっつりと途絶えている。死亡や収監の記録もない――残る可能性は、証人保護プログラム。
アダムが指紋を照会したことがわかり、FBIのラス・ジョセフソン捜査官がマックのもとを訪れる。これが実はジョーの元夫。ジョセフソンは「レントンは州外の安全な場所にいるし、人殺しをするような人物ではない」と明言する。そもそもレントンの保護を求めたのはNYPDで、担当刑事はドン・フラックだった。
5年前、フラックはPCPの売人フォーリー兄弟を追っており、彼らの殺人を目撃したレントンに証言を頼んだのだ。レントンは報復を恐れて逡巡するが、結局フラックの説得に応じ、妊娠中の恋人に何も告げず、FBIの保護下に入ったのだった。
クレシダ殺害に使用された銃弾は、2日前にメンフィスで起きた殺人事件の物と一致。ジョセフソンは、レントンの潜伏先がメンフィスであったことを明かす。状況を総合すると、クレシダがレントンの居場所を知り、ヒットマンを送り込んだものの、レントンに返り討ちにあったものと思われる。おそらくレントンは、殺す前にヒットマンを拷問して依頼主の正体を言わせていたのであろう。
彼らのつながりに注目して調べてみると、クレシダのベーカリーはPCP製造所の隠れ蓑であり、クレシダはフォーリー兄弟のひとりの名付け親になっていたことがわかる。
レントンがはいていた靴とスタンの部屋で採取した痕跡から、レントンは火葬場に潜んでいるらしいとわかる。だがそこへは、ボビーからの合図を受けたフラックが一足先に到着していた。フラックはボビーを逮捕し、駆けつけたマックに「自分で連行する」と言って2人で車に乗る。そしてエインズリーと息子がいるダイナーへ向かい、しばし親子の対面をさせる。
感想
何話か前で「ジョーはシングルマザーなのか?」と思ったら、やはり離婚していたようだ。元夫のラスが登場。FBI捜査官で、しかもNY勤務? ということは、今後も登場させようという意図があるのだろうか。うーん、ジョーは確かに魅力的だし、うまく馴染んでいて良いと思うのだけど、ここまで来るとねー、さすがにジョーの個人描写はもうお腹いっぱい。ここまで矢継ぎ早に、しかも具体的に個人ストーリーを出してくるって、全CSIを通じても異例のことなのではないだろうか。
それはやはり、金曜日に移動したことで「そろそろ終了」感が漂い始めたからなのかなぁ……と、邪推してしまう。ゆっくりやろうと思っても、次シーズンはもうないかもしれないのだ。書きたいことは今のうちに書ききってしまえということなのかもしれない。
この元夫がまだジョーに未練たっぷりな様子(しかし家庭的な妻を求めるなんて、ジョーの魅力をわかっとらん!)で、本当にこの世界にジョーを嫌いな人は存在しないんじゃないだろうか……と思っていたら、感じの悪いピエロ協会のおっさんだけは例外だった様子。本当に感じ悪いけど、たまにはこういう人がいてもいいよね。
さて事件の方は「窮鼠猫を噛む」とはこういうことか、と思わせるお話。それにしても、ヒットマンを返り討ちにしただけでなく、ピエロを利用して偽装工作なんてどこから思いついた? しかも、ヒットマンを殺してから2日で情報収集してパーティやピエロの情報を集め、募集広告を出すなんて全部できるものだろうか。もしかして膝を撃たれたヒットマンが痛さのあまり
「よ、よせ! オレを殺しても次が送り込まれるだけだ、殺すならジョーイ・クレシダにしろ、そいつが黒幕だ! そうだ、いいことを教えてやる。明後日は息子の誕生日でピエロを呼んでいるから、そいつに変装していけば怪しまれずに近づけるぞ。ピエロの名前? そう確か……リッジウェイだ。ここまで教えてやったんだから命だけは、待て、撃つなー!(銃声)」
みたいなことを言ったのかもしれない。何だか最近、こうやって勝手に補完するのが楽しみになってきて困る。
最初の方に出てきた「銃は置いてけ、カノーリは持ってけ」(逆だったかも?)は、映画「ゴッドファーザー」の有名な台詞。NYでこの台詞が引用されるのはこれが最初ではないはず。サイト内での表記が一定していないが、イタリア風だと「カンノーロ(複数形がカンノーリ」、英語式に読むとnがつながって「カノーロ(カノーリ)」になるとのこと。