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Dexter - Season 7, Episode 5
#77 Swim Deep
- 邦題:「深海へ」
- 脚本:Scott Reynolds
- 監督:Ernest Dickerson
- 初回放映:2012-10-28
概要
デクスターはボートで血痕を発見し、そこでルイスが殺されたことを知る。
デボラはラグェルタが外部のラボに証拠品の鑑定を依頼したことを知って事情を問い質す。ラグェルタは、ベイハーバー・ブッチャーはドークスではなくまだ生きており、今もマイアミで殺人を続けているのではないかと疑っていた。デボラは「自分もドークス犯人説には疑問を持っている」と言い、ラグェルタに協力を申し出る。
デクスターは帰宅した時にカーテンが開いていることに気づく。中に誰かいると察し、留守電を使って誘き出してみると、アイザック・シルコが現れる。アイザックと電話で話したデクスターは、相手が警察全体――特にデボラに対して復讐するつもりでいることを知る。デクスターはデボラに警告し、ヴィクターを殺害したことや、そのために証拠を隠したことなどを打ち明ける。
デクスターは「フォックスホール」の外で張り込み、アイザックが殺し屋ではなくボスであることを知る。そこからアイザックを尾行しようとするが、エンジェルとともにハンナ・マッケイの聴取に同席することになる。
ハンナ・マッケイは、ランダルが残した遺品を見て、犯行の詳細や遺体を遺棄した場所などを供述する。ハンナはランダルに脅されて恐ろしかったと言うが、デクスターは彼女が事件を懐かしんでいることに気づく。
翌日、デボラはラグェルタとともに、失踪中の犯罪者、バーンズの家族を訪ねる。バーンズは結婚式のカメラマンで、他所の街から一人で来ている女性を狙い、誘い込んで殺害していた。家でも妻子に暴力を振るっていたらしく、息子は「父がいなくなってから母も自分も安心して暮らせるようになった」と言う。息子は父親が仕事で撮影した写真を見せる。デボラはデクスターが映っている写真を見つけ、「時間をかけて調べたいから」と言い、気づかれないように写真を署に持ち帰る。
ハンナの供述に基づいて男女の遺体が発見される。デクスターは着衣の血痕を調べ、女性を殺害した犯人は、ウェインよりも小柄な人物、つまりハンナであることに気づく。
アイザックの尾行に気づいたデクスターは、「コシュカ」と対立するコロンビア系マフィアが集まる店に誘い込む。しかしアイザックは意外にも強く、店にいたコロンビア人を全員殺害して逃亡していた。ジョージはクインを買収しようと考える。
店の血痕からアイザックの犯行が裏付けられ、アイザックは逮捕される。
エンジェルはアレックスの「自殺」に疑問を抱き、もう少し捜査したいと希望するが、デボラは「再捜査はリスクが高すぎる」と捜査終了を命じる。そしてデクスターを訪ね、バーンズの写真を渡す。
感想
前回でデボラの追及はいったん終わったかと思ったら、またまた余罪が明らかに。
ラグェルタの「ベイハーバー・ブッチャー探し」が始まり、失踪した容疑者が何人も、いつの間にか殺されていたことがわかる。それでもリストの中の全員でなかったということは、マイアミには連続殺人犯がいったい何人いるのか。そして、アイザックに知られたことで、やむを得ずヴィクター殺しの件も自白。カメラマンはDV男で、いなくなって奥さんも息子も安心して暮らせるようになったというから、とりあえず許容範囲内といったところか。しかしヴィクターの件では、証拠を隠蔽したうえに、予想外とはいえそのせいで善良なアレックスが犠牲になっている。
ヴィクターは「法の目をかいくぐって罪を重ねる犯罪者」であるのかもしれないが、彼のような組織犯罪者はデクスターが「獲物」とする条件には該当しないはずだ。本来なら、組織のボスが座敷牢にでも入れておくべき案件だろう。デクスターがこれまで手にかけて来たのは、ジョーダン・チェイスを除けば一匹狼の猟奇殺人犯ばかりで、「姿を消しても誰も本気で心配しない」ということが、捕まらないための条件だった。ヴィクターについてはリサーチも殆どしていないので、幹部に愛されていることも、GPS付きのブレスレットのことも知らなかった。トラヴィスの一件のあれこれで誰かを殺さずにいられなかったとしても、ちょっと杜撰すぎではないか。
アイザックの問題はコロンビア人の店に誘い込んで対決させるという作戦を取るが、相討ちにさせようと思っていたアイザックは生きたまま逮捕。アイザックの口からヴィクターの件がバレないかと心配になってしまうが、その線はなさそうかな。アイザックとの会話から察するに、彼は何十年かかっても自分でヴィクターの仇を打つつもりだろうし、デクスターのことを話せばアレックスを「自殺」させたことも芋づる式にバレてしまって店も危ない。
そしてハンナはどうする? ハンナの罪はすべて免責されている――というが、取引した当時、まだ明らかになっていなかった罪も含めてすべて、ということなのだろうか。弁護人がハンナに協力させるぐらいだから、おそらくそういうことなのだろう。とすると、ハンナは「法の目をかいくぐる犯罪者」として、スペルツァーのようにデボラ基準を満たすことになるのだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2015-03-23