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Dexter - Season 7, Episode 2
#74 Sunshine and Frosty Swirl
- 邦題:「日光浴とアイス」
- 脚本:Manny Coto
- 監督:Steve Shill
- 初回放映:2012-10-07
概要
デクスターはデボラに対し、母親の死を目の当たりにした影響で殺人の衝動を感じるようになり、養父ハリーの考えで悪人だけを殺すという掟を守ってきたことを打ち明ける。デボラはデクスターに依存症を克服させるため、同居して24時間監視すると言い渡す。
デクスターは、デボラが見つけた「証拠品」の中にアイストラックキラーの被害者の義手があることに気づき、証拠保管室を調べる。マスオカから義手が盗まれた話の顛末を聞き、送りつけたのはルイスだと判断。
ラグェルタはスライドの血液を外部機関に鑑定に出し、トラヴィス・マーシャルの血液であることを確認。さらにFBIに連絡して「ベイハーバー・ブッチャー」の証拠品を取り寄せる。その中には、ドークスの物とされた血のスライドがあった。
エンジェルとクインは再び「フォックスホール」へ聞き込みに。クインはダンサーのナディアから、カジャが用心棒のトニー・ラッシュとデートしていることを聞く。トニーは事件以降、仕事に来ていないが、店の防犯カメラでアリバイは裏付けられる。警察で取り調べを受けたトニーは「事件の夜、カジャはヴィクターと一緒に店を出た」と言う。
連続殺人で収監中の殺人犯、ウェイン・ランダルが「他にも遺体がある」と言い出し、警察と鑑識が遺棄現場を掘り返して調べることになる。デボラはマスオカを行かせるが、次にデクスターが交代。デボラはそこでも監視しようとするが、カジャ事件で容疑者ヴィクターが浮上したため、デクスターが単独で現場へ向かう。
デクスターは昼食休憩を利用してルイスの自宅に侵入し、ルイスのビデオ日記などを見る。ルイスは以前にソフトウェア会社の創業者を陥れて会社を乗っ取ったことがあった。そこへルイスが帰宅。デクスターはルイスを問い詰めるが、ルイスはゲームを貶された仕返しに嫌がらせをしただけだと言う。デクスターは脅しただけで去る。
エンジェルらはクラブへ戻り、ヴィクターについて聞きこむ。キエフからはマフィア組織「コシュカ」のアイザック・シルコがヴィクターを探しに来る。
デクスターは、脅して追い払ったはずのルイスがまた図々しく顔を出していることを知る。デクスターはデボラの料理に睡眠薬を仕込み、ルイスを襲って注射を打つ。そこで注射の跡の血痕を見たデクスターは律儀にデボラに電話。衝動について話し合った後、デボラを先に返し、気を失ったままのルイスをベンチに放り出す。
アイザックはトニーを訪ね、彼が警察に行ったことを知ると目にドライバーを突き刺して殺害。
ウェイン・ランダルは昔懐かしいアイスクリームを食べて「同じ味だ」と喜ぶ。今頃告白した理由を聞くと「囚人という自分の立場を受け入れたら怒りが消え、良いことをしたいと思った」と言う。だがその翌日、共犯者だったハンナの話をしたランダルは「もうひとり殺し足りない」と言い、タンクローリーの前に飛び出し死亡する。デクスターは、ランダルは死ぬ前に日の光を浴びてアイスを食べたかったのかと思う。結局のところ終身刑を受け入れることはできなかったのかと――。
感想
ルイスが送り付けた義手に、デクスターがようやく気づく。ルイスが義手を送る場面を見たのはもう2年以上前の話なのだが、作中ではまだ2日ぐらいか。前シーズンのフィナーレでは、デクスターはまだ義手に気づいていなかったはず。前回で一度帰宅してルイスを叱責しているが、その時も気づかなかったようだ。だが、デボラが家探しして発見した「証拠品」の山の中に、その義手があった。
そうそう、だから前シーズンは、ルイスが実はブライアンの息子ではないか? とも思ったのだった。ブライアンがごく若いころにもうけたと考えれば、ぎりぎりであり得る年齢だろう。しかし今回のルイスのリアクションは……ちょっとおバカな感じなので、あれが演技なら別だが、やはりブライアンとは無関係なような気がしてきた。というか、そうであってほしい(いい加減ウザくなってきたし)。
デクスターはいやおうなしにデボラの「更生プログラム」に組み込まれ、血が見えて衝動を感じたら、すぐにデボラに話すことになってしまった。この方法、シーズン2でライラともやっていたが、依存症克服の標準的な方法なのだろうか。
デクスターは「法の網をくぐり抜けている、殺されて当然の奴だけを狙っている」と言うが、実際には間違えて無実の人間を殺したことがあるし、刑期を終えた性犯罪者を予防的に殺したことも、捜査を妨害してまで殺人犯を手にかけこともある。まだまだデボラの知らないことはあるぞ~さあ、どうする。
終身刑で収監中の殺人犯、ランダルとの会話。ランダルは最後のひとり――自分を殺す。デクスターはそれを見て、一生刑務所暮らしをするのは耐えられなかったのかと思う。デクスターが自分の将来について考え始めたのは、息子が生まれたシーズン4の頃からだったろうか。このまま殺人を続け、やがて年老いた時にどうなるのか。一連の犯行が露見したら自分は、家族はどうなるのか。
デクスターは鑑識なので、逮捕されれば今までに扱った事件が再捜査されるのは必至。冤罪を主張して釈放される者も出てくるのではないか。実際には逆に、立場を利用して殺人犯を野放しにした(そして自分で仕留めた)ケースが多いとは思うけど。しかしデクスターが収監され、逆に凶悪犯が何人も野放しになれば、それこそデクスターが何人いても足りなくなってしまいそう。
今シーズン、ラグェルタの動きやウクライナマフィアも気になるのだが、まだいまいちペースに乗りきれない感じがしている。次回以降に期待。
ところで、マフィア組織の名前は「コシュカ」というらしいのだが、これはもしかしてロシア語の「кошка(猫ちゃん)」なのだろうか。何だか全然怖くない名前……それともウクライナ語では違う意味なのか?
— Yoko (yoko221b) 2015-03-14