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CSI: NY - Season 9, Episode 4
#184 Unspoken
- 邦題:「静かなる銃声」
- 脚本:Pam Veasey
- 監督:Duane Clark
- 初回放映:2012-10-19
事件概要
グラント・ハミルトン、エイミー・ムーア
上院議員の候補者、グラント・ハミルトンの演説会で銃撃事件が発生、ハミルトン候補が軽傷を負う。聴衆はパニックを起こし、たまたま現場に居合わせたリンジーは犯人と目が合うが、その後カートに激突され、怪我をして病院に運ばれる。
犯人は、路地のゴミ箱に銃を捨てて逃走。その銃を拾った子供が遊んでいるうちに発砲してしまい、少女が死亡する。
犯人はニュースでリンジーのことを知り、ナイフを手に病院に侵入するが、ルーシーの描いた絵を見て、思い止まったように病室を去る。
犯行に使われた銃の持ち主は、ハミルトン候補本人であると判明。ハミルトンは「半年前に泥棒が入ったので、盗まれたのだと思う。記憶があいまいで、届出は出さなかった」と言う。
ホークスは弾道を計算し、犯人の狙いはハミルトンではなく、壇上にいた別の人物だった可能性が高いと判断する。
リンジーは意識を取り戻し、「病室に誰かがいた」と話す。視界がはっきりせず、リンジーはダニーだと思っていたが、ダニーはその時ルーシーを連れて帰宅していた。ジョーとダニーは、病室に来た犯人が窓ガラスに指で「I'M SORRY」と書いていたことに気づく。
窓ガラスの指紋を調べた結果、犯人は学校教師のエヴァン・ウェスコットと判明。そして真の狙いは、来賓として集会に来ていた公立校の指導主事、ビヴァリー・マッコードらしいとわかる。マッコードは以前に公立校の校長をしており、教師だったウェスコットを一時解雇したことがあったのだ。
警察はマッコードを捜索するが、その頃マッコードはウェスコットにナイフを突きつけられ、閉鎖された劇場に連れ込まれていた。しかし携帯電話の電波から位置を突き止めた警察によって、ウェスコットは身柄を確保される。銃を拾った少年とリンジーも、面通しでウェスコットを確認。
ウェスコットは、校長のマッコードから「女子生徒に過剰に接触した」と非難され、そのせいで信頼を失ってしまい、彼女を恨んでいた。銃は、公立校への寄付金集めパーティーでハミルトンのビーチハウスに招かれた時に、たまたま見つけて盗んだ物。選挙演説会を狙ったのは、人ごみに紛れて逃げられるだろうと思ったからで、ハミルトンの集会で彼の銃を使ったのは、偶然の巡り合わせに過ぎなかった。ウェスコットは「自分は子どもを傷つけたりしない」と主張するが、彼が捨てた銃で少女が犠牲になったことを知ってショックを受ける。
感想
前半パートが一言の台詞もなく、音と映像のみで進行するという実験的な作品――のはずだけど、実は最初に見た時、後半パートで会話が始まった時に初めて、それまで台詞がなかったことに気づいたのだった(汗)。音楽を流しながら現場検証や検死の場面をゆったり流す、というのはいつもやっていることだし。実験の趣旨としては「この場面から台詞がなくなるとどうなるか?」というより「映像と音楽に依存するいつもの手法でどこまで行けるか」チャレンジのような気がした。次はぜひ「全編台詞なし」に挑戦していただきたい。NYならできる……って、もう終わっちゃったけど。
原題の “Unspoken” は、この台詞がないという手法を表したものだが、マックの名称失語症のことでもあるらしい。物の名前が出て来ないという症状で、もはや一過性の物とはいえない。地道に言葉のドリルを続けるしかないというのだが、どうもプライドが邪魔して身が入らないようだし、部下たちに隠したままでどこまで行けるのだろう――と、ちょっと暗い気持ちになってしまった。
完治しないのであれば、管理職になって「アレ持って来て」でわかってくれるアシスタントを雇えば――とか思うのだが、どうだろう。もしかしてそれでシリーズフィナーレ?
それはそうと、冒頭ではリンジーのバッグにも驚いた。乱雑に何でも詰め込むのであれば、せめて天ファスナーかフラップのあるバッグを使うべきなのでは。