• 邦題：「むしばむ者」
• 脚本：Lauren Gussis
• 監督：Ernest Dickerson
• 初回放映：2013-07-14

デクスターは犯罪現場となったサスマンの小屋へ出かける。ぶら下がっていたはずの遺体は床に降ろされ、口に散弾銃を撃って後頭部が吹き飛ばされていた。デクスターは手の発射残渣を確認し、サスマンが自殺したものと結論付ける。「脳外科医」事件はサスマンの犯行ということで捜査は終了。

その頃、ヴォーゲル博士の自宅前にはサスマンの物と思われる脳の一部が送られていたが、今回は包みが2つあり「彼の」「彼女の」と書かれていた。犯人はデクスターの存在に気づいたのであろう。

デクスターはヴォーゲル博士の患者リストで、ロン・ガルッツォに注目。話している途中で、デボラが飲酒運転で連行されたことをクインから聞かされ、デボラが事情を知っていることをヴォーゲルに打ち明ける。

ヴォーゲルはデクスターに対し「ハリーは掟の第一を『悪人だけ殺す』としたがったけれど、私は『決して捕まるな』とした。デボラに正体を知られた時、なぜ殺さなかったのか」と聞く。デクスターが「デボラを妹として愛しているから」だと答えると、ヴォーゲルはその点を捉え「サイコパスでありながら妹を気遣い、愛を語る。あなたは完璧な存在であり、それを誇って良い」と言い、デボラを助けようと申し出る。

デクスターはデボラとレストランで食事をし、近くの席にいる男性を指さす。それはデボラが警部補に昇進するきっかけになった銃撃事件で助けられた男性だった。デボラが彼を助けたおかげで幼い娘は父親を失わずに済んだ、お前は良い人間だと励ます。

デクスターはガルッツォの自宅へ忍び込み、そこで彼が人肉を調理して食べていたことを知る。冷蔵庫には人間の脳があったが、マリネにされており抉られていなかった。彼も「脳外科医」ではない。

デボラは酒を飲みながら自分の動画を繰り返し再生した後にクインを訪ね「ラグェルタを殺したことを自白したい」と言い出す。クインは他人に聞かれないようにデボラを取調室に入れ、「覚えていることを文章に書け」とノートを渡して書かせ、デクスターに連絡する。

デクスターはヴォーゲルとともに署に駆けつける。他の誰にも知られていないことを確認し、「助けられなかった罪悪感からPTSD」になっている」と言いつくろう。デボラは「真実を全部ぶちまけてやる」と叫ぶが、デクスターは麻酔を打って「気絶した」とごまかしてデボラを連れ帰る。

その後デクスターはデボラをヴォーゲルに任せ、ガルッツォを始末する。

さて、デクスターとヴォーゲル博士のことに気を取られていたけれど、「脳外科医」事件はまだ継続中。

デボラが殺人課にいれば「手を出すな」と言い渡していたところだが、この事件ではヴォーゲルの意向で警察を出し抜かなければならない羽目になっている。

警察の捜査も一歩遅れてサスマンにたどり着いたが、サスマンが「自殺」したところで捜査は終了。しかしデクスターはそれが自殺ではなく、またサスマンが真犯人でないことも知っている。

そこで別の患者ガルッツォに目を付けるが彼は脳外科医ではなく食人鬼。冷蔵庫の中身を見たデクスターの表情が秀逸だった。バラバラに切り刻んで捨てるのはOKでも食べるのはダメなのか……。

うーん、実はヴォーゲルが真犯人で、本当の目的をまだ隠しているんじゃないかという気もするけど、それだと少々簡単すぎるかな。それにヴォーゲルの裸ラップ姿はあまり見たくないし。

デボラは相変わらずボロボロの状態。酒に酔って運転し、パーキングメーターを倒して警察に連行されてしまう。そこで助けを求めるのが例によってクインなのだが、この2人はどうなるのだろう。デボラに呼び出されたクインは、現恋人のジェイミーに嘘をついて出かけて行くのだが、それがバレてジェイミーを怒らせてしまう。

その後デボラは「自分がラグェルタを殺した」とクインに告白するが、もちろん真剣に取り合ってはもらえない。ここで銃弾の謎が明らかになった。デボラの銃で発砲した弾は運よく貫通して未発見に終わった（もしくはデクスターが回収してごまかした）ようだ。エストラーダの銃でもう1発撃って現場の偽装は完了。おそらく誰も疑問に思っていないのだろう。

クインはジェイミーよりデボラの方がお似合いだと思うのだが、ラストに向けてこの2人がヨリを戻すという可能性はあるのだろうか。そういえば、デボラがデクスターに恋愛感情を持っているという話、あれも何だか中途半端な使われ方だったな……。

最終シーズンということで、見ている側としてもいろいろ思い出すことが多く、ついつい「あれも、これも」と考えてしまうが、あまり欲張りすぎず、すっきりと話をまとめて終わらせた方が良いかもしれない。

— Yoko (yoko221b) 2015-05-03