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CSI: NY - Season 8, Episode 5
#167 Air Apparent
- 邦題:「コートに描く夢」
- 脚本:Aaron Rahsaan Thomas
- 監督:Anthony Hemingway
- 初回放映:2011-10-21
事件概要
アンジェラ・ケリー
アンジェラ・ケリーという若い女性が自宅で刺殺される。刃物で10ヶ所も刺されており、扉には血文字で「HANK」と書かれていた。恋人のハンク・フレージャーは麻薬所持で逮捕され、3週間前に釈放されたばかり。ハンクは逮捕されるが、犯行を否定し「その時間には密売所でコカインをやっていた」というアリバイを主張する。バスケットボールのスター選手である弟のライリーは、兄に対して怒りを爆発させる。ハンクも元はバスケ選手だったが、怪我で夢をあきらめてから薬物におぼれていたのだ。
アンジェラの傷を分析した結果、力をこめて刺した傷が3ヶ所と、ゆっくりと刃先を押し込むように刺した傷が7ヶ所あったことがわかる。さらに、防御創は右半身に集中しており、これは脊髄が傷ついて左半身が麻痺していたためと思われた。しかし「HANK」の血文字は左手で書かれている。つまり、犯人は衝動的な犯行に見せかけるために注意深く傷痕を偽装し、さらにアンジェラの左手を使って血文字を書いたものと思われた。
傷口からはプラスチックの欠片が発見されており、調べてみるとホログラムが記録されていることがわかる。サプリメントなどを販売しているヘルスケア会社のロゴが入っており、その会社がアスリート向けに提供しているリストバンドの一部と思われた。
アンジェラの爪の中からは皮膚が検出されており、その主は同じ理髪店で働くニック、ブロントとわかる。ニックは「スカルプマッサージのモデルになっただけ」と主張するが、リンジーはニックがリストバンドをしていることに気づく。ニックはその場で逮捕されるが、隙を見て逃亡を試み、タクシーにはねられて昏睡状態に陥る。
殺害の実行犯がニックであることは証拠からも裏付けられるが、動機が不明。さらに、現場では身元不明の血痕も見つかっていた。
ジョーは現場で発見された紙片を洗浄して復元し、ライリーの進路を巡ってコーチのギャビンとハンクの間に対立があったのではないかと思いつく。ライリーのようなスター選手を得るために、大学からギャビンへ高額の報酬が送られることになっており、そのために兄が邪魔になったのではないか。さらに、ニックが着けていたリストバンドは、会社からスポーツチームに提供された限定品であり、ギャビンからニックに渡った可能性があった。
だが、それらの事情をハンクがいっさい口にしなかったのはなぜか――実はハンクはギャビンが黒幕であることを見抜き、自ら復讐しようとしていたのだ。ハンクはギャビンの姿を見てナイフを取り出すが、そこへ警官が現れてギャビンを逮捕してしまう。
ギャビンは、ニックを雇ってハンクの荷物に薬物を仕込み、通報するつもりだったと自供する。邪魔なハンクを排除するために、仮釈放が取り消させようとしたのだ。ニックはひそかに合鍵を作ってアンジェラの自宅に忍び込んだが、思いがけずアンジェラが帰宅したために争いになり、刺してしまった。連絡を受けて駆け付けたギャビンは、ハンクに罪を着せるために血文字を偽装したのだった。身元不明だった血痕は、その場でニックを口論して殴られた時の物だった。
ハンクは更生プログラムを受けることに同意し、弟と和解する。
感想
今回からダニーがCSI復帰し、何事もなかったかのように普通に捜査していた。前回があんな感じだったので、現場に来た制服組との間でぎくしゃくしないのだろうか……と心配もしたけれど、そういうのも一切なし。作り手さん側も、早く「元の体制」に戻りたかったのだろうか。
前回までのあれこれで「過去シーズンの出来事で、都合の悪いことはなかったことになる」のだろうと判断したが、フラックの妹の設定はまだ生きている模様。前回出てきたのがシーズン5なので、3年間忘れられていたことになるが1)、NYPDの広報担当に就職するようなので、また登場する機会があるのかもしれない。マックが記者会見する時に横で仕切るとか。
関係ないけど、NYPDの広報と聞いて思い出したのが、これ。
- NY市警の「ツイッター広報」裏目に、警官の暴力写真であふれる (AFPBB News 2014年4月23日)
事件の方は、めでたく真犯人がわかり、ハンクも弟と和解して良い感じに終わっていた。でもハンクはコカインをやっていたわけだから(薬物検査で陽性)、ギャビンが何もしなくてもどっちみち仮釈放は取り消しになっていたのだろう。無駄なことをしたばっかりに、無関係なアンジェラが殺されるという結果になってしまった。