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Dexter - Season 4, Episode 8
#44 Road Kill
- 邦題:「過ちと悔恨」
- 脚本:Melissa Rosenberg, Scott Reynolds
- 監督:Ernest Dickerson
- 初回放映:2009-11-15
概要
デクスターは間違って無実の(少なくとも殺人犯ではない)人間を殺したことを悔やみ、思い悩む。殺人課はファローの失踪を知り、助手ブランドが殺害した可能性を視野に入れて捜査を継続。
デボラは撲殺事件についての報告で、トリニティが手がけた撲殺事件に共通する「遺灰を壁に塗りつけ、被害者の手がそれを指差す」という犯行現場写真を見せるが、その中にバスタブ殺人の写真が紛れ込んでいたため、トリニティの三連続殺人について説明する羽目になる。ランディが真相に近づきすぎたために殺されたとなると、デボラ自身も被害者となるため、デボラは担当から外される。
アーサーは地下室で棺桶を完成させる。
デクスターはアーサーを訪ね、彼が新しい「救済の家」建設のためにタンパへいくことを知る。そして、タンパで開かれる気象会議を口実にして「償いたいことがある、助けて欲しい」と言って強引にアーサーと同行。
殺人課では、トリニティについて「血痕から身長190cm前後、犯行が30年以上に及ぶことから年齢は50代かそれ以上、DNAプロファイルから北欧系で青い目の白人男性」と絞り込むが、それ以上の手がかりがない。クインはデボラからヒントを得て「年配の白人男性からDNAを一斉採取する」方法を提案。マイアミではすでに前例もあることからラグェルタは許可を出し、バティスタと2人で経費を捻出する。警官たちも有休手当てを寄付し、何とか予算達成。
トリニティはデクスターの態度に苛立ち「悩みを話してくれなければ助けられないだろう!」と声を荒げるが、デクスターが「人を殺した」と言うのを聞いて態度を変え「悔恨ほどつらい物はないが、告白が魂を癒す」と元気付ける。
アーサーはデクスターを連れて、自分が子どもの頃に住んでいた家に上がりこむ。当時10歳だったアーサーは姉がシャワーを浴びるのを見ていた。子どものことで何も変な意味はなかったが、ヴェラは驚いて足を滑らせ、割れたシャワードアで脚を切って死亡。デクスターは、トリニティも自分と同じように「血の海の中で生まれた」ことを知る。その事件によりミッチェル家は崩壊、心を閉ざした母親は飛び降り自殺、父親は酒におぼれてアーサーを虐待し撲殺されたという。
記者のクリスティンはクインの自宅を訪ねてDNA採取の書類を見つけ、銃撃事件に関連ありと見てデボラに接触。デボラは、DNAの件を記事にしないならインタビューを受けてもいいと申し出る。
デボラは洗面所で自分の貫通銃創の傷がほぼ平行であることに気づく。撃ったのが長身のトリニティなら、弾道は下向きになるはず。トリニティが銃撃犯人でないことがわかり、デボラはトリニティ捜査に復帰する。
デクスターは準備を整えてアーサーを殺そうとするが、彼の部屋は空。「救済の家」建設現場へ行くと、アーサーはその上から残った姉の遺灰を撒き、飛び降りようとするところだった。デクスターは「死なせない」とアーサーを助ける。他のボランティアたちも駆けつけたため、デクスターは殺害を断念。マイアミへ帰る途中、DNAの一斉採取が行われていることに気づき、検問を迂回する。
感想
トリニティ殺人がいったい何だったのか――それがようやくこのエピソードで見えてきたようだ。
「姉の死」で始まった一家の悲劇を何度も何度も繰り返し再現させ、その現場に姉の遺灰を残す。熱湯シャワーを浴びたりワザと殴られたりしたのも、父親から受けてきた虐待の再現だったのだろうか?(酒場の外で殴られたのは、父親の事件の再現だったのかも)そして最初の「バスタブ」から30年経ち、最初の事件を起こした場所を順繰りに廻って犯行を終えたところで棺桶を製作して自殺。あの棺は自分が入るための物だったのか。
しかしデクスターはトリニティを助けてしまう。それは「自分で殺すから」なのか? あるいは、彼なりに持っている将来への不安から、「連続殺人鬼の行く末」をもう少し見定めたいという思いがあったのか。
しかしマイアミ・メトロ署のトリニティ捜査も、デボラが復帰して真相に近づきつつあるようだし、クインの動向も気になるところ。エンジェルとラグェルタの恋愛ドラマはどーでもいい。
— Yoko (yoko221b) 2011-08-08