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CSI: NY - Season 9, Episode 12
#192 Civilized Lies
- 邦題:「騙しのテクニック」
- 脚本:John Dove
- 監督:Jerry Levine
- 初回放映:2013-01-11
事件概要
マーク・ライリー
小切手の換金店が強盗に襲われ、そこで副業として警備員を務めていたマーク・ライリー巡査が銃で撃たれる。ライリー巡査は持っていた銃で反撃するが、頭部を撃たれてしまい、ERに運ばれるが死亡。
現場の近くで肩を撃たれた男が治療を受けていることがわかり、通報を受けたマックが病院へ急行。その男、アンソニー・ロンバードは現場付近にいたことを認め、「通りの向こうで事件を目撃したが、怖くなって逃げた。麻薬所持で逮捕状が出ていたため通報はしなかった」と主張。しかし傷口を見たホークスは、ロンバードの嘘に気づく。銃創は彼の供述よりももっと近い距離で、向かい合った状態で撃たれたものだったのだ。
マックとフラックはロンバードを署に連行し、「非番の警官が撃たれたが命をとりとめた」という記者会見映像をこれみよがしに流す。それは2年前に放送された別事件の映像だったが、被害者が生きていると思わせれば口を割るかもしれないという戦術だった。さらにあの手この手で尋問を続けるが、ロンバードは「自分は無関係」という主張を変えない。実際、防犯カメラの映像からは、ライリー巡査を襲う3人組の黒人の姿が確認されるが、ロンバードは白人。ロンバードらしい人物もカメラには映っていなかった。
ジョーたちはライリー巡査の衣服を調べ、エポキシ樹脂の付着した人工毛髪を発見。また、巡査の爪からはシリコンとラテックスが検出される。そこで令状を取ってロンバードの自宅を捜索したところ、黒人のマスクを発見。「3人組の黒人」のうち1人は、ロンバードがマスクをかぶって変装した姿だったのだ。ようやくロンバードも自分の犯行を認めるが、他の2人の正体については何も言わなかった。
犯行に使用された車が発見され、トランクからは「ムーキー」ことローランド・ベニーテスの遺体が発見される。共犯のうちの1人で、巡査に撃たれて失血死したものと思われた。マックはベニーテスの件は伏せ、ライリー巡査が死亡したことだけを告げて、共犯者の身元を明かせと取引を迫るが、ロンバードは「言えない。自分も家族も皆殺しにされる」と怯えた様子で口を閉ざす。
マックらは一計を案じ、ベニーテスに変装したアダムの姿を撮影し、過去の事件での取り調べ映像を合成して、ベニーテスがロンバードを裏切って取引に応じたように見せかける。昔から親しかったベニーテスの裏切りを見せつけられたロンバードは、殺害も自分のせいにされると焦り、ようやく家族を守るという条件で取引に応じて、3人目の犯人がエリック・ブレイロックであると自白する。
警察がブレイロックの自宅に急行して逮捕するが、ブレイロックの犯行を示す証拠は見つからず、ブレイロックもそれについては自信がある様子。
そこでマックはブレイロックとロンバードを同じ留置場に入れる。思惑どおり2人は言い争いを始め、ロンバードが「ムーキーが自分を売った」と言うと、ブレイロックは「ムーキーは撃たれて死んだ。おれは奴の死体を車のトランクに入れたんだ」と怒鳴る。彼らのやり取りは監視カメラにしっかりと記録され、今度こそ動かぬ証拠となった。
感想
冒頭の映像で視聴者をだます、マスクを使った変装で監視カメラをだます、過去のニュース映像を使って容疑者をだます、過去の取り調べ映像を編集して容疑者をだます、そして思わず犯行を口にする場面をこっそり録画。何重にも「だまし」が重ねられたエピソードだった。
被害者が死亡したことを知り、厳粛な面持ちでキットを持ち上げるジョーとリンジー、最後にライリー巡査のバッジを息子に手渡してあげる場面など、要所要所に良い場面はあった。あったのだけど……。
これは「CSI」のエピソードとしてふさわしいだろうか? と思うと少々しっくり来ない部分もある。やはりCSIは鑑識だし、鑑識は物的証拠がすべて!被疑者をだまして自白を得るのは別の番組に任せて、ここでは証拠に集中しようよ、と言いたい気もする。犯人グループの「だまし」(変装や嘘)に対抗するのがCSIの証拠分析なのだから。