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Dexter - Season 2, Episode 4
#16 See-Through
- 邦題:「仮面の内側」
- 脚本:Scott Buck
- 監督:Nick Gomez
- 初回放映:2007-10-21
概要
BHB事件捜査状況
BHB事件の被害者18名が身元を特定され、そのうち13人に凶悪犯罪の前歴があることがわかる。ただし組織犯罪とは思われない。マシューズ警部はそのことを公表して「善良な市民の皆さんは安心してください」と言おうとするが、まだ手がかりが少ない状況なのでランディは公表に反対。結局、警部の判断でその事実は公表されることになる。そして、犯罪歴のない5名についても、他の被害者と同じような「狙われる理由」がないか探るよう指示が下る。
マスオカが「大きな手がかりをつかんだ」と発表。内容が気になって仕方ないデクスターは、とにかく気持ちを落ち着けようと、スポンサーであるライラに会いに行く。ライラは「自分自身を受け入れるためには、まず自分が何者なのかを知る必要がある」と言う。
マスオカが発見した手がかりは「藻」だった。海洋生物学者が鑑定して正確な種類を特定すれば、犯人がボートを係留しているマリーナがわかり、さらにはボートも特定できるかもしれない。
犯罪歴がなかったはずの5名の被害者は、実は殺人をしていた過去があったことが次々に解明されていくが、エンジェルが担当しているオスカー・ソタだけは事実がわからない。焦ったエンジェルはつい、厳しい口調でソタの妻を追及して怒らせてしまう。だが、エンジェルが反省して謝罪に行くと、夫人は態度を軟化させ「実は夫が拳銃を隠していたのを知っています」と認める。
デクスターは、夜中に警察へこっそり忍び込み、遺体が安置されているプレハブの空調設備を破壊し、ゴミ収集車がぶつかったように工作。翌朝、捜査班の面々が出勤してみると、高温で遺体は一気に腐敗し、証拠がだめになってしまっていた。ただし、マスオカが発見した重石だけは別の場所に保管されており、無事に鑑定に送られてしまった。分析結果は1週間後にわかるという。
マイアミ・メトロ警察
女性が自宅で射殺されるという事件が発生し、ラグェルタとドークスが担当。鑑識としてデクスターも現場に呼び出される。容疑者は夫のカーティス・バーンズ。ドークスは部屋を見て、夫は特殊部隊の兵士だろうと判断。軍隊時代の人脈をたどってカーティスに接触しようとする。
ドークスはカーティスの戦友に会う段取りを付けるが、そこに現れたのはカーティス本人。彼はドークスの追及に応えて妻の殺害を認め、「キューバに逃げるので48時間だけ待ってくれ」と頼み込む。ドークスはそれを拒否して銃を向け、撃とうとしたカーティスを射殺。
マシューズは婚約者とのゴタゴタを抱えて役に立たないパスカルを更迭し、ラグェルタを殺人課の主任に復帰させる。パスカルは婚約者に浮気されて悩んでいたのだが、その「浮気相手」は何とラグェルタ。しかもパスカル更迭を受けて、ラグェルタはその彼に「用済み」とばかりに引導を渡したのだった。
感想
いろいろ進展のあったエピソード。
BHB事件では、どうやら被害者が悪人ばかりだということがわかってくる。犯罪歴のなかった被害者も、実はそれぞれに悪事をはたらいていた。エンジェルは被害者の妻を怒らせてしまうが、その後謝罪。「この事件はあまりにも残酷すぎて、このような仕打ちを受けるには何か理由があるはずだ、それに値するような悪い人間に違いない、そう考えることでようやく自分を納得させていたのです」と正直に心情を話す。その姿を見ていると、彼は心底良い人なんだなと思えてくる――実は本当に天使なのかも。
被害者の共通項が判明したことで、プロファイリングは大きな進展を見せそうな気がする。犯罪者の記録と書類係のカミラさんが結びついたら、かなり危なくなるのでは? さらにマスオカさんが藻を発見。彼は前シーズンでも麻酔薬を検出して、見かけによらず(失礼)有能なところを見せていたっけ。徹底して証拠を残さないようにしてきたデクスターも、100%完璧というわけにはいかない。「もうドーナツあげない」じゃ済まないかもよ。
デクスターも、プレハブの空調を破壊したり、マスオカの仕事を増やしてみたりと、いろいろ小細工はしてみるものの、どうも後手に回っているような印象――これは、前シリーズのアイストラック・キラーとの対決図式と似たようなところがあるかも。
そして、デクスターの前に現れた謎の美女、ライラも重要なキャラクターになっていくはず。でも彼女の英国アクセントがどうにも耳障りなのが困ったものだ。デクスターは吹き替えより原語の方が雰囲気が出ていて好きなのだが、ライラだけは吹き替えで聞きたいような……それとも、このウザさも個性のひとつと思うべきだろうか。キャラ的に。
殺人課の主任だったエズミ・パスカルは、前シーズンの後半で着任したのだが、これといった活躍もないまま退場。この人はそもそも、マシューズ警部が自分に楯突いたラグェルタを降格させるために持ってきた人だったのよね。キューバ人コミュニティからの圧力をかわすための人種・性別属性を重視した人選であって本人の能力ではない。昇進したのも任務中に負傷したからとか言ってたっけ。婚約者とのゴタゴタも、1話から少しずつ描写されていたけれど、今回でようやく退場。ラグェルタはエズミに同情的なそぶりを見せたり、警部からの主任復帰の話に飛びつかずエズミを立ててみせたりと、前シーズンに比べるとずいぶん慎重かつ巧妙に画策しているように見えたけど、その裏でこんな色仕掛けをしていたのか~。まったく油断も隙もないな!
— Yoko (yoko221b) 2009-05-18