Table of Contents
Dexter - Season 1, Episode 4
#4 Let's Give the Boy a Hand
- 邦題:「切断された手足」
- 監督:Robert Lieberman
- 脚本:Drew Z. Greenberg
- 初回放映:2006-10-22
概要
ストーリー
ペトリ・ビーチで男性の手首が発見される。被害者が男性で血痕があることから、アイストラック・キラーの一連の犯行とは一見無関係に思われた。だがデクスターは、その現場が昔両親と妹と一緒に来た場所であることに気づく。現場には手首を撮影した絵葉書のようなポラロイド写真が残されていたが、それはデクスターのアルバムにある写真と同じ場所を映した物だった。アイストラック・キラーが思ったより自分の生活に深く踏み込んでいることに、デクスターは愕然とする。
手首の主は、指紋から指名手配中のトニー・トゥチと判明。総力を挙げてトゥチを追っていたラグェルタは、間違いを認めざるを得なくなる。トゥチの母親は、謝罪に来たラグェルタを責めず「息子を見つけてほしい、無事に埋葬したい」と静かに言う。
翌日、トゥチの足首とサッカーボールが発見される。そこもデクスターとハリーの思い出の場所で、同じようにポラロイド写真が置かれていた。デボラはビーチ付近の監視ビデオのチェックを命じられる。
デクスターは、トゥチの手首の血流から、それが切り落とされた時に心臓がまだ動いていたことに気づく。さらに、その1日後に発見された足首も、腐敗の状況が手首と同じ。つまり、トゥチは生きたまま手足を少しずつ切り落とされているのだ。そして翌日には別の場所に別の部位が置かれる可能性が高い。ドークスは見張りの警官を増やして警戒に当たる。
次に発見されたのはトゥチのふくらはぎの部分で、場所はカボチャの農場だった。そこもデクスターとデボラがハリーとともに訪れた場所。トゥチのふくらはぎは、その前に発見された足首の上の部分だったが、足首につながる箇所に感染症の兆候が見られないことから、犯人は予防措置を行ってから切断したと思われた。
ハロウィーンの夜、デクスターはリタの思わぬ「Trick or treat」訪問を受けて戸惑うが、その後のリタとの会話から、アイストラック・キラーの意図がわかる。共通項はハリーだったのだ。デクスターがハリーとともに撮った写真を取り出すと、その裏にはアイストラック・キラーのラクガキがあった。デクスターはその場所へ向かう。
そこはハリーの父親が勤めていた病院で、現在は閉鎖されて廃墟となっていた。入ってみると、トゥチが目隠しをされ、ベッドに縛りつけられている。デクスターの足音を聞き、トゥチは「もう切り刻むのは止めて、いっそ殺してくれ」と懇願する。
デクスターは、「トゥチを殺せ」というアイストラック・キラーの意図を察知するが、トゥチを殺すことはできなかった。ハリーも、そしてデクスター自身もそれを望まない。そこへ物音とフラッシュの光。駆けつけると、デクスターの姿を映したポラロイド写真が残されていた。
その後、黙々と監視ビデオを見続けるデボラのもとに匿名の通報が入り、トゥチは無事に救出される。
一方ドークスは、ここ数日彼を付け回していたゲレロの手下に拉致され、車のトランクに放り込まれてしまう。そしてゲレロの前に引き出され、あわや射殺、という時にマクナマラ刑事らが現れゲレロを逮捕。ドークスを餌にゲレロをおびき出す作戦だったのだ。
マイアミ警察事件ファイル
- アイストラック・キラー被害者No.6: アイスホッケー・アリーナの夜間警備員。アイストラック・キラーに脅されて遺体をリンクに置いたため、最初は犯人扱いされてしまった。しかも、その後拉致されて手首と足首を少しずつ切り取られるという悲惨な目にあっている。現時点では唯一の生存者であり、唯一の男性被害者。
- リッキー&カーラ・シモンズ: マクナマラ刑事らがゲレロを挑発したとばっちりでドークスが殺されそうになるが、実はゲレロを逮捕するために囮にされたのだった。ゲレロはまんまと罠にはめられて逮捕される。
デクスター被害者ファイル
今回はなし。
感想
今回は、デクスター自身の迷いを示すモノローグが多めだったように思う。感情を持たず殺人衝動を内側に抱え、「普通のふりをしろ」という父の教えのままに生きてきたデクスターは、「ハリーの目を通した自分の姿」と「本当の自分」の境目はどこなのか、現在の自分はハリーの断片の寄せ集めに過ぎないのではないか、と悩む。
この「迷い」のせいか、デクスターのキャラがちょっと停滞ぎみ? な感じも。事件ではアイストラック・キラーの方がまだまだ2歩も3歩も先を行っていて、デクスターはどうも後手後手に回っているように見えた。
その代わりと言っては何だが、脇キャラの活躍が印象に残る。いかにもなbattered womanとして登場したリタが、今回は意外に大胆なところを見せた。隣家の庭につながれたままでストレスの溜まっていた犬をさらって、犬好きの姉妹に勝手にあげてしまったり、下着のようなコスプレ服(トゥームレイダーだっけ?)でデクスターの家に行って、そのままオトナのハロウィンになだれ込んだり(これはtrickとtreatどっち?)。あの隣の人って、時々子どもたちを預かってくれる家とは別……だよね。反対側のお隣さんなのかな。隣の人、どこかで見たような気がしたのだが、IMDbで見る限りは初めて見る人のようだった。うーん、でもどこかで……とよく考えてみて、CSI:マイアミに登場する記者のエリカ・サイクスと印象がダブるのかなぁと思い至った。あの、相手を小ばかにしたような(そして、そういう自分が魅力的だと思っていそうな)表情の作り方に共通項を感じるわ。
ラグェルタも少し印象が変わってきたかな。原作で読んだ感じでは、もっとセクシー系の美人で外見と口先だけで出世してきたような印象だったのだけど。ここでは失敗もするけれど、ちゃんと警部補として仕事をしている感じなのね。教会でトゥチの母親と抱き合うシーンがとても良かったと思う。
エンジェルは結婚記念日のプレゼント選びにえらく熱心なので、ラブラブなのかと思ったら「許してもらう」ために気持ちを込めようと必死だったようだ。何があったのだろう。
— Yoko (yoko221b) 2007-09-11