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Dexter - Season 3, Episode 6
#30 Sí Se Puede
- 邦題:「為せば成る」
- 脚本:Charles H. Eglee
- 監督:Ernest Dickerson
- 初回放映:2008-11-02
概要
デクスターはミゲルと釣りに出かけ、イーサンを殺害した時の心境を語る。ミゲルはデクスターの行動に対し、理解と称賛を示す。
フリーボの下で働いていた少年、ウェンデル・オーウェンが殺害される。今回は生きながら皮を剥がれ、その最中に死亡したものと思われた。デボラは、ウェンデルもハビエルも自分が事情を聞いた直後に殺害されていることから、警察の情報が漏れているのではないかと考え、ラモン・プラドに疑いを抱く。
デクスターはミゲルを諦めさせるために、とても手を出せないような厄介な獲物を選び出す――ネオナチ組織のメンバー、クレムソン・ガルト。殺人罪では組織が暗躍して無罪になったが、別件の武装強盗で15~20年の刑を言い渡され、現在収監中。刑務所の中から指令を出して殺人を続けているという。厳重に警備された刑務所にいて手の出せない相手だが、予想に反してミゲルは乗り気になり、召喚状を出してガルトを刑務所から裁判所へ移送する手はずを整える。
デクスターは、資料室のカミラが末期の肺がんであることを知り、病院に見舞う。
デクスターはミゲルの手引きでガルトを脱走させる。だが、事前にミゲルと打ち合わせた隠れ家には行かず、ただ1人でいつもの「儀式」を行う。
デボラはラモンを尾行し、彼がフリーボの仲間を誘拐して拷問するのを目撃する。だがラモンは相手の皮を剥ぐこともなく、拷問しただけで解放。皮剥ぎ犯ではないとわかったものの、誘拐・不法監禁・拷問の罪状で逮捕せざるを得ない。
感想
もう何だかなし崩し的にミゲルのペースにのまれていくデクスター。大丈夫なのかな~。
思えば前シーズンでは、ハリーがデクスターの凶行にショックを受けて自殺したという事情が明らかになった。デクスターにしてみれば、これ以上の拒絶はない。そこへミゲルが現れて理解と尊敬まで示してくれたのだから、ふらふらと寄って行ってしまうのも無理はないだろう。
だがデクスターにとって最も危険なのは、彼を「持ち上げる」存在だ。暴力に「正義」のお墨付きを与えれば、何らかの歯止めがない限り遠からず暴走するだろう。ミゲルの魅力には、そんな危険があるような気がする。持ち前のカリスマ性とラテン的な明るいノリで行け行けドンドンと暴走させ、最後の最後で梯子を外してしまうような――そんな危ういものを感じるわ。前シーズンの最後でドークスがどういう扱いを受けたかを思い出せ!
ハリーの幻覚がデクスターと同じいでたちで現れたのが、何だか象徴的だ。今シーズンのハリーは、今までのような回想シーンではなく、デクスター自身がハリーの記憶から作り出した姿。デクスターが自分自身と対話しながら、新たな「掟」を構築するプロセスなのだろう。今までとは違うパターンでの殺しが多いことも、そのせいなのかもしれない。それに、デクスター自身が作り出した姿ってことなら、役者が多少老けても大丈夫だしね。
それ以外の部分では、ラグェルタの動きが気になるところ。エレン・ウルフ弁護士といったんは手を結んだものの、エレンの目的はチッキー・ハインズの再審だけでなく、どうやらミゲルのキャリアを断つことらしい。ラグェルタにしてみれば、そこまでの協力はとてもできないだろう。こっちでも何か動きがありそう?
— Yoko (yoko221b) 2009-12-06